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122話 ミドリムシは獣人の国の王都に出発する


 緑のダンジョンに招待された料理人4人は言い合いをしていた。


 その理由は4人が4人共緑のダンジョンで教師をしたいと思ったからだ。


「お前達、俺は料理長をそろそろ引退しようと思っていたんだ。レストランの事は後は3人で決めていけ」


「料理長ずるいです! この間まで、まだまだ料理長の座は譲らんといっていたじゃないですか!? ここで教師をしながら料理を好きなように研究する気でしょう!」


「料理長が抜けるなんてダメです! 残念ですが私が引退してここで教師を務めます!」


「いや! 私が教師に!」


 緑のダンジョンを案内された4人はまず緑のダンジョンの広大さ、そこにあふれるヒカリ、クウ、レイの子供達の数、その子供達が行っている農業、畜産などを目のあたりにし驚くと同時に子供の様に目を輝かせていた。


 ダンジョンを案内された4人は、緑のダンジョンではあらゆる食材が手に入り、また見た事がない食材が溢れているおり、さらに自分達が知らないまたは考え付かない技術がありそれを知ることができるまさに料理人にとって天国と思う。


 4人がダンジョンに来たいと思った事に緑は喜ぶ、しかし同時に醜い争いをし始めた4人をどうにか納得させる案はないものかと考える。


 そんな様子を見ていた干支緑の1人が良い事を言った。


「交代ですればいいのにねー」「「ねー」」


「それだ! 皆さん先ほど僕がお願いした教師は別に1人だけでする必要はありません」


 緑の言葉に4人は振り返る。


「「というと?」」


「期間を決めてもらって交代で教師をしてもらっても構いません」


「「おお!!」」


 緑の言葉を聞き4人は喜ぶ。


「そうであれば4人で交代でここに滞在し教師をすればいいか…… よし! 早速帰って順番を決めるぞ!」


 そう言ってダンジョンから大急ぎで帰ろうとするも料理長があることに気づき緑に尋ねる。


「だが、俺達はここに来るにはどうしたらよいのだ?」


 その質問にはギルドマスターが答える。


「ここに来るならギルドに緊急用の扉を設置してあるからそこを通るといい」


「わかった! じゃあ、俺達は帰るとする」


 そう言って4人は走るようにダンジョンから出ていくがすぐに誰かが戻って来るなと思う緑であった。




 数日後、緑達は街の城門にいた。


「それでは、王都に向かいます」


 緑がそう伝えたのは街の冒険者ギルドのマスターであった。


「ああ、途中の街に寄った際にはギルドに行くようにしてくれ…… お前達の事は獣人の国の冒険者ギルドのマスター達には連絡がいっているはずだ。もちろん扉の件も含めてな。それと王が挨拶もできず王都に戻ることをあやまっていた」


「王様がですか?」


 緑は、獣人の国の王とは同時スタンピードの際に各国の王達との会議をする前にあったがあまり話す事が出来ずにいた。


「王都に来た時は歓迎すると言っていた」


「わかりました、王都に着いたら挨拶に向かいます」


「ああ、そうしてくれ王も喜ばれるだろう」


 ギルドマスターの話が終わると次は父親達が1歩前に出る。


「俺らも後からおいつくわ!」


「まぁ、最悪扉を通ってダンジョンにはいってもいいしのう」


「まだこの街で引継ぎをしないといけなからね」


「経路はお任せします。 ではそろそろ出発しますので」


 緑がそう言うと城壁の上や周りから声が上がる。


「街を救ってくれてありがとう!」「またこいよー!」「気をつけてー」


 この街を襲う予定だったスタンピードを緑達が叩き潰したことが街に発表されたために街の人々は緑に感謝をしていた。


 さらに、緑達が街を去ると聞きつけ街の者達が感謝を伝えるために集まり今、緑達に声をかけていた。


「ぐすぐす…… 皆、感謝してくれてるね。ずずず……」


 街の人々が緑に感謝を伝える光景を見て緑がぐずりはじめた。


「おい、緑もういくぞ」


 ヤレヤレと思いながら魔緑が緑に声をかける。


「じゃあ、皆さんまた!」


 涙を拭うと緑はそう言って馬車に乗るこむ。それを確認すると馬車がゆっくりと進み始めて城門から離れていくのであった。




 出発してから数時間後、緑はダンジョンの中にいた。


 緑達が街を出発してから数時間後、昼食をとろうとダンジョンの中に入るとダンジョンで働いている子供達が緑を見つけ、偉い人が来てると伝える。


 緑は誰だろうと思いながら、待ってもらっている食堂に向かうと人、エルフ、ドワーフ達が総勢50人ほどまっていた。


 その集団の各種族から1人づつ緑の元に歩いてくる。


「私達は各国の王からお話をいただき教師となるべくまいりました」


「どうか子供達の教育に我らも参加させてください」


「他の国の技術をこのダンジョンで融合させれるぜ!」


「みなさん来ていただいてありがとうございます! では学校の話を進めたいと思います」


 緑がそういうと緑の周りに人々が集まりはじめ、学校の話をし始めると話はどんどん進み大まかな事が決まると、後は自分達にまかせてくれと教師として集まってきた者達が迅速に動き始める。 


 緑達と教師がはじめてあった数日後、緑のダンジョンの中で学校がはじまる。




「なぁ、緑お前ここで一緒に旅をしていていいのか?」


 不意に魔緑が緑に質問する。


「うん、大丈夫みたい干支ちゃん達も学校にいっても今は問題を起こしてないみたいだし。ダンジョンにきてくれた人達は人種に特に偏見もないし、もと教師なだけあって僕が口を出すとむしろ邪魔になりそうだしね」


「そうなのか・・・・ それじゃあ、王都をゆっくりめざすか」


 魔緑はそう言うとぼんやりと前を見ながら馬車を進める。


「ここ最近忙しかったしゆっくりしてもいいよね」


 魔緑の言葉に緑も同意し同じく前をぼんやり見つめる。


「キャハハハ」「わーい」「すすめー」


 のんびり進む馬車の横を干支緑達が自分達が魔法で操るモンスターにまたがり遊んでいる。


「みんなー あんまり離れないでねー」


 緑が干支緑達が馬車から離れすぎないように注意する。そんな緑の言葉に返事をする者がいた。


「「我らが居るから問題ない」」


 干支緑達が居る場所を3点で結ぶように囲い歩んでいる小さな少年少女が3人いた。


「しかし、ようやくこの姿にも慣れてきたな」


「そうだなサラマンダー」


「大人の姿だと明らかに干支達の護衛にしか見えないとはいえ子供姿を取らなければならないとは…… お主は楽しそうだなウンディーネ」


「ふふふ、サラマンダーとノームは雄だからかしら雌の私にはどの種族の子も可愛いものよ」


 3人は離れているにも関わらず緑達もその声がはっきり聞こえていた。


 先日の同時スタンピードで緑達に負けた龍種たちは、獣人の街をでて王都に向かう途中その姿を子供の姿に変え干支緑達を見守っていた」


「あ、みんなー 集まってー 他の人が来るよー」


「「はーい」」


 暫くすると緑達が進んでいる道に合流する道があり数台の馬車が進んでいた。


 しばらくすると緑達に気づいた馬車の集団であったが特に接触を図ることもなく進んでいく。


 緑達が馬車の集団の最後尾についてから数時間がたつと馬車の集団が休憩をとるために道から外れ馬車を止め始めた。


「みんなー 止まってー 僕達も昼食にするよー」


「「はーい」」


 緑の言葉に干支緑達も集まり皆で昼食の準備をするのであった。


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