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121話 ミドリムシは契約する


 3人の獣人は緑達を見つけるといきなり頭を下げ始める。


「私達はチーム【料理人】のメンバーです。何卒、何卒話を聞いてください」


 この3人に見つかって何をお願いされるか見当がついてる緑達は困った顔をしている。


 ただ、冒険者ギルドのホールに居た獣人達は話がちがった。


「おお! チーム【料理人】なのか!?」


「あのSランクの【料理人】のメンバーなら3人も強そうだな」


「あそこの料理人が頭を下げるとはどんな食材をもっているだ!?」


「あそこは高ランクの冒険者でもなかなか入ることができないレストランを経営しているからな」


 3人の獣人がチーム【料理人】だとすると騒ぎ始める。


 その騒ぎを聞きつけたのかギルドマスターが緑達の元にやってくる。


「緑、ここでそのまま話をすると騒ぎになるかもしれん部屋を使え。こっちだ」


 ギルドマスターは緑達と獣人の3人をギルドの1室に案内する。


 ギルドマスターに案内され緑達と獣人達は部屋に入る。


「あれ? ギルドマスターも話をきくんですか?」


 部屋を案内すれば席を外すと思っていたギルドマスターが一緒に部屋に入ったため緑が思わず質問する。


「何、個人的にお前達がすることに興味があるのと、橋渡しになれればとおもってな・・・・」


「ならいくつか質問してもいいですか?」


「俺にか?」


「はい、申し訳ないですが料理人の方々は少し待ってもらえますか?」


「「はい! 喜んで!」」


 料理人たちは緑達に話を聞いてもらえるならなんでもするような気迫でいた。


「さっき、ホールの人達が言ってたんですけどチーム【料理人】は有名なんですか?」


 緑の質問にニヤリと笑いながらギルドマスターが返事をする。


「ああ、チーム【軍団(レギオン)】ほどじゃないがな」


「「え!? チーム【軍団(レギオン)】!?」」


「まぁ、お前達の質問は後だ少しまっていろ」


 3人の料理人は驚きの声を上げるがギルドマスターに静かにするように言われ3人で黙ってアイコンタクトを取っている。


「まぁ、緑達はこの国に来て間もないというか、あまりチーム名などを知ってないようだから説明する。この3人がいるチーム【料理人】は獣人の国では有名なレストランを経営するチームなのだ。もちろん料理の食材を得るために強い魔物と戦う事もあり戦闘力持っている戦う料理人だ。こいつたちのレストランはなかなか入れないレストランで人の紹介でしか入ることが出来ないのだ。そのためこいつらが珍しい食材を聞きつけ売って欲しいと言われた者達はそれを売る事でレストランに入れるようになるんだ」


「なるほど。それで昨日、僕達に頼んできたんですね・・・・」


「ん、緑達はなにか特殊な食材をもっていたのか?」


「実はですね・・・・」


 緑達の能力を知っているギルドマスターに緑達は経緯を説明する。


「くくくく・・・・ がはははは!! なるほどな! それは得体のしれない相手には売れないな。だがこの3人に関してはギルドが保証をしよう! なんせsランクのチームで信用度も高いからな」


「なら、話は変わってきますね。お話を詳しく聞いてもいいでしょうか?」


「「はい! 喜んで!」」


 3人の獣人は緑達からもらった食材を定期的に購入したい事を伝える。


「まーちゃん、僕らの能力は特に隠してないけど、たくさんの人達が枝や瓢箪、葉っぱをみんなが欲しいと言ってきても困っちゃうから出所は秘密にしてもらえば契約してもいいかな?」


「ああ、それなら良いんじゃないか」


「「能力?」」


 食材の話をしていたのに能力の言葉を聞き思わず尋ねる3人。


「ですね、能力の説明を必要なのでチームのリーダさんもここに呼んでもらう事も可能でしょうか?」


「「はい! すぐに呼んできます!」」


 そう言うと3人はすぐさま走り出し部屋を出ていく。その様子を見送った緑はギルドマスターの方を向く。


「ギルドマスターもうしばらくこの部屋を借りてもいいですか?」


「ああ、好きなだけ使ってくれ」


 ギルドマスターにそう言われると緑達は彼らが返ってくるの待つのであった。




「この部屋か!」「「「はい!」」


 廊下から声が聞こえると部屋のドアがノックされる。


「どうぞ」


「失礼する」


 そう言って大きな熊の


獣人を先頭に3人の料理人達が戻ってきた。


 獣人が入ってくると緑が椅子から立ち上がり挨拶をする。


「はじめまして。チーム【軍団(レギオン)】のリーダーの水野 緑と言います。どうぞ座ってください」


「チーム【料理人】のリーダーのウィナーというよろしく頼む」


「はい、では早速ですが契約のお話をさせてもらいます。食材をお売りするためにいくつか条件があります」


「うむ、3人から聞いた。緑の能力に関係するために能力の内容と緑達から食材を売ってもらう事を秘密にするとのことだな大丈夫だ。むしろ条件はそれだけでいいのか?」


「じつはもう1つできればお願いしたい事があります」


「なんでも言ってくれ。俺は何でも条件をのむつもりでいる」


 そんなウィナーの言葉に緑は驚きを隠せず質問する。


「なんでもですか?」


「ああ、そうだ。3人がこちらに来ている間に食材を使わせてもらったんだが素晴らしい食材であった。この食材を継続的に手に入れる事が出来れば料理を1段階も2段かいも高みに登らせることができる」


「現役を引退した、優れた料理人を紹介して欲しいんです」


「理由を聞いても?」


「はい実は僕達のダンジョンで孤児たちを教育する機関を作るのですがそこで色々な教師をしてくれる人をさがしているのです」


「ダンジョン持ちか・・・・ しかし、そんな広いダンジョンになるには途方もない魔力を持っていないとだめだろう?」


 そんなウィナーの疑問にギルドマスターが答える。


「ああ、そうだ。だがその途方もない魔力を緑は持っているんだ。そのために俺達ギルドは新しい冒険者のランクを作ったんだ」


 ウィナーにそう言うとギルドマスターは緑に向き直る。


「緑、これは俺の頼みだがお前のダンジョンに4人を連れて行ってもらえないか?」


「いいですど何故ギルドマスターが僕に頼むんですか?」


「ああ、それは獣人の国の料理の発展のためだ」


 それを聞いたウィナーがギルドマスターに質問する。


「ギルドマスターこいつのダンジョンには何かあるのか?」


「一目見ればわかる」


 ウィナーの質問にギルドマスターはただ一言答える。


「では扉を開きますね」


 そう言って緑はダンジョンの扉を開く。


「じゃあ行きましょうか」


 そう言って緑達が扉に入っていくのを追って4人も扉をくぐる。


 扉をくぐった先の光景は見て4には叫ぶ。


「なんなんだここは!?」


 そこから緑のダンジョンを案内された4人はただただ驚く事しかできないのであった。

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