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愛が輝く時   作者: 青空夢花
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出会い

人を信じることは尊いことだ。

でも人を信じ過ぎて、悪い人に騙される人もいる。だからと言つていつも世の中を斜めに見ながら人を疑ってばかりというのも寂しい人生だ。


人を見て信じて良いのか、信じてはいけない人なのか……それを判断しながら、楽しく明るい人生を歩んでいきたい。


宗教と言うのも難しい。宗教の信者だから良い人と思ってしまいがちだが、必ずしもそうとは言えない。実際に信仰者であるにも拘わらず職場で同僚を虐める人もいる。


真面目な優しい人がたくさんいる教会もあるのだが、他の宗教を罵倒して歪んだ教えで信者をマインドコントロールし、信者を増やし金儲けすることばかり考えている教祖もいる。


これはフィクションなので、一部の宗教を避難する気持ちは毛頭無い。ただ私が周りから見聞きしたことや想像などで小説に纏めようと思っている。


これはあってはならない宗教をモデルにして、その宗教にメスを入れ、その裏際に潜む悪を暴いていこうと考えている。




「アンケートお願いします」



岩沢舞は仕事を終え自宅アパートのある新小岩の駅前で若い女性に声を掛けられた。普通なら無視して通り過ぎるのだが、その時は暇だったしアンケートに答えるくらいならまあ良いかなと思った。



「足を止めて頂き有難うございます。私は人類平和の為に活動している『愛園教』の坂口美緒と言います」



坂口と名乗る女性はにっこり笑うと、アンケート用紙を舞の前に広げた。



「あなたは神を信じますか?」



これが最初の質問だった。



「私は神様に会ったことは無いけど、悩み事とかあると無意識に手を合わせて祈っていることがあるので、神様がいると思った方が良いような気がします」



舞はそう答えた。



質問は10問程度あったが、最後まで質問に答えると、その女性は私にパンフレットを渡しながらこう言った。



「確かに神様は私達の目には見えません。でも間違いなく存在するんです。


何故かと言うと、実際に私の周りで困難に直面して、神様に助けて欲しいと一生懸命祈って悩みが解決した人や不治の病が奇跡的に完治した人がたくさんいるからです」



熱心にそう話す坂口に舞は言つた。



「でも、私は困った時に神様に何度もお祈りするけど、神様は何も願いを叶えてくれませんでした」



すると坂口は、



「ただ家にいて手を合わせて祈ってもダメなんです。神様のすぐ近くで祈らなければ神様は気づいてくれません。


私達は神様の一番近くにいるので、私達の声が神様にも届くんです。もし良かったらこれから一緒に神様に会いに行きませんか?


そこに行けば、姿は見えなくても神の存在が身近に実感出来ますよ」



そう言った後坂口はアンケート用紙を見て、



「ええと、岩沢舞さん……ですね。岩沢さんはこれから何か用がありますか?」




「べ、別に用は無いんですけど……」




「それなら今から私と一緒に神様のいる所に行きましよう」



えっ、どうしよう……。

舞は迷った。


この人について行って大丈夫かな?


でも同じ女性だし、優しそうな人だし心配はいらないだろう。


それにアパートに帰っても特別やることも無いし……。




「さあ、行きましようか」



坂口は舞を促すように言った。




「あ、はい」



舞は返事すると、坂口の後に付いて行った。




「舞さんは家族と暮らしているの?」



隣を歩く舞を見て訊ねた。



「いえ、1人暮らしです」



「そうなんだ。じゃ、実家は何処なの?」



「宮城県の仙台です」



「随分遠いんだね」



「ええ、ちょっと遠いですね」



「アパートでは普段は何をしてるの?」



「平日は仕事が終わった後、たまに会社の人達と食事をしたり飲みに行くこともあるけど、それ以外はまっすぐ帰って来ます」



「アパートに帰ってからは何をしてるの?」



「帰ってからですか。漫画を読んだりテレビを見たり……ですね」



「テレビはどんなのを見るの?」



彼女は親しげに色々話しかけてきた。今思えば舞に関する情報を聞き出していたのだろう。



話をしながら10分位歩いただろうか。古いマンションの前で坂口は足を止めた。




「私達はここで活動しているの」



坂口は舞を見てにっこり笑った。


このマンションは舞のアパートと結構近いような気がするが、殆どアパートと駅の往復しかしていないので、初めて見るマンションだ。



マンションの入口を入り、エレベーターに乗ると、坂口は3階のボタンを押した。そして3階に着くと、坂口は廊下をずんずん歩いて行った。そして一番奥の部屋のドアの前迄来ると振り返ってこう言った。




「ここが私達『愛園教』の活動している部屋よ」



坂口は鍵穴に鍵を差し込むとドアを開けた。


舞は少し緊張した。



「ただいま~」



ドアを開けるなり坂口がそう言った。すると、



「お帰りなさい」

「お帰りなさい」

「お帰りなさ~い」



そう言って、2人の女性と1人の青年が出迎えに来た。3人とも年は舞と同じ位に見えた。舞の姿を見ると、



「ようこそ」

「いらっしゃい」

「お会いできて嬉しいです」



口々に笑みを浮かべながら舞が来たことを歓迎してくれた。



「よ、よろしくお願いします」



舞はペコリと頭を下げた。




「こちらは岩沢舞さんです。皆、仲良くしてあげてね」



坂口が言うと、



「もちろんですよ」



ちょっとイケメンの青年が笑顔で言った。



「舞さん、素敵な名前ですね。僕は田口勇樹と言います、よろしく。どうぞこちらへ」



田口はそう言うと、舞の手を握り歩き出したので、舞は戸惑い赤面した。




「田口君は可愛いを見ると、凄く親切になるんだよね。修行が足りないぞ~」



後ろを歩く坂口がクスクス笑いながら言った。



「はい、すみません」



田口は頭を掻きながら言ったが、手は繫いだままだ。



あはは……。


笑うしかない。



でもイケメンに手を繫がれて嫌な気持ちはしなかった。




「ここが僕達の会議室……と言うか談話室かな。いつも皆でワイワイおしゃべりするところ。まずは中に入って」



田口に言われ舞は部屋の中に入った。本来ならリビングに当たる場所だが、そんな感じではない。



普通の家にあるような家具などは無く、ソファーなども無い。中央には会議室にあるような縦長のテーブルが4つあり、2つずつ向かい合わせに置いてある。


そして奥の方にキッチンが見える。



「まずは座って」



田口に言われ舞は「はい」と言つて椅子に座った。


「水辺さん、お茶を淹れてちょうだい」



坂口が先程玄関に出迎えてくれた女性に声を掛けると、その女性は「はい」と言つて、キッチンに向かって行った。



「皆を呼んできます」



もう一人の女性(森田早苗)がそう言ってリビングを出て行った。



坂口は舞の向かい側に座り、田口はその隣に座った。


しばらくして、リビングにゾロゾロ数人の若い人達が入って来た。




















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