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女王⁉ 聖女⁉ いえ、ただの農業オタクな細工師です。  作者: 堀井 未咲
第二章 貴族の在り方

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084 人生相談しました

 退場したロズレーヌ侯爵夫妻と入れ替わりに来た女王ちゃんとシェライラも交えて、歓談と相成った。

 バウルハウト侯爵も役目は終わったと言い、派閥の集まりに加わりにいった。

 そこで、アンナマリーナさんも勘違いしていた社交界の話をした。

 女王国内には、社交界に出入りできる適齢期の女性がおらず、当てはまるはずであったエンブリオ公爵家の相続人だった女性は、ナイルさんの元に駆け落ちしてしまっている。

 エンブリオ老公爵の夫人は、既に鬼籍の人。

 ならば、筆頭侯爵家はと言うと、シェライラは女王補佐でもある筆頭候補者と、前領主がやらかしたライザス領地の建て直しに忙しい。

 アルバレア侯爵家縁のアンナマリーナさんは、事情により社交界を敬遠していた。

 よって、ロズレーヌ侯爵令嬢のレミーアさんが、社交界の貴婦人を纏めるしかなくなった訳で。

 腹心の友人達と共に、いい意味で暗躍していた。

 それなのに、父親は後妻の言いなりと、ロズレーヌ侯爵位を手放したくはない為に、継承権を有する娘を排除したく、悪評を広めて侯爵家から追い出したかった。

 後妻の娘のミレーヌさんとは異腹な仲だけど、良識的な性格で異母姉を敬愛しているそうだ。

 女王国内では錬金術の才が尊ばれるから、折角の才能を秘匿しようとしていたのを、レミーアさんが後押しして学ばせている状態である。

 ただし、母親が自分を利用しているのを察して、あまり熱心に学んではいないらしい。

 まあ、実の親があれだからね。

 反面教師になったようである。

 本日、爵位継承権を狙った簒奪がバレて、その親が貴族院の取り締まりにあったので、これで才能を遺憾なく発揮できるだろう。

 レミーアさんも親は見放しても、異母妹は溺愛しているそうで、良縁に恵まれるまでは侯爵令嬢の身分は剥奪しないそうだ。

 隠居している祖父もなさぬ仲の義孫娘は、可愛いらしい。

 きっと、良い方向へ導かれるとみた。


「えっ? わたくしは、支援魔法に特化しているのですか?」

「そう。レミーアさんが味方を鼓舞する支援魔法で、チェイス伯爵令嬢のレベッカさんが敵方の弱体魔法特化。だから、二人揃えば、味方は強化されて、敵側は弱体化するの」

「まあ、わたしもですか?」


 自己紹介されて、チェイス伯爵令嬢はレベッカさん。

 エアハルト伯爵令嬢は、アイシャさん。

 クロス子爵令嬢は、オリビアさん。

 ラックベリ子爵令嬢は、リディアさん。

 名前で呼びあう仲になりました。


「オリビアさんは、水属性特化だね。魔法ランクを極めれば、どんな汚水をも浄化する能力に長けている。リディアさんは土属性だけど、侮ったら駄目。土魔法の中には、農産物に影響を与える凄い魔法があるからね。荒れた大地を地味豊かな土地に開拓できるんだよ」

「まあ」

「私に、そんな能力がありますの。初めて知りました」

「教会でステータス開示されたら、分かりそうなんだけどね」


 確か、適性検査って、教会がするんだよね。

 貴族令嬢なのだから、寄付金をけちらない限りは、詳しく調べて貰えそうなのですけど。

 そう溢したら、皆様一様に眉間に皺が。


「ミーア様は、聖母教会の腐敗はご存知ですよね。所属する聖職者も、あまり才能豊かな人材はいないのです」


 何ですと?

 女王ちゃん曰く、鑑定する人物に問題があり、詳しい属性を鑑定できない人材しかいないそうだ。

 それも、一番詳しく鑑定出来た人材が、あのライザスにいたシスターだったとか。

 あー。

 聖母教会の凄まじい腐敗ぷりに、頭が痛くなってきた。

 守護者システム停止して良かったわ。

 今日の論功行賞の場に来て、私と接触しようとする輩がいたらしいが、エルシフォーネとアリスによって、王城から追い出されたとか。

 おまけに、聖母教会を介さない守護者が誕生したから、これから周辺が騒がしくなるのは確実だ。

 エメリーちゃんの守護者の器である錬金人形は、女王ちゃんが作製する事になった。

 私が本物の錬金人形の教本を渡したから、順次広めていくそうだ。

 盗難にあった教本は、聖母教会所属の錬金術師がその通りに作製して、不備が連発して不評らしく、金策に困っているそうな。

 解体するのも、待ったなしな状態である。

 最早、守護者システムを金儲けの手段に成り果てた聖母教会なぞ、必要はない。

 早く、消えるがいい。

 しかし、守護者を必要とする弱者はいる。

 世界に流布されている守護者システムがなくなり、悩む女性は数多くいるだろう。

 けれども、守護者は貴族令嬢のステータスでは、決してない。

 新たなシステム構築しないとならないのも、理解している。

 人外さん達神様がいる神聖国に、一度は訪れないとね。


「ミーア様。悲観なさらないでください。いずれは、聖母教会も瓦解する予定でいましたから」

「ん? どうして?」

「神聖国の枢機卿より、聖母教会は警告されていたのですわ。初代女王陛下の理念から外れた聖母教会です。制約魔法の行使期間が来ていたのでしょう。ミーア様が、鉄槌を下さなかったとしても、聖母教会に未来はありませんでした」

「ですから、エメリーちゃんの守護者誕生は、聖母教会の終焉を意味します。恐らくですが、核となる精霊石が民間に出回れば、以降も聖母教会を介さない守護者誕生が続出します。私達は、錬金人形の売買が横行すると予測しています」

「陛下や、筆頭候補が仰る通りですわね。民間に出回る錬金人形の良し悪しが、今後の課題になるでしょう」


 侯爵家令嬢だけあり、レミーアさんは女王ちゃんとシェライラの話しについていっている。

 この場に宰相閣下もいれば、ミニ閣議と化すな。

 喧々諤々、題材を与えたようで、他の令嬢までも話題に乗っかっていく。

 流行に敏感な貴族令嬢が、私達の衣装や装飾品に目も向けず、課題となった在野の守護者誕生と、如何に平民の負担にならない錬金人形の普及に精力的に発言していっている。

 皆様、博識であり、平民思いだなぁ。

 ロズレーヌ侯爵夫人が俗物だっただけに、貴族令嬢や貴婦人の見方を考え直さないとね。

 噂に凝り固まっていたアンナマリーナさんも切り替えて、意見交換している。

 領主負担の意見は、行き過ぎじゃないかな?

 錬金人形の素材いかんによっては、平民が生涯手に入れられない金額になるよ。

 平民のいうままに取り合ったら、財政難に陥るのが目に見えている。

 そこそこの素材で作製して、格安の値段で貸し出し、レンタル料を定額制にする位でいいんじゃない?

 勿論、年に一度はメンテナンスフリーにして、アフターサービスもする。

 酷い損傷していたら、事態を把握して、無理矢理酷使されていたのなら、契約解除を盛り込んでおけば、阿保な輩はでないでしょ。

 一通り話題に華が咲き、納得いく制度の雛型ができて、女王ちゃんとシェライラは精査する為に主要な大臣と宰相閣下集めて別室に移動していった。

 そうなると、主催の女王陛下が退場して無礼講となった。

 そこで、漸くレミーアさん達がわたしの衣装の話題にと、シフトチェンジとなった。


「メタルスパイダーの亜種の糸ですか。鉱山地帯にメタルスパイダーは棲息しておりますけど、あまり聴かないですわね」

「その宝石を食べさせれば、亜種へと進化するのでしょうか?」


 エアハルト伯爵領には鉱山が数多くあるらしく、アイシャさんは新たな特産品となり得るか期待したようである。

 しかしながら、そう上手くはいかない。

 亜種へと進化させるには、鉱山に埋蔵する宝石の原石を食いつくしてでも、進化できるかは神のみぞ知る。

 下手したら、埋蔵している宝石の原石をただ、食べ尽くされただけとなる結果になるかもしれない。

 無闇やたらとお薦めできないや。

 それよりも、メタルスパイダーの糸を私が知り得る製法で生地にした方が旨味はある。

 それとなく、話題転換して製法書を渡しておいた。

 次に、海洋国家と取り引きしているラックベリ子爵令嬢には、真珠の養殖方法を伝授しておいた。

 この世界で真珠は、希に貝から産出される宝石の意味合いが強く、養殖する方法は確立されてなかった。

 なので、同一の真珠を数珠繋ぎした首飾りは、珍しい高価な装飾品だそうだ。

 クロス子爵令嬢には、特産品の農産物の新しい料理を提案した。

 クロス子爵領は、小麦の一大産地。

 パンの種類やお菓子の種類を念入りにメモして渡した。

 ユーリ先輩はあまり料理をしない人だったので、料理の改革はできなかったみたいである。

 小麦や米も簡単な種類でしか、発展してなかった。

 強力粉と薄力粉の違いが分からず、失敗した料理案が多々ある。

 クロス子爵領の小麦はたんぱく質の硬質がある種類なので、パンやピザ等の適した料理を提案した。

 後に、ピザ関連の発祥の地になるとは、この時点では思いもよらなかった。

 んで、支援魔法に適しているレミーアさんとレベッカさんに、気付いたら支援魔法の手解きをする約束を取り付けられた。

 希少な聖属性を保有しながら、治療関連の魔法を行使出来ないレベッカさんも、生家では片身の狭い生活を余儀なくされていて、レミーアさんが友人になってくれなかったら、かなり年の離れた老人の元に嫁がされていた不憫な女性だった。

 レミーアさんが祖父の援助を請いて学友に選んでくれたおかげで、其なりに役立つ駒扱いながらも、今がある。

 支援魔法を極めたら、独立したいそうだ。

 ただし、レミーアさんへの恩返しをしてから、と笑っていた。

 レミーアさん的にも、気心がしれた腹心の友人が傍らにいれば、ロズレーヌ侯爵家も安泰ではないかと思い至り、秘書官待遇でスカウトしたい人材であると打ち明けてくれた。

 レミーアさんがロズレーヌ侯爵家の継承権を持たないでいたら、一流の支援魔法師として名を馳せたかも。

 まあ、貴族の義務として、不測な事態には率先して活動するだろうけどね。

 打ち解けてみたら、皆さん良識的な女性でした。

 密かにお近づきの証しに、一粒真珠の首飾りを進呈しよう。

 祝勝会の場で出したら、物議を醸し出し、我もとあやかりクレクレ魔が出現するだけなので、後日に進呈だけど。

 細工師たる我が腕の見せ所だから、ちょいと凝った造りの首飾りにしてみようっと。

 ああ、アンナマリーナさんも省いたりはしないから。

 ちゃんと、用意しますよ。


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