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なろうの国のアリス  作者: 夕月 悠里
7章 王子とハーレム

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ハーレム談義

「ということで、君のも僕のハーレムに入って欲しいんだけど」

「えっ、いやよ」


 王子さまの身の上話を聞いたあとでまた王子からハーレムのお誘いが来た。アリスは速攻で断ったよ。


「えっ、なんで? そういや君の名前はなんて言うの?」

「アリスよ。ハーレムなんていやよ。私」

「アリス、いい名前だね。どうして? 僕の事嫌いなの?」とウインクしながらアリスに言う。

「そんなあったばかりの人にハーレムを勧める人なんか好きになれるわけないじゃない」 


 その言葉に王子は真顔になり、おかしいなぁ、スキルが効ないのかな。と王子がぶつぶつ呟く。ケーキについてきているフォークをカチャカチャ鳴らしながら何かを考えているようだった。しばらく皆はしんとしていたよ。アリスは他の女の子を眺めながら、みんな綺麗ねぇ。私もハーレム作ろうかしら。とか思っていた。アリスの思考も王子とあんまり大差ないんじゃないかな。


「ねぇ、アリスこっちに来て」

「?」


 しばらくして、王子がアリスを手招きする。アリスは不思議に思いながらも王子に近づく。


 とてとてと、王子の横に来たアリス。そして、王子はアリスの頭を撫でた。


「ちょっと何するのよ!」


 アリスは王子の手を払いのけ後ずさる。王子はひどく驚いた顔をした。ちなみにだけど、国や地域によっては頭をなでることを嫌悪することもあるので注意が必要。例えばタイだと、子供の頭上には精霊が宿っていて、無事に成長して大人になるように見守ってくれていると信じられている。そしてその精霊は穢れを嫌うらしいんだ。だから頭のてっぺんに直接触れると、精霊がその子供から離れてしまうとされている。だからタイで子供の頭をなでようとすると親がすごく怒りだすみたい。というか知らない人、知って間もない人の頭をなでるのはあまり勧められた行為ではないね。


「おかしいなぁ、スキルが効かない……こんなの初めてだ」

「もう、なんでそんなにハーレムを作りたいの?」とアリスは頭をかばいながら。

「そんなの決まってるよ。それがステータスだからさ。きれいな女の子を侍らす。それだけで僕の価値はダダ上がりじゃないか」

「はぁ、馬鹿じゃないの? 女の子を何だと思ってるの?」アリスは怒りながら王子に言い放つ。

「馬鹿だって? お父様にも言われたことないのに。まったく君の価値観で話さないでもらえるかな」と王子。


 アリスはちょっとしゅんとして。


 王子は紅茶を飲んでからまた話し出す。

「そもそも僕と一緒にいられるっていうのはすごいことなんだ。僕は王子だからね。なんでも持っている。すぐに王様になるからね。大きなお城も僕のモノさ。ねぇ、アリス、他の人がどう思おうが僕たちが幸せならそれでいいんじゃないかい?」

「えっと……、みんなは幸せなの?」


 と周りの女の子に聞くアリス。周りの女の子たちは、ちょっと間が開いて、首を縦に振る。


「ほら見ろ、アリス。君の価値観だけで判断しないでもらおうか。僕はすごいんだ」


 と椅子にふんぞり返る王子を見て、


「あんまり偉そうにしてると誰もついて来なくなるわよ」

「うっさいなあ、黙って聞いてろよ」と王子。


 この言葉にさすがのアリスもカチンときてね。むっとして、立ち上がってどんどん歩きだしちゃった。王子は、その様子を見て、ふんと鼻を鳴らす。他の女の人達は傍観しているようだった。


 アリスはアリスで、あれ、結局お茶とケーキをもらい損ねたと、一回振り返って、見たんだけどね。王子と女の子たちが仲良くケーキを食べているのを見て、まぁ、今更戻るのもなんだし、「あんなハーレムなんかこっちからお断りよ」と速足でその場を去っていったよ。


「もう、あんなお茶会こりごりよ」と、道を歩きながらぷんすかしていた。


「あの~」


 アリスがぷんすかしていると、どこからか声が聞こえた。アリスは立ち止まってあたりを見回すと、そのへんの木の後ろに巫女装束の女の人がいることに気付いた。


「あの~、大丈夫でしたか?」

「大丈夫って何が?」


 のそのそと現れた巫女さん。どうやら彼女もあの勇者のハーレムの一員のようで、時を止められるきっかけの人のようだ。彼女によるとあの王子のスキルによって他の女の人たちは洗脳されていて、王子のいいなりだそう。王子は時が動き出して動けるようになった時に、新しい女の人を捕まえてるそうだ。で、今回はアリスが選ばれたようだけど、どうやらアリスにはそういうスキルは効かなかったみたいだね。


「あ~、よかった。また犠牲者が増えるところでした~。もう何とかしないといけ何ですけどね~」


 アリスが新たな犠牲者にならなくてほっとする巫女さん。


「ほんとあの王子はダメダメね。なんとかならないのかしら……ん?」


 と言っていると、アリスの持っていた試験官が光りだした。


「えっ、そ、それは! 解呪剤じゃないですか!」


 と、巫女さんがわたわたとアリスの試験管に近づいて驚きながら叫ぶ。


「これがあれば、あの王子のスキルを無効化できます! あ、あのこれを譲って貰えたりしませんか?」


 と低姿勢で頼み込む巫女さん。


「いいわよ」とアリスは試験管を巫女さんに渡す。


「やった、これで自由になれるわ~」


 巫女さんはアリスから試験管を受け取るとそういって、駆け足で王子たちのお茶会場所へ向っていったよ。どうやらあのハーレムも終わりが近いようだね。

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