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この気持ちは1

目を半開きに状態でいると…



「え?」


「夢?」


まだ、しっかりと開かない目。


隣に…


自分を何度も疑い、目を閉じる。


暫くして、


リリリリ、リリリリ、リリリリ、リリリリ…


はっとする。


スマホが部屋中に鳴り響いている。


「え?何これ?」


俺は、裸。


その隣で、まだ、逆を向いて横の状態になっている、髪の長い人。


「…」


「え?」


すると、


「うーーん……」


目を開いたのは、彼女だった。


「え?」


「…」


「…」


「おはよう、亮くん…」


「…」


上半身を起こす。


彼女の首くらいの肌が見えている。


何が起こってるんだ?


え?え?えーーーーーー!!


彼女は、冷静で、俺に微笑んだ。


「ねえ…」


俺は、口を開く。


「昨日さ…」


「うん?」


彼女は、そう言い、首を傾げる。


「昨日は…」


「河合と飲んで、その後、家に帰ったんだけど…」


「で…高松さんに会って…」


「彼女に会いたくて…」


ブツブツと呟くように、口にしていると、


「どうしたの?亮くん?」


首を傾げている。


「俺、なんかした?」


「え?」


「…」


「…」


「もしかして…昨日のこと、覚えてないの?」


「…」


彼女は、少し悲しそうな顔になる。


「そっか…」


萎れたような彼女を見て、俺は、焦る。


「あっ…あ…」


動揺をしている俺に、彼女は、うふふふと笑った。


「え?」


「それも、そうだなと思って」


「うん?」


「昨日、結構、酔ってたもん、亮くん」


「…」


俺が口を開こうとした時、


リリリリ、リリリリ、リリリリ、リリリリ…


スマホが再び鳴り響く。


「はい…」


「菊池か?」


「はい…」


「………」


「申し訳ございません…あっ…はい…」


俺は、電話を切る。


はーぁ


ため息を吐く。


その様子を見た彼女は、


「どうしたの?」


俺に話しかける。


「…」


「誰だったの?」


「…高松さん…」


「何だって?」


「…」


彼女の顔を見る。


「俺…」


「うん?」


首を傾げた彼女。


どきどき、どきどき


慌ててベットから起き上がり立ち上がる。


ズキズキとする頭。


「飲み過ぎたみたい…」


「…大丈夫?」


「…うん…」


ズキズキ。


ベットから突然立ち上がる彼女。


ジャージャーと流れる音。


その音は、一瞬で消え、


「亮くん、お水」


そう言い、俺にガラスのコップの中に入った水を伸ばす。


「これ、飲んで」


「…」


ごくごくと喉に通していく。


はーぁ


「大丈夫?」


「…うん」


「少しは、良くなった?」


「…ありがとう…」


彼女は、そんな俺に微笑んだ。


それは、まるで、天使のような笑顔。


暫くして、


「亮くん…」


「うん?」


「……時間……」


「うん?」


ふと、俺は、時計を見る。


すると、


「あー!」


急いで支度をし始め、玄関で靴を履き替え、ドアの取っ手を持つ。


「亮くん!」


その声に俺は、振り返る。


「行ってらっしゃい」


微笑んだ彼女の姿。


天使。天使。


「…行ってきます…」


小さい声だったが、届いたのか、手を小さく振る彼女。


天使!天使!


手を顔の位置に挙げ、


じゃあという感じで、外へ足を踏み出した。


朝から、幸せ…


はーぁ


ため息を突きながら、いつも通り仕事へと行った。


そんな仕事に向かう途中である。


「おはよう」


肩を叩かれた。


それに振り返ると、俺は、


「おはよう…」


「昨日は、ありがとう…」


「え?」


「え?って何?」


「あー…」


「…」


「…」


「もしかして、覚えてないの?」


「え?そんな訳ないじゃん」


「あ…そう…」


「また、行こうね」


「うん…」


曖昧な返事をした後だった。


「おはよう!」


現れたのは、田中龍。


「おはよう…」


すると、隣にいた彼女の姿は、遠くにあった。


キョロキョロとする俺に、


「どうした?」


「え?」


「誰か、探してるのか?」


「…いや…別に…」


「なあ、今日、飲みにいかねぇ?」


「うん?」


「此間さ、高松さんが教えてくれたところ」


「…」


「なんか、ようでもあんの?」


「いや…特には…」


即答に、


「じゃあ、決まらな」


そう言われ、あっという間にエレベーターの前。


2、3階へと静かに上がっていく。


4階になると、


「じゃあ、また、あとで」


そう言い、行ってしまった。


一人になった途端、ニヤニヤした顔になる俺。


彼女の天使の笑顔を思い出す度に、ニヤニヤしてしまう。


暫くして、仕事場の階にエレベーターが止まった時である。


「菊池?菊池!」


はっとする。


「お前、大丈夫か?」


高松さんだった。


「あ…はい…お疲れ様です…」


俺は、顔を隠しながら、自分のデスクへと向かった。


見られた!見られてしまった…


そんなことを考えていた時、


「あ…お礼言うのを忘れてた…」


はーぁ


大きなため息を吐く。


また、会ったらでいいか…


それから、コーヒーを自動販売機で買い、席へと戻った。


そこで、缶の栓を開け、一口、口に運ぶ。


ふーぅ


息を一度吐いた後、デスクに戻り、席に着いた。


それから、コーヒーを口に運び、喉に通す。


「よし!」


パソコンを立ち上げ、仕事を始め、営業回りへと外へ出た。


ダラダラと相手側の会社の人の話を聞き、終わった後、コーヒーを自動販売機で買い、口に運ぶ。


ふーぅ


息を吐く。


時計は、12時を回っており、適当に近くにあった喫茶店に入る。


コーヒーを頼み、


「コーヒーは、食後で」


そう言い、俺は、トマトソースの魚介パスタを注文して、ノートパソコンを開いた。


メールをチェックし、少し、仕事をする。


すると、あっという間に、


「トマトソースの魚介パスタでございます」


「…はい」


テーブルの上にそれは置かれ、ノートパソコンを鞄の中に入れる。


フォークとスプーンを取り出し、パスタをくるりと巻き、口に運んだ。


もぐもぐ…


そこに、


「いらっしゃいませ」


カランカラン


ドアが開いた。


「何名様ですか?」


「…」


「…」


ちょうど、店のドアのほうに目を向けていたため、彼女と目が合う。


前髪が少し湿っている。


はあはあ…


彼女は、人差し指を1と立てた。


すると、気を遣ったように、店員さんは、


「お席へご案内いたします」


そう言い、俺の横を横切っていく。


彼女の履いたヒールの音。


少し遠のいていく。


「こちらでよろしいでしょうか?」


こくっと彼女は、首を縦に振る。


そして、その席に座った。


ちらちらと彼女を見てしまう。


俺は、パスタをくるりとフォークで巻き、再び、口に運ぼうとした時である。


人影を感じた。


目の視線をパスタから変える。


「亮くん!」


げほげほ


「大丈夫?」


げほげほ


むせながらも、パスタを口に運び、胃に入れた。


「華さん…」


微笑んでいる彼女。


「亮くんの座ってるところに一緒しちゃおうかなって思ったんだけど、迷惑かなって…」


「そんなことないよ!」


大きな声で、自分自信で驚いていた。


うふふふ…


笑う彼女に、俺は暫く見惚れた。


天使のよう…


「亮くん?亮くん!」


はっとする。


「大丈夫?」


「うん…」


そして、結局、一緒のテーブルで食べた。


その後、少し世間話程度に会話を交わして、


「じゃあ」


微笑んだ彼女。手を小さく振りながら。


俺は、そんな彼女に小さく手を振り返した。


直ぐに、彼女は、その場から去って行ってしまった。



仕事を終えると、


「菊池!」


「龍…」


「行くぞ!」


「どこに?」


「決まってるだろ?」


俺を引っ張りながら、タクシーに乗り込み…


着いたのは…


"癒しの猫カフェ"である。


「…」


「よし、行くぞ!」


彼女にまた会える


うれしい。


その店の中に入って行くと、


「いらっしゃいませにゃーん」


「2人」


「お席にご案内しますにゃん」


すると、もう既に、彼女は、違うお客さんの相手をしていた。


「…」


足をその場で止めた俺。


すると、


「おい、菊池!」


「…」


「菊池!」


「はい…」


席を案内され、その先に着いた。


「お決まりでしたら、いつでも、お呼びしてくださいにゃん」


「じゃあね、うーん…」


「…」


「菊池は?」


「え?」


「どうする?」


俺は、そう言われ、彼女のほうを向く。


微笑みながら、相手をしている姿に苛立ちを感じた。


これは、何だろう…


そんな時だった。


彼女が移動した。


次の席へと。


移動する彼女と目が合う。


少し頭の角度を変え、礼をして、移っていた。


苛立ち。


「じゃあ、俺、29番とビールとつまみの盛り合わせ」


「はいにゃん」


視線は、俺に移る。


俺は、思わず、指を指してしまった。


「あの子がいい」


「…」


「…」


「あっ…はいにゃん…」


俺は、彼女を見ていた。


「華にゃん?」


「…うん…」


そう確認して、礼をし、その場から去って行った。


さらに、


「おい!菊池!」


彼のほうを見る。


そして、指を指している。


「あれ…」


「うん?」


その指先を辿っていくと、


「高松さん…」


目が合う。


俺は、礼した。


しかし、その隙に、彼との視線は、外れていた。


それから、彼が色々な話をしている中、全然、耳に入って来なかった。


ただ、彼女が他の人といることに苛立ちを感じていた。

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