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運命の日
「檻から逃げ出したい。協力してくれないか?」
その日の彼は何時もと違っていた。前日、両親と将来の事で喧嘩したらしい。親の引いたレールの上を歩むのは嫌だと憤っていた。
彼と私は同学年であり、自由な私と違い将来を決められていた彼を不憫に思ってしまった。そして、私だけを頼ってくれる彼に優越感を抱いてしまった。
その日、私は人生の大きな間違いを起こしてしまった。彼のためではなく自分の為に行動してしまった。
彼と協力し、彼を図書館から人知れず逃亡させた。本当に軽い気持ちだった。ちょっとした反抗だった。彼の両親が彼の気持ちを理解するきっかけになればと、彼の中で私が特別になればと思っていた。
あの日、結果としては見張りを巻き私達は公園で落ち合った。そう、この公園こそ悲劇の場所だとた。
休日の公園には沢山人がいた。だから、この場所を選んだのだが、其れがダメだった。
私が彼の背後から迫るナイフに気付いたのは偶然だったのかもしれない。気付いた瞬間、彼を庇っていた。そして、同時に腹部に鋭い痛みが走った。
「キャー」
誰かの叫びで自分がナイフで刺されているのを理解した。逃げ惑う人々を見ながら、私は彼を、大切な愛しい人を守らなければと思いながら意識を落とした。




