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銀世界旅団  作者: イソダアオ
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キジトラ☆81☆〜☆100☆

☆81☆ ‥ ‥ ‥ ……そして今。僕はタンクの中で目覚める準備をしていた。僕が亡くなって、一番気がかりだったのは妹の事だった。妹は僕が死んでから人が変わったように落ち込んでいた。ヒンメルが僕にメッセージを伝える事が出来たきっかけの 青いイナズマ 模様のバッジを妹が、持ってて


☆82☆くれたおかげで妹の夢の中に現われる事が出来た。妹には僕はこれから今までの名前を捨て、コードネーム 【キジトラ】として新たな人生を歩むと伝えた。


『ゴポッ。コポッ。』


黄色い液体で満たされたタンクに規則正しく泡が舞い上がる。僕はこの中で新しく生まれ変わるのを待っていた。


☆83☆とても居心地のよい場所だ。僕は裸のまま、丸まって眠っている。ずっとこのタンクの中で過ごしてももいいぐらいだ。時折、やさしく誰かが僕に話しかけてくれていた。お母さんと同じ歳くらいだと、なんとなく感じる。

もう14年間、この人はタンクの中で眠る僕を見守ってくれていたんだ。


☆84☆(忘れないでねキジトラ。最初の作戦を)僕はタンクの中、14年間繰り返し、繰り返しヒンメルの言葉を思い出していた。


『何だか周りが騒がしいけど、お前は私が守るからね。』


そう言って、14年間僕を育ててきた母?がタンクを軽くポンポンと叩いた。


『ビーッ‼︎ビーッ‼︎』


☆85☆けたたましくサイレンが鳴り響いた!

『だ、誰っ!あなた達は!』

育ての母の叫び声と共に、銃声が聞こえ、僕の入ってるタンクにビシビシと衝撃が走った!

『お願い!撃たないで!やめてちょうだい!』

タンクの液が外に激しく溢れ出していく。誰かが僕のタンクを壊そうとしている。


☆86☆『バッシャーン‼︎』止まる事のない銃弾を受け、タンクのガラスが全壊した!液体が全て流れて、タンクの底に崩れ落ちた僕は衝撃で目が覚めてしまった!

『この子は私の子だよ!お前達に殺させないから!』

母の声がはっきりと聞こえ、僕は薄目を開いたが、視界がぼやけてよくわからない。


☆87☆『誰が殺すと言った?』野太い男の声が響いた。変に訛りのある英語だった。『私の息子を誰にも渡すものか‼︎』次の瞬間、母は覆い被さって僕を抱きしめた。だんだんと視界がはっきりとしてきた。(ここが僕の生まれ変わった場所なのか…)円筒形のタンクの中、僕は標本の様に今まで14年間も


☆88☆この中で眠っていたんだ。

まだ頭が冴えない。本来なら、そこから出るはずだったろう、頭上にあるタンクのフタをぼんやり見つめていた…。

『そこを離れるんだ!』

さっきの男の声が側まで近づいてきた。靴の音から他にも沢山居るようだ。

『お前達こそ、これ以上近づくと承知しないよ!』


☆89☆『シュバババッ‼︎』突然轟音が鳴り、人々の悲鳴と銃声が聞こえた!

『来るのが遅いよ!マンティス!』

(ま、まんかす?)

母が上に乗っているせいで状況の確認が上手く出来ない。どうやら母に助けが来たようだ。

『ごめんな母さん。こいつらの仲間に睡眠薬盛られちゃって、寝てたわw』


☆90☆『まぁ、最近は騒がしくて寝不足気味だったから良かったよ。で、残りのゴミはリーダーっぽいアンタだけだな。』

周りからうめき声が聞こえた。

『マンティス!早く倒すのよ!』

母がそう言いながら起き上がった。『後で暖かい服着せるから、ここに居てね…』母は僕の頭をポンポンと撫でた。


☆91☆僕は寝たままの姿勢で首を横に向けた。やっと状況が見えてきた。ここはとても大きな施設だった。暗めの赤い照明が天井に吊らされ、見た事もない大きな機械が壁一面に広がる。沢山のガラスのタンクはこの施設内を埋める様に綺麗に並んでおり、その周りで軍人が10人位、血だらけで倒れていた。


☆92☆僕の新しい人生はここから始まる。前の人生と違う所は、この景色が物語るように、命がけの日々が始まったとゆう事だろう。母の背中の向こうにはまんかすが見える。まんかすと対峙する様に軍人が1人、機関銃を構えていた。

『弟は無事かい?母さん』

『大丈夫よ。さぁ早く、そいつを!』


☆93☆(弟?)それは僕の事だろうか?まんかすは僕の兄弟なのだろうか。『お前達の顔は見覚えがある!いつからこの施設に入り込んでるんだよ!』まんかすは、両腕に付いた大きな鎌を顔の前に構えた。見た目は人間だが、グルグルと回る黒い巨大な瞳を覆うように、さらに大きなゴーグルを付けている。


☆94☆白いシャツにジーンズといった普通の服装はかなりの返り血を浴びていた。軍人達を瞬殺したのは、まんかすに間違いないだろう。

『お前達はゆるさない!母さん達を殺そうとした!』

まんかすが、残るリーダーの軍人目掛けて、巨大な鎌を振り上げた!

『うるせぇ!カマキリ野郎!』

軍人は


☆95☆機関銃を連射した!間近で見る本物の銃はこれほど迫力があるのか。まんかすも凄い!両方の鎌でその銃弾を全部弾いている!

『ぐぉっ!』跳ね返った弾が体に命中した軍人は、背後の遺体に足を取られ、尻もちを付いた。

『誰がカマキリだってぇ!じゃあ、カマキリに負けるお前は何なんだよ!』


☆96☆『何言ってやがる。人間に決まってんじゃねーか!』

軍人は脇腹に手を当てながらそう言った。こんなピンチなのに、軍人もなかなか威勢が良かった。

『いい…。もういいよ。本当に人間って奴は…。さっさとお前片付けて弟とプレステやるから。』

まんかすは僕の方を見た。僕はドキっとした。


☆97☆『‥‥‥‥‥‥。』

まんかすは僕を見たまま無言になった。吸い込まれそうな、とても冷たく怖い目だ。僕を見たまま、鎌を振り下ろすと、軍人の機関銃をスパっと斜めに切断してしまった。

『‥‥‥母さん。弟も普通の人間にしか見えないけど、弟が持ってるギフト(特殊能力)って何だっけ?』


☆98☆ギフトとは何だろう…。僕に関わりがあるのだろうか?沈黙の中、軍人は座り込んだまま右足を上げてまんかすを牽制している。

『マンティス。この子はギフトを……』

『だから、何だよ母さん!』

母は返事をためらっているようだった。

『キジトラでいいじゃねぇか!』

突然軍人が叫んだ!


☆99☆『お前は黙っ… !!』まんかすは軍人を切ろうとしたが言葉に詰まったようだ。


『カマキリ野郎!悪いが、仲間を沢山殺されて、俺もこのままじゃいられない!』


次の瞬間、軍人の右足が激しく光った!もの凄い爆音だ!僕は眩しさに目をつむった!


まんかすは煙に包まれた!


☆100☆軍人は右足の火力で後ろに転がると仲間の遺体から機関銃を取った。『あぁっ!マンティス!』母は慌ててまんかすに詰め寄った。母達の頭上からは消火液が降り注いできた。

『キジトラ!タンクの蓋だ!』

軍人は僕に向かって叫んだ。僕は意味が分からず、タンクの裏蓋をぼーっと見ていた。

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