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3 of a pitch

 ドス黒い何かはまだ、首をキビキビと動かして警戒している。

「……張り切りすぎだよシルキィ」

「えっ、ウソ!?」と(おう)は左隣の藤谷(ふじたに)へ顔を向けると、藤谷も(こっち)へ顔を向けてきた。

「違う、シルキィなの。きっともうすぐ元に戻るよ」と言って、ドス黒い何かへ向いた藤谷につられて櫻も顔を正面に戻すと、(いか)つい顔が藤谷の方へ向いたので、シャチのような顔がよく見える。まさに目のような模様(もよう)が、しかめっ(つら)の目になったような目だ。その上ではあの(くし)のような触覚か何かを(おお)っているかのように、羽角(うかく)(うさぎ)の耳に似た角が、後ろの上へ伸びている。

 しかし櫻はシルキィとはどうも思えない。面構(つらがま)えはふてぶてしいが、かなり極悪そうなのだ。

 と、そのドス黒い何かが、猫の伸びをするが早いか、顔の装甲が、青白い火花のような粒子となって四散していく。――白い顔に櫛のような触覚か何かと、可愛らしい黒丸の目が現れた。そして一気に真っ白なシルキィに変わると、ずぶ濡れの犬がブルブルするように体を震わせた。

「……マジだ。……何で?」と櫻は藤谷へ向いた。その後すぐに、藤谷が若干目を落とした。

「シルキィね、……アンチリファードで、(スィ)()().の実験物として造られたからなの」

「……じゃあ、高菜たちと一緒に、脱走したってことなのか」

 櫻はそう言いながらシルキィへ顔を戻すと、短髪の男の子の右隣の、花のかんむりが似合いそうな女の子とシルキィがじゃれ合っている。男の子もシルキィと女の子を見て、笑っていた。

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