1+2=3
「まだ終わりじゃあないんだろっ!? まだだと思えば本当にまだなんだっ。根拠なんか必要ないから、まだだって思い続けろっ! 諦めないでくれ!!」
それは解っている。なのに、それでも、身体が重苦しくて動かせない。
そして、練磨が始まった時からのようにまたぶっ飛ばされる。泣いている藤谷の、ライフルによって体を壊される。片山の拳銃によって体を壊される。高菜にも、真梨にも壊される。
――その中で目眩がしたかのように自分が分からなくなった時、腹の底から吠えていた。
身体がやっと思い改めてくれた。自分を守るために避けようと動き出した。しかし壊される。
その中で思った。やっぱり嫌でも自分からは逃げられなかった、と思い知った。
そしてやっとだ。やっと単純に、そういうことなんだ、とすっきりすることができた。根拠なんてなかった。狂おしいほどの感情の爆風に後ろから呑まれて、飛ばされているだけだった。
ここで諦めたら、その後、時間差で、確実に心が死んでしまう。頑張るのを諦めたくない。
だから諦めないで、動いて、壊されても立ち上がって、戦ったが途中で堪え切れなくなった。
だから、無理やりでも起き上がる。立って壊されて倒されても、起き上がるのをやめない。
高菜とシルキィが、再現化された本心の管理維持責任者になった時も、起き上がり続けて、その中で強制退空間移動させられた時、ついに、練磨に必要な、全員のイグズィスティンクスが尽きた。――そして、今までのおかげで、櫻はイグズィスティンクスを実感できた。
苦しいからこそその苦しさを乗り越えようと這い上がる気持ちだけではないが、腹の底から湧き出る本心だけにイグズィスティンクスが応えてくれる。諦めたその瞬間から見棄てられる。S.I.X.の自然治癒促進さえ護ってくれない。その後は決まってとんでもない痛みを被る。
イグズィスティンクスなしでは肉体の至るところも、心さえも徹底的に潰される。
しかし、それは自業自得の範疇でしかないみたいだ。
本心を諦めない気持ちを諦めない。それが肝心だった。そうして生き残る生き残り方だった。
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