三三三
「けど……私のせいも、あるんだよ? もっと、……工夫したのが、今さら思いつくから……」
「それでも精一杯やったんでしょ? 大竹君も。気にするなよ。おら等に悪いとこはないんだ」
「……なにさりげなく自分を正当化してんの? 片山はこの先もずっと悪いんだからねっ」
「うるせぇな。それよりもだよ! その子ども連中等の中に、蓮司はいなかったんだよな!?」
その時、ムスッとしているままの藤谷の表情がハッと動いて、さらには一層困惑したように眉根を寄せ上げて、目を落とした。
「……本当によかったんだよね? ……玲菜ちゃんが捕まった時、泣いて叫んで、暴れたほど後悔してたんだよね? ……そして、後悔し切って、……あんな蓮司になって……」
「蓮司を考えるなよ。玲奈のことだけ考えてやればいいんだ。もう蓮司は蓮司でなくなった。あいつが自分からなくしちまったんだよ。これからも玲奈のことだけを考えてやってくれよ」
片山はそう言いながら、面倒くさそうに後頭部を荒く掻いていた。
と、それをやめるが早いか、片山が顔を向けてきながら口を開けた。
「そういえば大竹君にも、きっと誤解してるからこれから言うんだけど、おらや藤谷さん等、計六人くらいいる小さい集団があるんだけど、それをインプリシットっていうんだ。けどな、それは蓮司が作ったようなもんなんだよ」
「え!? ……あいつが、ですか?」
「そう。しかし、その場しのぎのためだけだったんだが、それを、おら等が今の形にしたってのよ。その頃からもう蓮司はおかしくなり始めていたがね。だからってあいつに何かしてやれってわけじゃあないけどね。ただ、さっき言ったことだけは覚えておいてもいいかと思ってね」
そう言い切られて、しかし何も言葉を返せないから目を落としてしまった中で、また片山の声がした。
「しかしこれからはもう、藤谷の言うことを聞いて、藤谷さんから離れない方がいいぞ。仮に助かったとしても、あっちにいる限り、周りは、確実に敵しかいないからなぁ」
「……はい」と言いながら、櫻はなんだか別の藤谷がもう一人いるみたいに思った。
そして、そう思いながら、これからが恐ろしくて背筋が凍る。
恐い。……恐い。




