333333333
「楽しみにして待ってますからね」
女の子がそう言って離れるが早いか、周りの子ども連中と一緒に、まるで試合後のチームの解散のように、一斉に、ゆったりと、櫻の後ろの方へ歩き出した。
隣を通り過ぎる男の子も女の子もいる。しかも慰めてくるかのように肩を叩くまでしてきた。
がさがさと聞こえてくる足音がたくさんあるそれが遠ざかっていく。
両膝をついて、目元に影を作る藤谷の右を向く横顔が、息を切らしてカタカタと震えている。
「解るっ、……けどっ……!!」
その藤谷の弱々しい叫びは、必死だった。悲痛だった。
櫻は一気に両頬を流れる、冷えた感覚を抱いた。どっと涙が溢れ出てきている。
「……解るけどっ!! 私がそうなったってそうしちゃうっ!! けどっ!!」
聞かされて、胸が辛い。
キッ!! と藤谷から向けられた。悲痛な、そして怒り心頭に発する顔を向けられた。
悲痛に眉根を寄せて、漏れ出てきた桜色が固まっている唇を、真一文字に結んでいる表情。向けられる眼差しが、恨みも込められているかと思わされるほど恐ろしい。
「言ったっ、通りだった、よねっ!? だけどっ、撃ってきたのは、私にS.I.X.がある、からでっ、傷を負ったら自動で起動して、傷を治してくれるのを知ってるからなのっ。だから、一度撃たれたくらいじゃ死なないっ。今だって傷は治ってる。……けど、脅すには十分だから、……ごめん……あいつらの思う壺に、なっただけっ。殺したらもったいないからっ、私さえも殺せないのあいつらはっ。だからっ、――だからっ! 待ってって言ったじゃないっ!!」
その怒号が、胸の奥底にズンと突き刺さるほど突き抜けてくる。




