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 ハッと高々と跳び上がる何かへ顔を上げると、いつの間にかレイピアから腕時計(わんのう)に変わっていた蓮司のそれが、ガラスの天井に激突したが、()ね返って落ちていく。

「櫻逃げてえ!!」その叫びでハッと藤谷を見ると、藤谷が右のシールド付ライフルを左手の方と、瞬時に合体させたが早いか、飛びかかってきた。

 ガンッ!! と鼓膜(こまく)をぶっ壊されたと思ったほどの重低音(じゅうていおん)(おそ)われた。

 藤谷に抱かれたまま、横回転して向きが変わったかと思えば白い氷の床(スケートリンク)に倒された。顔面が氷に激突したが痛みはない。しかし押しつけられている。しかも藤谷の正面に乗っかっている。

 急激に顔面を冷凍される強烈さよりも、背中からの圧迫が尋常(じんじょう)ではない。全身の後ろだけを、真空パック詰めにされたように服が貼りついている。まさに強力な膜に押さえつけられている。

 ――何が起きたんだっ。爆発なのか!?

 しかし目が力強く()まる。もう、頭が(つぶ)されて、破裂させられそうなのだ。

「痛っ、――痛いっ! 痛い痛い痛い痛い痛い!!」

「ぐゔっ!! ――ゔっ……ゔっ!!」

 藤谷からも(うな)り声がする中、氷に減り込んだような感覚も受けた。

 内臓が(つぶ)れそうだ。――このままじゃ藤谷(ふじたに)と潰れてしまうっ!!

 しかし突然、顔面の強烈な冷たさも頭が潰されそうなのも、さらには背中からの圧迫までも弱まっているように感じ始めた。まるで、見えない誰かが、守ってくれているかのようだ。

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