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 けたたましい激突音。目を開けた時、藤谷(ふじたに)が、後ろへ(はじ)き返されても、()りかかりにいく。

 ――藤谷も一緒に(まも)ってくれっ! (おう)はそう、渾身(こんしん)の力で(つか)(にぎ)()めた。

 その時、刀身のない焼鉄色(やきてついろ)太刀(たち)(ふる)えた。

 ハッとした。右手を見た。冷気のような蒼白(あおじろ)い揺らめきが、焼鉄色の周りへ()れ出ている。その揺らめきが消えていく方向が、何だか藤谷の方へ流れているような気がした。

「頭がおかしいぞ。さっさと(あきら)めないから、何度もこんなことになんのにっ」その蓮司(れんじ)の呆れた声で、櫻は顔を上げた。藤谷の向こう側で、蓮司が右手のカラス色レイピアを振り上げていた。

「上等ッ」と藤谷の(かす)れ気味の声が叫んだと同時に、右のライフルが下から上へ打ち出される。

 ――氷塊(ひょうかい)がけたたましく(けず)られているかのような激突音が響き出した。二人の間から粉雪のような無数の欠片(かけら)が、まるで強烈な隙間風に乗って、放射状に爆散している。

 ――ように見えた途端(とたん)無数の氷の欠片の吹雪が(おそ)いかかってくる。藤谷が()ん張って(こら)えるその両足の下で、削られたらしい粒々(つぶつぶ)が。

「イグズィスティンクスって、死なせないための力でしょッ!?」藤谷の(うな)ったような叫びを聞いた中、櫻は顔を両腕で(おお)って粒々を防ぐが、当たりを感じるだけで痛みがしない。

 (にぶ)(はじ)けた固い音の直後に、粒々の当たりが消えた。櫻は急いで両腕で(くう)()り払った。

()ってぇええええ!!」と叫ぶ中、藤谷が右へ、そして半笑いの蓮司が左へ離れるのを見た。

 その時、藤谷の口から、蒼白い冷気のような揺らめきが、漏れ出たように外へ出てきた。

 蓮司を見ると、右手のカラス色レイピアが変形中に見えた時にはハンドガンへ変形し終えた。

 着氷した音が左から聞こえるや否や櫻は藤谷へ顔を向けると、蓮司へ()け出した姿を見た。

 そして藤谷の背中から淡く蒼白い霞の(ヘキサグラム)が、心臓を揺さぶってくるほど()き出された。

 が、蓮司から連射されている。電撃音とガラスの破砕音(はさいおん)が一斉に鳴ったかのような銃撃音(じゅうげきおん)

「まだ、この体は動けるからっ、私はぁあああああッ!!」と藤谷が、その蓮司のハンドガンからの豪雨を、弾き返していく。こめかみや肩に食らっているというのに、桜色が飛び散っていない。今までとは違う。まるで互角で戦えるようになったかのようだ。

 ――そうなったのは、お護りから流れていく蒼白い揺らめきのおかげだというのならっ。

 そう思いながら右を向いた時、藤谷が左のライフルの刃を、外から内へ全力で振った。

「ふんッ」と蓮司が身を引いてかわした時、蓮司の笑顔の前にあるハンドガンが変形し始めた。

 藤谷の体が振った勢いで時計回りに(ひね)られると、藤谷が、右のライフルの切っ先を勢いよく突き出す。――その右腕全体から後ろへ、淡く蒼白い霞の風が噴射(ふんしゃ)されているように見えた。

 見下す笑顔の蓮司も、変形し終えたカラス色レイピアを内から外へ払う。

 ――激突音がしたと思えば、蓮司のレイピアが振り抜かれていた。藤谷が弾き返されていた。

 と、藤谷の左肩が蓮司のレイピアに突き刺されて引き抜かれたために、桜色の粒々が散った。

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