表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/221

22222222222222

『データベース、ディレクトリの再構築を完了。(ザ データベース ァンド ザ ディレクトリ ウェァ リストラクチュァード。)フルフィルメントドライブ最適化(フルフィルメントドライブ ォプティマィゼィション)』

 ――また聞こえてきた。機械音声のような自分の思考の声だった。

『ケンノゥトプロセッサーのトライ・パッケージ・ブーストを有効(ザ トライ・パッケージ・ブースト ォブ ザ ケンノゥトプロセッサー ヮズ メィド ェフェクティヴ)』

 不気味だ。(こわ)い。英語なんて苦手だ。頭が狂ってしまったのか?

『〝AREAcode〟、〝Yroeht Nielk-Azulak〟の読み込みを完了(ジ エリアコード ァンド イレート・ニルク=アザラーク ウェァ リード)』

 おかしい。初めて知ったはずの新しい情報を、思い出しているかのように理解している。

『〝MERSLSBSPE〟、〝S.I.X.〟、共に異常なし(アブノーマリティ ィズ ノット ファウンド ィン 〝メーリーソラスバースパイ〟 ァンド 〝スィクス〟)』

 しかし(おう)は、なぜかこれが、藤谷(ふじたに)からの腕時計(おまもり)と脳が接続(コネクティド)されている確認だと分かった。

〝EXISTINX(イグズィスティンクス)〟を(ィズ)発現中(ディスチャージド)

 (かす)かな当たりを感じるだけで済んでいるのは、イグズィスティンクスのおかげだと分かった。

 ――本当に、腕時計(おまもり)のおかげだというのか? 思い()出を再(ロー)現化()させ(マィ)る腕脳(アイズ)。それだけのはずのこの腕時計が、そもそも普通のお(まも)りでも、直接護ってくれたかどうか、確かな証拠が頭に浮かんでこないというのに、護ってくれているというのか?

 分からない。――頭も胸の奥底もごちゃごちゃしてぐちゃぐちゃしている。

「もらったあ!!」蓮司の得意げな叫び声で櫻はハッと、知らない内に(うつむ)いていた顔を上げた。

 切っ先のような銃口を向けられている。――すでにつばぜり合いを終えたレイピアが変形も終えていた。強烈な生命(いのち)の危機感が呼吸を忘れたほどだった。咄嗟(とっさ)に両腕で顔を(おお)っていた。

 その直前に切っ先のような銃口が(あわ)蒼白(あおじろ)(またた)くとともに、電撃音とガラスの破砕音(はさいおん)が一斉に鳴ったかのような銃撃音(じゅうげきおん)炸裂(さくれつ)した。

 右腕に彫刻刀(ちょうこくとう)でも突き刺さったかのような衝撃(しょうげき)を受けたが、なぜか、別に痛みはなかった。

「何だ何だ!?」蓮司の遊び半分な声が、不自然に強く響いてきた。

 恐る恐る、覆う両腕を()いて、右腕の痛みのする方を見たが血の()みも()げもない。ハサミで(たて)に切られたかのような、横に広がっている穴しか見当たらなかった。

「なーにしたよお、藤谷ぃ!!」と蓮司が()め切ったように怒鳴ったが、それを気にしているどころではない。不思議だ。あまりにもだ。切っ先のような銃口は確かに、淡く蒼白く瞬いた。藤谷から血を吹き出させた(するど)さがあるはずだ。

 ハ、と櫻は直感したように気づいた。

 藤谷からのお護りが、イグズィスティンクスが、本当に護ってくれているんだと。

 ――それなら藤谷も護ってくれッ。

 美喜(みき)たちの中に藤谷がいないなんて、死んだ方がマシなんだ!!

 ふと、お護りが、腕時計だというのに、人肌のように(あたた)かい。そして(にぎ)り具合が握り(グリップ)か何かを握っているかのようにしっくりくる。もしくは太刀(たち)(つか)でも握っているかのようだ。手の中にギリギリ(おさ)まる腕時計を握る感覚ではない。すかさず櫻は右手の中を見た。

 それはすでに出来上がっていた。ナックルガードがまさに(おの)の刃になっている焼鉄色(やきてついろ)の太刀に刀身だけがない。そうとしか見えない。そんな太刀の柄を握っているようにしか見えない。

 なぜこうなったかは分からない。それでも目の前に見えるものは見間違いじゃない。

 しかもこれに、藤谷も、と願った瞬間こうなってくれた。そして今、目の前にある。

 もう現実だ。

 そういえばこうなる前は、蓮司(れんじ)腕時計(わんのう)と似ていた。不思議じゃない。きっと僕の望みだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ