表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/221

22222222222222

 (まと)う全てを引き裂かんばかりに(すさ)まじい。――なのに、それ以上酷(ひど)くなるとは思えない。が、安心できない不思議な感覚だ。そして目蓋(まぶた)の裏が(あか)く見えるほど(まぶ)しい。だから、そっと目を開ける。両腕の隙間から射し込んでくる白い眩しさを目に、腕時計(おまもり)(にぎ)る右手も左手もどける。

 ――目を見張って、両腕を下ろして、(おう)は呼吸をしている自覚を忘れた。

 藤谷(ふじたに)が右のライフルを突き出して、力いっぱい押しているそのライフルの刃と、蓮司(れんじ)の右手が逆手(さかて)に握って、刃を斜め上へ伸ばしているカラス色レイピアとのつばぜり合い。(あわ)蒼白(あおじろ)(かすみ)が、藤谷の右のライフルの、シールドの後ろから――いや、右腕全体から噴出(ふんしゅつ)されていて、カーテンが強風で激しくはためくように()れている。

 藤谷の()()める両足からも蒼白い霞が噴出されている。そのために白い氷の床(スケートリンク)(けず)られて、それで現れる無数の、氷の欠片(かけら)吹雪(ふぶき)が、大きな放物線を(えが)いて追い出されている。

 それ以上に、――今まで見てきた現象以上に、つばぜり合いの境目から、粉雪のような無数の欠片が強烈な隙間風のように、放射状に爆散している。

 強烈な眩しさを伴う光を放射状に放つ、昼の太陽ようだ。――それなのに、眩しく感じない。

 その、放射光のような吹雪からも、淡く蒼白く粒子状の欠片が、(こぼ)れ落ちたように拡散している。四時の夜空の鮮やかな星々の輝きのようだ。――それも、あんなに激しく輝いているというのに眩しくない。そして(ほつ)れたコットンの繊維(せんい)が水に(ただよ)うように、広がって消えていく。

 ――やっぱり〝アノゥル〟の世界みたいだ。そこは、一昨年の夏頃に連載が始まった漫画のフィクション(せかい)。……それなのに櫻は、その世界にいるような感じを抱いてしまう。

「ィヒャハーッ、こんな小細工! 自らに毒を打ちこんで自殺行為までするほどのことか!?」

「そうしてでも蓮司にさせたくないだけだあ!」

「アッハッハッハ! 偽善(ぎぜん)だ偽善だぜ目の前の偽善者ァ!! 今こそ(ほうむ)ってやるぜッ!!」

「私は蓮司に限界を感じていないのにっ。我慢の限界だって!!」

 蓮司が叫んで、藤谷が叫び返していた。

 櫻はそれだけしか分からない。それが、自分でもよく分からない。激突音がけたたましいというのにまた、声が聞こえたのが、信じられないからなのかもしれない。

 ――それ以上に、暴風と一緒に襲いかかってくるいくつかの氷の破片に気を取られてしまう。

 さっきと違うのだ。おかしいのだ。特に顔の皮膚(ひふ)にも当たってきているのに、平気なのだ。刺さる痛みをなぜか感じないし、痛みに近い、響く感覚もない。厚い服の上に(しずく)が落ちてきたかのような(かす)かな当たりだけで済んでいる。だから、両腕で顔を覆わなくても平気でいられる。

ドライブPG(コネクティド)〝OH_(トゥ)OTAKE〟と(ドライブペィグ)の接続を完了(〝オウ_オオタケ〟)

 突然何かが思いついたかのような思考の声が、確かにその声が脳裏(のうり)に響いてきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ