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恐らく、淡く蒼白い*の霞の向こう側で二人が激突し合っている、その箇所から同じ蒼白い霞と、蒼白い光が、視界に収まらないほど、放射状に爆散している。それだけではない。蒼白く輝く、無数の欠片も、吹雪のように爆散している。それ以上に細かい欠片たちも、氷の飛沫のように四散している。そしてそれらは、次第に粒子となって、広がって消えていく。
藤谷の背骨と肩甲骨と腰の辺りから霞が噴出されて*になっているそれの、上の隙間からは、櫻の方へ忙しなく揺れるツーサイドアップの髪が見える。
そして靴の方では、氷が削られているのか、吹雪のような氷の粒々が放射状に散っている。
――しかし、藤谷は人間のはずだ。しかし目の前は現実だ。それでも、理解ができない。
眩く光って突風を受けた時もそうだ。今でも、その時と同じ感覚を感じている。突風なのに、何だか突然抱き締められて、今も抱き締められているような柔らかさと、人肌のような温かさを、感じている。
「残念だったなあ! 今回の俺のスィクスは、そっちのより何倍も威力が上がったんだあ!!」
「だから諦めろって言うの!? イヤだよっ!」
――なぜ聞こえることができたのか、櫻は分からない。
しかし重低音に関わらずはっきりと、少年の楽しそうな声と藤谷の叫びが聞こえてきた。
「いい加減俺がインプリシットで言ったことを思い出して、さっさと諦めようよ!」
「なんで、そんなに素直になれないっ。妹が人質にとられてるからって言ったらどうなの!」
「フハッ! 単に裏切られたのが嫌で、信じたくないから喚いてる風にしか聞こえねぇよ!!」
「違う!! 本当は蓮司を敵にしたくないんだ!」
「ィヒャハーッ! 目の前の偽善者ぁ! これ以上喋ると大竹櫻が死ぬからなあ!!」
「蓮司ぃいッ! 本当に殺すから!!」激しく叫んだ藤谷のその迫力に、櫻まで気圧された。




