4.3!
その感覚を忘れない。その感覚を教えてくれたのが藤谷だということだって。
だからその重みを洗い流すための方法を思い出して、悩んで、閃いたことを真梨に話した。
話して、話し合って、説得して、立った。真梨と一緒に、東堂と高菜を食堂に呼びにいった。
そして食堂につれてきた二人に、櫻は、真梨と決めた方法を伝えた。二人は分かってくれて、頷いてくれた。が突然、高菜がハッと気づいて嫌がった。東堂がすぐに説得しても頭を振った。嫌われたくないと。百合姉が大好きなんだと。そっとしてあげればいつもの百合姉に戻ると。
「それじゃずっと辛いままだろ!」と東堂が高菜に怒鳴ったが、高菜が泣き出してしまって、喚き返した。また東堂が怒鳴って、二人は怒鳴り合い始めた。何だか、首を突っ込めばさらにややこしくなるような気がして、櫻は真梨と何もすることができなかった。が、次第に藤谷のことで怒鳴り合わなくなった。お互いの悪口を叫び合い始めた。昔のことまで引き出していた。
櫻はどうすればいいか真梨に訊いたが、もう悪化させるだけだと言われた。その間に高菜が東堂を突き飛ばしにかかった。さらには取っ組み合いにもなる。ケンカだ。どこからともなく飛んできたシルキィさえも東堂に攻撃する。藤谷どころではない。「ゆ、百合奈じゃないと」と真梨が慌てて言ってきた。ハ、と櫻は我に返るも思考ができず、頷くことしかできなかった。
とにかく藤谷を呼びに、出口へ駆け出した。日没の暗い外に出て、藤谷の家へ向かうために、最初に藤谷に案内された道を駆け戻っていく。靴音がいくつも聞こえる。自分のだけじゃない。
放置されたような砂利道を駆けて、すぐに抜けて、高い雑草だらけの道を走る。走っていく。




