短編
『ねぇ?覚えてる?私達が初めて出会った日を?』
朝に雪が降っていたある日の学校の帰り道、隣を歩く先輩は僕にそう聞いてきた。
『私は覚えてるよ。5年前のあの日を忘れたことはないもの。』
「5年前ですか?僕が先輩と出会ったのはたしか2年前だったと思うんですけど?」
僕がそう返すと、彼女は一瞬、悲しそうな顔をしたがすぐにいつもの笑顔を浮かべ、言った。
『やっぱり、おぼえてないかー。まあ、せいぜい10秒位だっもんなー』
僕はその言葉を聞き、必死に思い出そうとしていたが、そんな僕の様子を見ながら少し笑いながらまた彼女は言う。
『まあ、普通は覚えてないよね。あの時は隣をすれ違っただけだもんね』
「どういうことですか?」
彼女の言葉を聞き、すぐに僕は質問した。
『横断歩道ですれ違ったんだよ。ただそれだけのことよ』
『覚えてないかもとは思ってけど、やっぱり覚えてなかったかー』
そう言うと彼女は僕の前に立ち、いきなり僕に抱きついてきた。
「ちょっ!?ちょっと先輩!?なっなにをするんですか!?」
僕が慌てふためいていると、先輩は僕の目をじっと見ながら言った。
『私はね、あの日君と初めてあった時からこの目に惹かれたのよ』
「目?僕の目ですか?」
『ええ。そうよ。初めてあった時にあなたの目を見たときにきっと私は……』
そう言うと先輩は突然黙りだした。
「先輩は?どうしたんですか……」
僕は少し心配になりながらも聞いた。
すると先輩は突然顔を赤くしながら抱きしめていた腕の力をさらに強めた。
「ちょっ!?先輩!?痛いです!痛いですよ!少し腕の力を抜いてください!!」
僕が必死に叫ぶと先輩は、はっとして慌てて腕の力を弱めてくれた。
「骨が折れるかと思いましたよ……」
僕が苦しそうに息をしながらそう先輩に言うと、先輩はさっきまで赤かった顔をこんどは青くして言った。
『ごっ、ごめんなさい!!こんなつもりじゃなかったのに……君が余計なこというから……』
最後の方を先輩は凄い小さな声で言っていたが、僕はそれを聞いてしまった。
そしてつい意地悪をしてしまった。
「余計なことって何ですかね?先輩?」
するとこの言葉を聞き、先輩はまた顔を赤くした。
そして言った。
『だっ、だってそれは、その、あっあれよ、そう!!あれよ』
先輩は自分でもなにを言っているのか分からなくなったのか、段々声が小さくなっていった。
「だからあれってなんですか」
なかなか肝心なことを言ってくれない先輩の言葉を聞いている内に僕も段々と言葉の言い方が強くなっていた。
『それは、その、だから……』
そして僕はそれを聞き、つい言ってしまった。
「言わないならもう良いです。僕は先に帰らせてもらいます。先輩も気をつけて帰ってください」
この言葉を聞いた、先輩は慌てて、僕に言った。
『言うから!!言うから帰らないで!!』
そして僕はすぐさま聞いた。
「じゃあ、早く言ってください。また、さっきみたいになったら今度こそ一人で帰らせてもらいますからね」
僕は少し語尾を強くして言った。
『そっ、そのね、馬鹿にしないでね?私は初めてあった時に見た君の目に惚れちゃったみたいで……あれからずっと君の事を探してたんだ……』
顔を赤くしながら先輩は最後の方の言葉を消えるように言った。
「へっ?先輩が?僕を?」
さっきまで怒っていたはずの僕はそれを聞いて、変な声を出してしまった。
『そっ、そうよ!!私はあのとき初めて君にあった時に惚れちゃったのよ!!』
先輩はヤケになったように僕に叫んできた。
「えーっと……」
僕がそんな言葉を言っていたら、先輩は僕に爆弾を投げつけてきた。
『そっ、それで?君は私の事をどう思ってるのよ!?言っておくけど曖昧な答えじゃ許さないわよ!!私にこんな恥ずかしい思いをさせたんだから君も言いなさいよね!!』
実は先輩は2重人格だったのか!?と思うほど、ヤケになって僕に聞いてきた。
「えーっと僕はそのを……」
『言い逃れなんてさせないわよ!!私の事を好きなの!?それとも嫌いなの!?どっちよ!!』
それを聞いた僕が言った答えは……
「ぼっ、僕はその……」