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ep16.気づいてしまった俺達は

テスト期間中なのに書いてしまった……。

まあ、取り敢えず前作からの引き継ぎ要素もございます故書くのは簡単でした。


と、言うわけで部屋を明るくして画面からそこそこ離れて御覧下さい

 気がつけば一日が経っていた、なんてこと良くあることだ。

 基本的に長期休暇は全てそうだった。ゴールデンウィーク含め、だ。

 気がついたらいつの間にか長期休暇の最終日で、終わるはずもない宿題を一晩徹夜して全力で取りかかって終わらずに沈みながら始業式に出る。

 だけど、長期休暇の途中にはなにかしらのイベントがある。

 俺の場合は祭りだったり、友人の家に泊まりに行くなんてこともあった。

 今思えば、もっと楽しめたんじゃあないか?なんて後悔もしてたりする。

 ……まあ、それは置いておいて、だ。

 祭りとは元々一つの信仰に基づいていて、豊穣への感謝や祈りだったのだ。

 なら、魔界では何を信仰しているか。それを調べていたら辿り着いたのは一人の魔神だった。

 魔神の似顔絵がレイナールに似ていたのは気のせいだろうが、字がかすれて殆ど読めなかったんだよな。


 「ところでさ、浴衣ってどんな柄が良いんだ?」


 なお、なんとか逃げ延びた。

 本当に怖かったぜ。寿命が三秒ほど縮んだ様な気がしないでもない気がしない。

 纏めると心臓に悪いだけで寿命が縮むほどじゃあ無かったと言うことだ。

 因みに何かあった時様に作って固定化していたケーキを渡すことでなんとかその場を凌ぐことが出来たのだった。


 「そうだねー。私は紅葉だっけ?それが良いなぁ」


 「ふむ、リアにぴったしだな。うん、リアは決定と。紅梨は?」


 「そんな急に言われましても……。そうですね、モノクロが良いですね。シンプルで好きですし」


 「OK。了解。んで、俺を売ったレイナールは?」


 「……結構引き摺るね。僕は葵の言ってた金魚が良いなっ!」


 「ふむ、レイナールには朝顔が似合う様な気がせんでもないがお前がい……」


 「じゃあ朝顔でっ!」


 「うなら……って。まぁ、良いんだけどさ」


 ……あの技を使うべきなのだろうか?

 女からしたら最悪で災厄のスキル、男からしたら最高で最強なスキル【目分量】。

 女性の身長、体重、スリーサイズなどが一度に解ってしまう、あの恐ろしいスキルを……。

 って、まあ、そんなスキルは無い訳なんだが。


 「三人ともスリーサイズと身長をこの紙に書いてくんねぇか?そうじゃないと作るに作れん」


 「あ、うん。……って、あれ?いつも指輪作ってくれたりするけど、どうやって私達の指の太さとか把握してるの?」


 「ああ、別に特別なことはしてないぜ?指に合わせてフィットするように魔法をかけただけだし」


 「僕そんな魔法知らないよっ?」


 「まあ、そりゃそうだろうな。自作魔法だし」


 「……なら、どうして私達のスリーサイズが知りたいんですか?」


 なんで紅梨ってば露骨に後ろに下がるんだよ……。


 「お前等ピッチピチの浴衣で外出歩きたいか?あの魔法はまだ欠陥品だからな。緩く出来ないんだよ」


 「あぁ、なるほど」


 まあ、ピッチピチの浴衣とやらも見てみたいっちゃあ見てみたいんだがな。

 でもそんな姿を誰かに見られるのは気にくわないし、ジーっと見ている輩が居たら本気で殺しにかかる自信があるね。

 それはそれとして、紅葉なんて良い趣味してるよな。

 紅葉は好きだ。と、言うより秋が好きだから紅葉が好きだったりするんだが。

 秋は良い。冬みたいにブルブルと凍える程に寒い訳でもないし、夏みたいにジリジリと汗ばむ程に暑いわけでもない。

 因みに寒いか暑いかで言えば圧倒的に寒い方が良い。

 暑いのは脱ぐしか無いが、寒いのは着るだけで済むからな。


 「さて、と。取り敢えず浴衣は決まったし、ついでに髪飾りも作っておくとして。俺は何着ていこうかねぇ」


 「甚平で良いんじゃあないですかね?」


 「なんか一人だけかなりラフな気がせんでもないが、それも良い案ではあるな」


 あ、そうだ。団扇も作っておくことにしよう。どうせなら風を任意に起こせる付加団扇とか。

 備えあれば憂いなし。なんでも普段も使える戦闘機能を付けておけば割となんとかなるだろうしな。

 でも、コレだけ備えてはいるが勇者が来る気配一切無いんだよな。

 いや、まあ、来ないに越したことはないし、来なければ平和のままだから良いっちゃあ良いんだけどもね。


 「因みに勇者は今ここからかなり遠いところにいるよっ。まあ、何が来てもこのメンバーなら慢心さえしなければ大丈夫だけどねっ」


 「……慢心ですか。このメンバーで慢心しそうな人居ませんよね」


 「……『慢心せずして何が王か』」


 「今、葵ボソッと何言ったの?」


 「いや、昔どこかで聞いた台詞を思い出しただけだから気にすんな」


 あのゲームは本当に良かったよ。

 俺もあの世界の主人公ばりに主人公主人公出来たらきっと何処かの世界で主人公出来るんだろうなぁとか思ってみたりする。

 まあ、どのゲームやラノベでも主人公主人公しない主人公は殆ど居ないよな。

 最初はどれだけ捻くれていても話が進んでいく内に主人公主人公し始める主人公が沢山いるからなぁ。

 主人公ってだけで世界から護られるって結構ズルイよな。

 まあ、使えるモンは使っとけ派だから自分にそんな主人公的な補正がかかってるなら使うんだが。

 でも、主人公主人公してるっつったら勇者だしなぁ。


 「さて、問題です今『主人公』って言葉を何回使ったでしょうか?」


 「なんで急に問題なんですか?」


 「いや、二人とも読心術持ちだから折角だからやってみようかな?ってな」


 「……いつも思うんですけど葵さんって結構ズレてますよね」


 「そうかねぇ?」


 「十回くらいかな?」


 「十四回だねっ!」


 「残念、十五回だ。口に出しただろ?」


 「むーっ!それはズルイと思うんだよっ!」


 「あはは。流石レイナちゃんだね」


 「二人には参加賞としてこの飴をあげやうではないか」


 「何でいま古語使ったんですか?」


 「何となくに決まってるじゃないか」


 「なるほど、何となくですか」


 「ああ、何となくだ」


 「と、言うわけで不参加賞のガムをあげよう」


 「あ、有り難うございます」


 ……自分で言っておいて何だが、不参加賞って何なんだろう?

 まあ、お菓子を渡すためのアレではあるんだが。

 ……久しぶりに純愛ものの恋愛小説が無性に読みたくなった。


 「そんな葵にジャジャジャジャーン!葵の鞄に入ってあった小説だよっ!」


 「いや、まぁ、確かにこれは恋愛物ではあるんだが、純愛ものではないんだよ」


 「そう言うと思ってコッチも持ってきたんだよっ!」


 「……そういうと思ってたなら先にそっちを渡せば良いと思うのは俺だけなのだろうか?」


 「あはは。レイナちゃんは葵に構って欲しいんだよね」


 「そうだよっ!最近ずっと仕事してるし、イチャイチャしたいのっ!」


 「まあ、私も同意見だから今回はレイナちゃん側につくよ」


 「……そんなに仕事してたつもりはねぇんだけどなぁ」


 「いえ、葵さんはかなり仕事してますよ」


 ……ふむ、毎日毎日コッチにくる仕事をし続けているだけなんだがなぁ。

 確かに不自然な量ではある気がするんだが、許容量に達してなかったから気にしてなかったな。

 そうやって古い書類をぼーっと眺めていると、一枚の書類を手に取ったレイナールの周りにある空気が黒くなった気がした。


 「……ふーん。こんなことするバカいるんだ」


 「どうしたの?レイナちゃん」


 「ん、リア見てみて。微妙にお金が減ってるでしょ?あの老人達葵への負担を多くして目立たないようにしてたみたいだよ」


 「……ほんとだね。コレは一回掃除しなきゃいけないかな?」


 「おいおい、お前等雰囲気怖いぞー。兎に角、なんとかするなら証拠を集めてからな」


 まあ、気づいたからにはやるしかないんだが。

 ……それにしても俺、何で気づかなかったんだろうか。情けないったらありゃしないな。



 なんてそんなこと思ってたら重傷にならなかった数少ない幹部達が数日後ついに動き出した。

 レイナールとリアが本気を出した所為で証拠が一瞬にして集まることになったのは吃驚だったな。

 さっき言ったとおり既に証拠は揃っているから潰そうと思えば何時でも潰せたんだが、一応執行猶予って感じで見ていたんだが、監視の目をかいくぐることが出来ていると思いこんで悪行三昧していた。


 「……お義父さんも手伝ってくれるとは思ってなかった」


 「まあ、なんだかんだで葵のこと大好きだしね」


 「……微妙に嫌なんだが」


 「照れるな、照れるな」


 「顔赤くなってるねっ!可愛いっ!」


 「……やめい」


 「ふふふ」


 「紅梨も笑ってないで、助けてくれ……」


 まあ、こんなことをやっているんだがキッチリ幹部達の動きは確認している。

 それにしてもレイナールの予想通りに動いているなぁ。


 「バカで良かったよっ!」


 「……それはどうなのかねぇ」


 「だね。そんなのが幹部をしていたなんてね」


 お、俺への不満を言ってるな。

 何々?民衆に媚びへつらっている?あんなもの放っておけばいい?

 ……ほうほう。なんつーか、巫山戯たことを言ってるねぇ。

 そんなことを聞きつつ監視していると部屋の空気ががらっと変わった。


 「ねえ、葵。私たちは今から作戦を実行しに行くけどお土産は何がいいかな?」


 「そうだな。取り敢えず生け捕りにしてくれると有り難い」


 こんな恐ろしい雰囲気で物凄くのんびりした会話だよな……。

 多分此処で老害の首って言ったら、多分首を持ってくるんだろうな。

 俺自身死体なんて見たくはないから生け捕りにして永久に牢獄に入れとくつもりだけれども。

 ま、あまりにも抵抗したら不慮の事故が起きるかもしれないなぁ。アーテガスベッターみたいな?


 「あ、そうだっ!葵をバカにするような発言をしたら不慮の事故が起きるかもしれないけど、その時はゴメンねっ?」


 「……お、応」


 レイナールの眼が物凄く本気で微妙に恐ろしいんだが。

 しかも顔は笑ってんのに眼は笑ってない状態であると言う。


 「んじゃあ、俺は俺の仕事をするよ」


 因みに俺の仕事ってのは幻影魔法を使って目の前を通りかかることらしいのだ。

 レイナールの考えは微妙にしか理解出来てないから、取り敢えず最高レベルで幻影魔法を使っておこうと思う。

 大は小を兼ねるって言うしな。

 それじゃあ、いっちょ掃除を開始しますかね!

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