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15/19

ep15.つまりは大は小を兼ねるということで俺は

色々と今頑張っております。

今週中間考査なんですよね。

まあ、現実逃避並びに気分転換に書いてます。

魔王サイドは久々なので少しアレかもです。


それではいつもの如く、部屋を明るくして画面から30cm以上離れて御覧になってください!

どぞっ。

 人間という生物は独りでは生きていけない。という言葉を聞いたことがあるが、割とその通りだと思う。

 独りで生きている人間は何処か狂っている。

 狂っていると言っても一概に精神が追い詰められて起こる焦点が定まらず、常にブツブツと何かを唱える様なモノではない。

 味覚が狂っている場合だったり、時間感覚が狂っている場合もある。

 他にも二次元に入り込みたいなんて願望を本気で持っていて、一日中画面の前に張り付いて『何時かは自分も彼処に……』なんて思っているヤツも狂っていると言えるだろう。

 まあ、色んな狂っている状態がある訳なんだが……。


 「……何ですか?」


 「いや、レイナールみたいに表情豊かな引きこもりなのかな?と思ってたんだが、違ってたみたいだな」


 「ふふふっ!僕みたいな引きこもりが何人もいると思わないでよねっ!」


 「流石レイナール様ですね」


 「……物凄く喋りにアクセントがないな。ついでに表情も」


 そう、このシエル・Q・ベーレイニガンという少女は心を表に出すという簡単なことが出来ないのだ。

 つい最近視察に行った時に馬鹿共が奴隷市というモノをしていた。

 そこで俺は軽くキレて、割と痛めつけてから牢獄に数十人を突っ込み、売られていた少年少女達を元の場所に戻した。

 で、この少女もその独りなんだが、レイナーレの居た図書館から久々に外に出たら捕まって売られかけたらしい。

 シエルは暗殺者の家系らしくいつでも逃げられたが売られるのも面白そうという考えで彼処に留まっていたらしい。

 そのことを何となくリアに告げ口したところ、こってり説教されて今に至る。


 「お前、この城で働け。魔王命令な?」


 「葵、小さい子の命令みたいな言い方は止めた方が良いよ?似合わないし」


 「リア、結構傷つくからそう言うのは止めてくれ……」


 俺はこう見えて心はガラスなんだぜ?

 まあ、身体はオリハルコンの様な堅さを持っているらしいんだが。

 この世界でオリハルコンは全ての鉱石の中で一番堅く、竜の一撃ですら砕けないモノらしいのだ。

 ……俺、竜のブレスなんて受けたら死ぬぜ?いや、解らないが。


 「……取り敢えずウチで働け。衣食住はキッチリ与えてやるから」


 「普通に働きますよ。私、あの図書館にもう入れないですし」


 「ああっ!彼処に入るのって確か証明書いるんだよっ!僕は葵についてきたからまだ持ってるけど、シエルは多分奪われて持ってないよねっ?」


 「はい。それの点だけは奴隷商達を恨みます」


 「なんつーか、それってどうなんだ?」


 「駄目に決まってるでしょ!もう!」


 「リア、そうぷんぷん怒るな」


 うむ、癒されてしまう。なんというかこの空間にはマイナスイオンが漂っているのではなかろうか。

 因みにマイナスイオンってのは空気中の過剰電子によってイオン化した分子の陰イオンらしいんだが、実際には科学ではそういう風にはなっていないんだよな。

 故にマイナスイオンってのは『なんとなく身体に良い物』という風に感じれば良いんじゃあないかな。

 所謂考えるな、感じろの良い例だと思う。


 「リア、そう言えば城下町視察言った時にコレを買ったんだがいるか?」


 「あ、うん。ありがとうね」


 「いやいや、気にすんな。いつも迷惑掛けてるしな」


 「そんなことないよ。私は葵と居ることが出来て嬉しいし」


 「ちょっち、お二人さんっ!僕だけを除け者にするのはどうかと思うんだよっ!」


 「いや、お前にはクッキーやっただろうが……」


 リアに買ってきたのは軽い魔除け?である。

 この場合は魔除けであっているのかどうか甚だ疑問ではあるんだが、まあ、普通の魔除けだ。

 なんか怪しいおっちゃんが売っていたから解析の魔法を使ってみると、割と良い魔除け?だったから買ってきた。

 ふむ、こういう場合は厄除けと言った方がなんとなくフィットしている気がする。


 「紅茶持ってきましたよ」


 「あ、サンキュな紅梨。……ン。いつもの如く美味いな」


 「ふふふ、有り難うございます」


 「あ、紅梨にもお土産だ」


 「あ、有り難うございます。……えと、コレは、ミニスカートなメイド服?」


 「ああ、スパッツも着けといた。長いスカートだと動きにくいだろ?」


 「下心があるのでは?」


 「無いとは言えんが、普通にそっちの方が動きやすいと思ってな」


 「葵ってピチピチのズボンに萌えるんだよねっ?」


 「ッ!?レ、レイナール、ど、何処で知った!?」


 「ああ、葵の部屋にあった本で……」


 「俺が悪かったから止めてっ!」


 ……ちくせう、ちゃんと隠した筈なんだがなぁ。

 ベッドの下じゃあ在り来たり過ぎると思って仕事机の引き出しに書類と共に封筒に入れて隠して置いたんだが……。

 それにしてもレイナールがパーカーにGパンを履いているのってそれの所為か?

 いや、うん。まあ、好みの服装ではあるんだが。


 「……葵、またなの?前に見つかった時に燃やされたのに懲りないね」


 「いや、男ならしょうがないことなんだ……」


 もし此処にいる男の兵士、文官約千人に聞いてみたらおおよそ八割は嫁に見つかっても買い続けると答えることだろう。

 まあ、見つかった後は物凄い絶望感があるんだが。

 特に母親に見つかった時に机の上に置いておかれるというシチュエーションが一番絶望するんだよな。

 俺の場合は姉貴分に見つかって物凄いからかわれたのが一番絶望したシチュエーションなんだが。


 「それより、私は何処に住めば良いのですか?」


 「ああ、多分女子寮の一〇三五室が開いてると思うから其処に住めばいい。寂しいなら誰かしらと一緒の部屋にするが……」


 「いえ、では」


 「っちょ、早いな、おい」


 そういえば、来月に花火大会があるんだっけか。ふむ、浴衣でも作るか。

 因みに浴衣の柄は金魚か花火にするつもりだ。

 ……一瞬リアとレイナール、紅梨の浴衣姿を想像したんだが、死ねるな。


 「と、言うわけで来月行こうか」


 「脈略なさ過ぎだよ、葵。まあ、行くけどね」


 「そう言えば和服は胸が小さい方が似合うと聞いたことがあるのですが、レイナさん大丈夫なんですか?」


 「……紅梨、その恨みの籠もった目で見るのはどうかと思うぜ?」


 「……でも紅梨ちゃんの言うとおりだよね。レイナちゃん、大丈夫なの?」


 「ひぅうっ!?そ、そんな獲物を狩る目で僕を見ないでっ!泣いちゃうよっ!?僕、大人げないくらい本気で泣いちゃうよっ!?」


 「ふふふ……。私たちのその憑いてるモノに対する思いなんだから、受け取ってよ」


 「目が、目が怖いよ!?二人とも!!」


 「……ホント、前から言ってるんだが俺が居るところでそういう話題は自重して欲しいんだが」


 毎度毎度思うことなんだが、お前等普通に胸あるからな?

 日本のお前等と同じ年の女子を見れば解ると思うが、普通に大きい方だから。

 紅梨なんか、元々同じ所にいたんだからそれは解ることだろうに……。


 「そういう問題じゃあないのです!」「そういうんじゃあないの!」


 「……必死だなぁ、おい」


 「そうだよっ!必死過ぎるよっ!」


 「持ってる人に持ってない人の気持ちは分からないんですよっ!」


 「そう言えば、好きな人に揉んで貰えば大きくなるって言うよねっ!」


 「レイナール!?テメェ、俺を売りやがったなっ!?アイツ等の目が獲物を狩る目になってんじゃあねぇか!」


 「ふふん!さっきその目に見られてたんだからねっ!」


 いや、まあ、確かに大人げなく泣いてしまいそうになるほどの恐怖はあるんだが。

 取り敢えず、俺は浴衣を作るために仕事部屋に退散しようか。

 因みに仕事部屋にはミシンとアイロン、他にも色んなモノがある。

 俺の趣味は物作りだからそれに必要なモノは色々と用意して貰った覚えがある。

 ……さて、逃げるかッ。


 「待って、葵!」


 「待って下さい!」


 「待つか!怖いわ!」

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