第2話 私の可愛いすみれ
白化症と伝えられた翌日、私は家で髪を染めたので誰にも気づかれなかった
すみれはというと相変わらず授業中でもかかわらず机に突っ伏して寝ている
はぁ...すみれの前の席が良かったな
後ろだからすみれの寝顔が見えない
授業終わったら見に行こ
―――
「おはよう、すみれ」
「ん...おはよう、百合」
「あいかわらずね」
「だって、眠いんだもん」
「昨日早く寝たんじゃないの?」
「ねたよぉ……でも眠いんだもん」
「寝ても良いけど、ここで寝ないで」
「なんでー?」
だって
「だってその顔他の人に見られたくない」
そんな可愛い顔は私だけが見たい。他の誰にも見られたくない
「じゃあ、どこかいくー?」
さっきの授業は六限目。先程HRも終わったので放課後だ
「いつものとこ行こ」
「えー百合がうざいからやだ」
「なんだと」
「だってー屋上行くと百合、ずっとくっついてくるじゃん。寝れないよー」
だってかわいいんだからしょうがないじゃん
「そう言いながら、すみれ行く気まんまんでしょ」
すみれは立ち上がり私の腕を掴む
「だって眠いのには変わりないんだもん、行くなら早く行こ」
「はいはい、じゃあくっついて良いってことだよね」
「えーそれはやだかなー」
わたしが頬を膨らませわかりやすく不機嫌な顔をする。
「うそだよ。私もくっつきたいしさ」
「やった!!早く行こ!!」
「そんなグイグイ引っ張らないでよー」
ぐうとわかりやすく寝息を立ててベンチに横になって屋上ですみれは太陽の光に焼かれながらしっかり寝ている
相変わらずかわいいな
食べちゃいたい。まぁそんなこと言って嫌われたら嫌だから言わないけど
「すみれ。私のこと、忘れないで、いや」
捨てないでくれる?――そう、言いそうになった
が、それでは私がすみれを信用してないみたいじゃないか
そんなの今の私は考えなくて良い、変わらないんだから
今のところ白化病の治療法はない
単純に記憶がなくなるだけなのでそこまで研究がされていないのだ
本人はまだしも周りの人は心に穴が空いてしまうのに
―――
そんなのを考えている時もすみれは寝言を言いながらぐっすりだ
「はぁ呑気なこと」
まぁそこがすごく可愛いんだけど
これ、写真取ったら怒られるかな。この可愛らしい忘れたくない寝顔を
バッグの中からスマホを取り出した瞬間
ベンチに引っ張られる
「ダメだよー乙女の無防備を記録に残すなんて」
「可愛かったから…ごめん」
だめだった。てか起きていたのか
しゅんっとわかりやすく落ち込む
「もう、言ってくれれば良いんだから」
「いいの?」
「その代わり百合も映るならね」
「えー、私も?」
正直自分を可愛いと思える人なんて一定数だろう。私は自分の顔はそこまで可愛いと思えない。だからそこまで映りたくないのだけれど
「なんでよー、恋人のお願いが聞けないのー」
「わかったよ、じゃあ」
スマホを掲げ二人して寝っ転がってるのがスマホに映る
「はい、チーズ」
カシャ――




