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第1話 白化病なんだって

白化症

十代の子供に起きる、最悪の呪いのような病気

花が白くなる病気のように、髪の毛と記憶がどんどん白くなってしまう

なにもかも区別なく、のはずが白化症は基本的に思い出だけを食いつぶす



そう


大切な人との記憶おもいで





―――



みんな、映画とかで記憶を消してまた見たいとかいうじゃん

あれ、そんなに簡単に言って良いものだと私は思えない

確かにもう一度あの初めて見る臨場感や感情を味わいたいのはわかる

だってそれが人間だ

人間は一度受けた快楽には少し抵抗が芽生えてしまう。だからみんな初めてというのが一番良い

でも、それを望みたくない人間だっている



―――




「私、白化病なんだって」

「えぇ、」

目の前の少女は少し強張った表情で窓を背にして返す

わかっていたのだろう、私の髪の付け根が少しだけ白く変色していたから

「えぇってなによ、最愛の人が白化病なんですよー」

「ごめん」

素直に謝られてしまった

少しでも雰囲気が軽くなればいいと思って言ったのだが、彼女もダメージが大きかったのだろう

「すみれ、私が明るくしようとしてるんだから明るくなりなさいよ」

「ごめん、そうだね」

すみれ

私の愛してる人、可愛いくせに頼りになる

はずなんだけどな...

「そうそう、よろしい」

「なんで、百合がそんなに元気なのよ」

「だってすみれよく言ってたじゃん」

すみれが顔を傾け、なんか言ったけと言いたげな顔をする

「辛いときこそ笑わないと損でしょだっけ?なんかそんな事言ってたじゃん」

「…確かに言ったけどさ」

まぁこれで全く悲しまれないほうがこっちとしては悲しいからそれで良いのだが

「なら、笑わないとでしょ。すみれ」

すみれに近づき無理やり口を引き上げる

「ほら、あなたは笑ってたほうが可愛いんだから」

「やめて、恥ずかしい」

ムスッとする彼女も相変わらず可愛い

窓から夕日が差し込むことで教室全体が温かい色で彩られた



この色を、花を

いつまで覚えられるのだろうか

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