プロローグ 運命とは
夜の森はとても怖い。
誰もいないのに視線を感じ、遠くでは動物たちの鳴き声が聞こえる。人なんか住めるはずもないのに微かに人が居た痕跡がある。
――ハア...ハア...
「おい、アイツまた逃げたぞ!皆追え!!」
「絶対に逃がすな!アイツは交渉材料になり得る、早く捕まえろ!」
巨漢な男たちが一斉に私めかげて走り出す。
「クソ、血があれば逃げ切れるのに...」
私はわずかな力を振り絞って森へ逃げ込んだ。
「あの女、森に逃げたぞ!追え!!」
やっぱり追ってきた、もう力がないどうすれば....
「うわあああ!!!!」
「どうした!」
誰かが穴に落ちた、だけど何故。この森は深い穴はないはず、だけど好都合。
私はその隙で森の奥へ逃げ込んだ。
ハア...ハア...ハア...
なんとか撒いたけどもう体が動かない。もうすぐ朝だ、朝になれば私はこのまま衰弱して死ぬだろう。どこか日陰が当たらない所に避難しないと。
体が動かない、だけど動かないと...
そうしてなんとか動こうと体をしたが結局動かなかった。
「見つけたぞ!」
「捕らえろ!」
見つかった。
もう駄目だまた捕らえられる。このままじゃ国が危険にさらされる。
「苦労かけやがって、また痛めつかないとだめか」
「いっそ殺したら良いんじゃないすか?」
「良いな、これは交渉材料だ。皇帝の命令で生きたまま捕らえろと、だが痛めつけるだけなら良いだろ二度と反抗的な態度を取らないように」
きらびやかな鎧を着た巨漢がそう言う
もう駄目だ、と思った瞬間。
―バタリ
誰かが倒れた
「何事だ!?」
「隊長!どこからか矢が!」
―グサッ
「隊長!!!!!」
どこからか矢が巨漢達に一人、また一人倒れていく。
あっという間に全滅し私だけが取り残された、目の前に血があるのに体が動かない。もうすぐ朝だこのまま寝れば確実に死ぬ。
いっそこのまま...
「...■■■■■■■!」
まぶたを閉じようとした途端誰かがこっちに来た、弓を持ってる。多分巨漢達を倒した本人だろう。だけど何を言ってるのかは分からない
「■■■■■■■■」
男がそう言い私を優しく持ち上げた。以外と悪く無かった。
けど...申し訳ないけど...
「...ごめんなさい!」
私は咄嗟にその男の首を噛み血を吸った。命の恩人だが味方か敵かも分からない、だけど邪気など無かった。この男には申し訳ないけど血を吸わせてもらう。
私はまだ不器用で血を全て吸ってしまう、だからこの男は貧血で死ぬだろう。
「ありがとう、だけどごめんなさい...」
せめてもの償いに土に埋めようとした時、あの男の指がピクリと動いた。
まさか、あんなに血を吸われてまだ生きてるなんて...いやあり得ない。
私は脈を調べた、この男はまだ生きてる。この血ならここから城まで運ぶことが出来る。私は翼を広げこの男を城まで運んだ
この時私はまだ分からなかった。
この出来事がまさか国を救う選択になるとは...




