高校生活初めての行事①体育祭
第4章体育祭③
「終わった」
ため息と共にそんな言葉が溢れる。まさか自分が選抜リレーに選ばれるなんて。中学の時は運動神経が悪い方だったのに。
あれから小説の続きを読めていない。あまりにもショックで学活はただ呆然としていた。
全力で50m走をやったことを後悔する。もう少し力を抜いていれば、僕より早い奴が5人くらいいたのに。
そんな考えを巡らせていたら家に着いた。
「ただいま」
「おかえり。今日はどうだった?」
台所にいる母親だ。
「特に。いつも通りだったよ」
選抜リレーを除けば。
「そう、お風呂沸いてるから行ってきたら?」
「うん」
帰ってきた服装のまま、2階の浴室へ向かう。嫌な事は一旦忘れてゆっくりしよう。そう思った時だった。
ピロン
ポケットに入れていたスマホから通知が来た音がした。恐る恐る確認すると相手は中学のクラスメイトのみひろからだ。
『羅雨。今度手伝って欲しい事があるんだけど、金曜日の夜通話していい?』
手伝って欲しい事って何だ。中間考査も終わった頃で勉強を教えて欲しい訳でもないだろうし、自分が手伝える事なんてあまりないと思うんだが。
そんな疑問も抱えながら返信をする。
『別にいいけど、何を手伝えばいいの?」
すぐにに既読が着いた。
『大した事じゃないんだけど、原稿を考えて欲しいの。生徒会の演説用の原稿を』
「は!?」
言葉に漏れた。まさかあいつが生徒会に立候補するなんて思いもしなかった。
『何で僕なの?他にも中学で生徒会やってた人いたでしょう?何ならその人呼ぼうか?』
『いや、いいよ。久々に羅雨と喋りたいし。あやねも連れてくるね』
あやねはクラスメイトの一人でみひろと仲が良い。
『なんでもいいけど、あんまり力になれないよ』
そう送ると、人気キャラクターの「大丈夫」スタンプが返って来た。なんか面倒くさい予定が増えてしまった。まあ、少しはリレーの事を忘れられたからいいけど。
スマホを洗面台に置き、お風呂に入る準備をする。
ピロン
また通知だ。今度は誰からだろう。スマホを開くと高校のクラスメッセージからだった。
『リレーの総順はこれでいいですか?』
そんな文と、一緒に総順が書かれた写真が送られて来た。せっかく忘れられたのに。そんな事を思いながら『OK』と送る。
こんな雑な進め方でいいのだろうか。いや、青春を捨てた僕からしたらどうでもいい事か。スマホをの画面を閉し再び準備をする。
この後の体育祭で自分を変える出来事が起こるとは知らずに。




