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EP1ー6.

「という形で、我々の協力部隊は作戦を完了出来ず、立て続けに負け続けたのです。」

「それは大変残念な事ですが、その黒い機体に乗っておられるのがヨージンというお方なのですか?名乗っていたりしないのですよね?」

「直接には遭遇した事はないのですが、黒い機体の顔部分にヨージンのサインが記されています。おそらく自身が記載した物ではなく、他のメンバーが記載したものだと。」

ブレードは携帯端末を手に取り操作をし、黒い機体が映っている画像をユミルに見せた。

「確かにヨージンと書かれていますね。でも、それだけでは当人かが把握出来ないですよね。顔は公開されていたりするのですか?」

「はい。その後にあった別の組織との戦闘で、機体から降りている時を盗撮されたそうです。」

ブレードは携帯端末を操作をして、別の画像を見せる。

「こちらがその時の画像です。」

「まあ、結構お若い人なのですね。ベテランの戦士なんて思えないくらい。」

「そうですね、私達もまさかこんな子供とは思っていなかったです。そして彼の今は日本支部にて学生をしているそうです。」

「え、学生?本当に?まさか立場を偽って生活をしているのかしら…。」

「身分を偽って何か作戦をされている、重大な情報が漏れて除名された。まあ色々と憶測は出来ますが、詳しくは分かりません。本当に学生なのかもしれないです。」

「確かにそうですね。それで、シルスはヨージンとコンタクトを取りたいのかしら。いったいどの様な理由があって?」

「それは、ただの感情論になるかもしれませんが…。会ってみたいのです、負けた経験が無い化け物に。」

シルスが耳たぶを触りながら話したのを、ユミルは見逃さなかった。シルスがついしてしまうクセだ。

「そう、他に隠している事ありそうですね?」

「そ、そんな事はありません。」

ユミルの鋭い感にシルスは少し慌てる。

「いつもユミル様の洞察力には感謝しています。いえ、感謝し切れないくらいです。」

「まあいいです、何かテクノロジーに関わる情報でしょう。でも、実際に戦いになってシルスが負けてしまう事もあるわけですし、心配です。」

「それには非常に気をつけて行動しようと考えてます。今のテクノロジーは少し前より各段に変わってきています。」

「会ったらこっちに来てもらうように説得してみるのですよね?」

「は?はい、そのつもりではありますが。さすがユミル様はよくお気づきになる。」

「ずっと一緒にいますから、少しの予想はつきます。でしたら、ヨージンを連れてこられたら私にも会わせてね!どんな方なのかとても気になったわ。」

目を輝かせたユミルに、少し息をつくシルス。

「はい、畏まりました。ユミル様には本当に敵わないです。」

ユミルは時計を見ると少し慌てだした。

「あっ、もうこんな時間。この後リーラ達とお菓子作りをするの。シルスの分も用意するから楽しみにしていてね。ありがとう、今日も楽しかったわ」

「はい、楽しみにしております。」

ユミルはパタパタと部屋を出ていった。一人残された部屋の中はシンと静まりかえった。

「ヨージン、いや咲原洋人。その力、必ず見せてもらおうぞ。」

シルスは少し不気味な笑みをこぼした。


「むぅ、昨日雨だったから髪がちゃんとまとまってない!ああ~もう!」

「大丈夫だよ零奈ちゃん、ちゃんと可愛く出来てるから。」

湿度のおかげで髪がまとまらなかったのか、髪を触り気にする零奈。普段はポニーテールでパッとまとめているが、今日は髪をまとめておらず先端を少しカールし、ふんわりとエア感をもたせている。

智里の方はショートだが少しウェーブがかかっている。生まれつきそのままのヘアスタイルなので、手間もあまりかかっていない。今日は小さいリボンの形をしたヘアピンを付けている。

二人は今電車の中にいて、集合場所にしているテーマパークがある最寄り駅へと向かっている途中だ。

「まあ、見れなくはないよね。このスタイルとこの前買ったのとを合わせてみたんだけど、どうかな?」

零奈は智里に今日着飾ってきた服を確認してもらう様に身体を向ける。着ている服装はピンクホワイトのワンピースに茶色で茶色で薄めのジャケット。ジャケットの胸にはワンポイントで羽模様が刻まれている。

「少し大人っぽくまとめているけど、零奈ちゃんらしさも出ているし。そのカバンにも合ってるし、バッチリだよ。」

「カバンだけはいつものだけど。安いの買うとプチプラ感が大きくなり過ぎるから。」

零奈は学校に通っている時と同じ、茶色でお気に入りのリュックタイプのカバンを背負っていた。高校入学祝いに親に買って貰った物で、色々と収納出来て便利なサイズだ。

「智里は素材が良いから今日も大丈夫そうだね、さすがお嬢様。」

「もぅ、だからお嬢様なんかじゃないって。」

智里は白ブラウスの上に薄いグリーンのカーディガン、ボトムにはワインレッドの膝丈フレアスカートで、シンプルだが上品にまとまっている。

持っているバッグは最近流行りだした海外製の物だ。

「(見たことない服だし、ブランド物かな?)」

電車の中で立っていると少し視線を集めるくらいに目立っているが、智里は気にしていない様子だ。

「これだけ頑張ってきたんだから、あいつもきっと気にするはずだよね?」

「ん~どうだろう?咲原君って、こういうのに全く興味なさそうだったし。何で来てくれるのかも不思議だよ。」

「まあねぇ、あいつも少しは普通になりたいって思ったんじゃない?」

「そういう事だったら、いっぱい楽しんでもらわないとだね。」

「大丈夫。この格好だけじゃなく、楽しむ為の色々と作戦を考えてきたんだから。ちさもよろしくね。」

「もちろん!青春真っ只中なんだし、今しか楽しめないことしないとだよ。」

「あいつの事もそうだし、今日は久々に遊び倒しちゃお♪」

「うんうん♪合流したら先ずは…。」

二人は電車の中でこれからの事を計画的に話し合った。

「楽しみになってきた、遊ぶぞ~。」

「おー。」

二人の小さな叫びに周囲の人達は注目せずに微笑んでいた。

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