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EP1ー5.

油田で起こった出来事を簡単にまとめて話したブレードは、新しくコーヒーをコップに注いだ。

「その話は聞いております。こちらが雇った傭兵が帰って来なかった話ですね。」

「はい。当時は新技術であった燃料リペアシステムを奪おうとした話です。そうすると、次に起こった話もご存じですよね?」

ブレードの問いかけにユミルは少し考える仕草をする。

「確か、ロンドンでの市街戦になった時の…。」

「はい、圧倒的な腕を見せつけられた戦闘です。」


~イギリスロンドン_テムズ川ビッグベン周辺~

建物が立ち並ぶテムズ川の堤防道路沿いを5機の人型機が縦一列で歩いている。

5機それぞれの役割が異なるのか、ライフル、ショットガン、マシンガンと様々な武器を構えている。

どれも大きいサイズで放つと迫力がありそうなフォルムだ。

「ここまで順調だな。そろそろこちらの領域から外れる、各機の役割は問題ないな?」

先頭を行動している機体から後続機に通信が入る。アンテナもしっかりとしていて、偵察に特化していそうな機体だ。

「しかし、イギリスも大変だよな。技術大国になったから狙われるのも仕方がないが…。」

「まあな、でも今日で解放させるんだ。俺達が救ってやろう。」

「でもよ、最初はこっちから仕掛けた戦争なんだろ?どっちが悪なのか微妙じゃねえ?」

「あんな物騒な物を用意した相手の方が酷いだろう。まあ、市民達はとにかく平和を望んでいるはずだ。」

「意味を持たない話はそれくらいにしておけ、何処で盗聴されているか分からん。」

「そうだな、これが終わってからの余暇の事でも考えるか。」

しばらく歩いた所に橋が大きな橋に差しかかった。その前で5機は立ち止まった。

「さて、ここからが本番だ。幸いここまでは偵察が来ていないようだ。じゃあ予定通り二手に分かれて行くぞ。」

「但し、市民達には被害を出さないこと。だったよな。」

「ああ。しかし、やむを得ずは協定の範囲内だ。確実に対応してくれれば良い。」

「どんな相手でも、これでビビらせてやるぜ!」

中央に立っている1機が大口径のグレネードランチャーを構えて、少し格好をつけて見せつけた。

「実戦には不向きな感じがするが…。」

「これは特殊合金で作られていて思ったよりも軽いんだ。機敏に動いてやるぜ!」

「まあ期待してるぜ。よし、行くぞ。」

5機はスムーズな動作で二手に分かれる。3機は川沿いを、2機は橋を渡って、向こう側の市街地へと入っていく。

「橋を渡ると相手側の領域だ。今のところレーダーは拾っていないが慎重に行くぞ。」

2機の前を歩く機体も、少し長めのアンテナを搭載している。

「少し前の空襲で相手側は疲弊しているはずだろ?だったらここまでは守備が来ていないだろう。」

「そうだといいが…、まあ本体はあっちなんだ。敵さんが来たらしっかり相手してやろうじゃないか。」

橋を渡りきり、建物の間を歩く2機。高い建物が多いため機体が隠れてしまい、

川沿いを歩く3機の姿や敵の姿も目視で捕らえられない状況になった。

「路駐している車が邪魔だな、破壊してやるか?」

後ろをついている1機が交互に路駐している車に足をとられそうになったので、車に向けて武器を構える。

「無駄な破壊はやめておけ、市民には何の罪もないんだ。」

「せっかく楽しめる武器を用意したっていうのに、つまらないじゃないか…ぬぉ!!」

「むっ!まさか、そんな!」

後ろを歩いていた1機から悲鳴に聞こえる通信入ってきた。

前を歩いてた機体が振り返ると、頭部を切断されてコクピット部が炎上した機体が確認できた。

「長距離射撃!?いや、そんなはずは…。」

手に持っている武器を捨てて、接近戦用の超振動ナイフを取り出す。このナイフは1秒に何万回周期で振動していて、切断するのに有効な武器である。

頭部の切断状況を見て、接近戦でやられたと判断した。

「何処にいった…近くじゃない?」

炎上しながら倒れた機体のコクピットの爆発具合で、生存してはいないと判断した。

ここに留まっているのは危険と感じ、建物の上から確認する為に跳躍した。

「上に飛ぶというこんな危険な行為は、まさか予測できないだろう。何っ!!」

跳躍して、建物の上に立とうとした瞬間、コクピット部分に榴弾が当たって、機体は粉砕した。


「おい!あっちで爆発があったぞ!」

「わかっている!通信で分かるように、2機共やられたようだ。非常にマズい事になった。」

川沿いを歩いていた3機は、爆発音があった方向を確認しながら警戒体勢に入っていた。

「5体いることは把握されていないから、まだこっちには気づいていないはず。」

「そうだといいが…。仕方がない、こちらだけで作戦は継続する。」

「そうでなくってはな!じゃないと報酬がもらえないからな。」

3機は再度川沿いを進み始める。先ほどよりも警戒を強めて行動していたが、一番前を歩いていた1機のコクピットと頭部が爆発した。

「こっちを狙ってきただと!くそっ!」

「川の向こう!そこか!」

残った2機は発砲されたと思われる方向に砲撃を開始する。撃たれた弾は向こう岸にある建物を次々と破壊していく。

「どうだ?これだけ撃ったら、やられていなくても下手に行動出来ないだろう。」

向こう岸の建物は蜂の巣みたいに撃たれ続けた結果、煙と炎が立ち込めて、視界が大変悪くなっている。

「依頼主側がやられてしまってはもう任務は遂行出来ないな。」

「そうだな。報酬はもらえないのが癪だが今のうちに撤収しよう。ぬわぁ!」

撤収行動を取ろうとした後ろの機体は脚部を撃たれ体勢を崩す。倒れかけた瞬間に次の弾が飛んできて、コクピットは破壊された。

「く、くそっ!!こんな所で死にたくない!」

残った一機は急いで離脱しようとするが、曲がり角を曲がった所で同じ背丈の機体と接触した。

「知らない機体だな、敵か?何!?」

反撃体勢になろうとするが、接触した機体はすぐさまに超振動ナイフをコクピットに突き刺してきた。

突き刺された機体は反撃しようと試みたが、ナイフを持っている手とは反対側の手で機体を制止

されているので、機体を動かす事が出来ない状態になっていた。

「な、なんだと!こんな所でー!!」

突き刺されたナイフはものの数秒でコクピットを貫通し、パイロットの身体は勢いよく粉砕した。

機体もごぉっと音を立てて爆発と火災で燃え尽きていった。

「……。」

相手をした機体は太陽に照らされて、黒いカラーリングを輝かせていた。

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