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EP1-22.

洋人はリン達から周辺で起こっているテロの影響を聞き取り、情報を整理しながら移動していた。

リンは中国支部から異動してきた中国人で、同行している他の二人は日本人でリンの後輩である。

「なるほど。日本だけではなく、世界規模で同時にテロが発生していて大変な事になっているんだな。」

「ああ、それも半日で世界のあちこちで起こったものだから混乱している。だから公のニュースには出ていないんだ。」

4人が向かっているのはエリア45地域で、テロの規模は小さく日本支部で持ちこたえられている状況だが、民間人の救助が間に合っていないとの情報が入った場所だ。

それらのサポートをする為に向かっているのだが、まだまだ長期戦になる可能性もあるとの情報も入ったので、近くにある備蓄倉庫群の確保にも行く為でもあった。

「それらの対応にメンバを派遣していた結果、こちらの対応が芳しくななっていて総動員で動いているわけ。」

「俺なんて普段は整備係でBDに乗るのが数か月ぶりなんだ。だから洋人さんには簡単にやられちまったよ。」

先ほど洋人が放った砲撃はカガミという男が乗るBDに命中し、腰に装備している補助アーマーを破壊していた。

「外部装甲に当たって良かったと思うぜ。胸部なんて当たっていたら今頃は…。」

「そんな事言うなよ!実際にそうなってしまってたら怖ろしいじゃないか!」

「ここで生活しているとそういう状況になる事は滅多にないから、実戦で鍛え上げるのも良いかもしれないぞ。」

「リン先輩まで怖ろしい事を!本当は乗りたくないんですよ。」

「戦場はそういった考えは許してくれない。彼、ヨージンはずっとそうして育ってきたんだ。」

「そうなんですね、でもそういうのって素質も関係していると思うんですけど…。」

「リン先輩から少しはお聞きしている。中東戦線では見えない所で凄い活躍を見せてたみたいだな。」

「俺は活躍したいなんて思っていない。ただ皆を守りたいだけで身体が動いていた。」

「その思いがヨージンに大きな力を生み出しているんだと実感しましたよ。」

「ところで、何故あんな場所まで索敵をしていたんだ?」

洋人は先ほどリン達と戦闘した場所の事を確認する。

「あれ?ヨージンのBDは感知する事が無かったのかい?」

「あなたを見つける少し前に、あの場所でディムディス反応があったんだ。」

ディムディス反応とは特殊な装置を搭載しているBDや機器から発せられるエネルギーである。

その反応が大きくなると、周辺に影響を及ぼす事になり、人体にも影響が出るほどのエネルギーである。

「ディムディス反応が?それはこのBDでは気が付かないな。乗った最初からセンサが故障しているんだ。」

「そういう事か。でも、あの場所に行く前に反応が消えたんだ。」

「とりあえず確認はしておこうと行ってみたら、あなたがいたわけだ。」

「日本支部のBDがあんな所にいたので、テロリストに盗まれたと思いましたよ。」

ディムディス反応は暴走した時の危険性を考え、日本支部のBDには搭載されていない。

「いや、それは間違いない事実だ。テーマパークで準備されていた一体を拝借している状況だ。」

「何か事情があって借りているんだろ?今回は保護という形で対応しておくよ。」

「そう上手く行きますかね…。リン先輩は優しいですね。」

「さて、もうそろそろエリア45に着きますよ。燃料とかは大丈夫ですか?」

「問題ありません!外からの増援で敵さん達を驚かせてやりましょう!」

「皆、無事でいてくれよ!」

洋人はシェルターに避難している零奈達に被害が及んでいないか、少し心配になった。


零奈達がシェルターに避難して、約4時間ほど経っていた。

零奈と浩二は食事の準備を、智里はシェルターの外を表示するモニターを確認している。

「暗所用カメラってすごいね。暗くても結構遠くまで見えるよ。」

拡大操作や方角をしながらチェックをする智里。飛行機を操作するようなハンドルなので、少し楽しそうにも見える。

「遠くの方で白く光っているのが見えるね、炎かな?まだ戦闘は続いているのね。」

零奈は簡易キッチンで水が無くても炊いたように食べられるご飯とシチューをIHヒーターを使って準備をしていた。

「ここの非常電源ってどれくらい持ってくれるかなぁ?調理中に電気なくなったらやばいよね。」

「この前のイベントで聞いたんだけど、1週間程度は大丈夫みたいだよ。」

零奈の隣でご飯の用意を楽しそうに見ている少女が答えた。

「そうなんだね。みれいちゃんって物知りで、すごいね。」

「えへへ、皆を助けるお仕事をしたいんだ。だからお勉強を頑張っているんだよ。」

キッチンが少し高めなので、ピョンピョンと飛び跳ねながら零奈に話す。

「それもすごいね!他には何をお勉強したりするかな?」

零奈はみれいと話しながらもテキパキと手を動かして食事を用意していく。

「えっとね~。」

「あっ!みれい、お姉ちゃんの邪魔したらダメだよ。おててがアチチになったりしたら危ないから。」

お手洗いから戻ってきた母親がみれいの行動に注意をする。

「ママ、大丈夫だよ。これ見て!」

みれいは手を前に出して、自身が身に着けている服装を母親に見せつけた。

「あら。」

「ちゃんとミトンとエプロン着けているもんね、えらい!」

「そうだよ、みれいはえらいんだよ。」

「でも、あまりお姉ちゃん達の邪魔をしたらだめ。あっちで遊びましょ。」

「イヤ!邪魔してないもん、零奈お姉ちゃんとお話するの楽しいんだもん。」

「そうだよね、みれいちゃんとお話するの、私も楽しいよ。」

「二人でちゃんと見ているから大丈夫ですよ、お母さん。」

浩二が野菜をカットする機械を操作しながら話す。零奈と二人でみれいを挟んで立っていた。

カットする為に機械に入れられた野菜はパパパッと簡単にスライスされていく。

箱型で中に手を入れられない構造なので、子供でも安全に使用出来る。

「みれいちゃん、目の前にある玉ねぎを入れてくれるかな?」

「はーい。」

みれいは玉ねぎを掴んで、機械のポケットに入れる。外皮も付いている玉ねぎは綺麗に剥かれてスライスされた。

「ママ、すごいでしょ?」

「お手伝いも出来てすごいね!」

母親もみれいの行動に関心して、にっこりと笑った。

「みれいの話相手になって頂いてありがとうございます。」

「いえいえ大丈夫ですよ、私達も楽しいですから。お母さんは今後の事だってありますし、しっかりと休養していてください。」

「ありがとうございます。」

「そうです!俺達は若さだけが取り柄ですから!」

浩二はグッドサインをしてカットされた野菜でサラダを盛り付けていく。

「私も盛り付けする~。」

「よし、じゃあこちらの皿にお願いしようかな。」

「は~い。」

「ふふっ、とっても楽しそう。」

智里はキッチンでの光景を見て、笑みがこぼれた。その瞬間、シェルター内に警報が鳴り響いた。

「キャ!一体何!?」

智里はすぐにモニター操作を再開する。モニターに表示された上空部分に赤いマーキングがあったので拡大操作した。

「うわ~ん、怖いよ~!」

「みれいちゃん、大丈夫。大丈夫だよ!」

零奈はみれいの身体を抱きしめて頭を撫でる。

「えっと…、この表示って、ディムディス反応!?」

「えっ!!ディムディス反応を持ったBDが近づいてくるの!?」

「まずい事になりそうだな…。」

智里の横でモニターを見ていた男性が少し戸惑いが混じった声を放った。

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