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EP1-16.

「ここは第一ゲートへと続く通路ですが…。」

「道が塞がっているじゃないか、派手に爆破させよって。テロリスト達に賠償させないとだな。」

「まあでも、テロリスト達も自分自身に被害が無い様に爆発の規模を抑えたのでしょう。」

「確かにそうかもな。相手も考えているって事だ。」

メーカー側のBDは瓦礫によって通路が塞がっているのをカメラ越しに確認している。

かろうじて天井付近に隙間があるが、人が通れる位の大きさしか無かった。

「基礎がしっかりとしているから部屋が崩壊する事は無さそうだ。これならゴミを退かしても大丈夫そうだ。」

コンテナの中でPCを取り出して分析する職員。PCの画面上にはこの施設の立体図と複雑な数式が表示されている。

「承知しました、速やかに対応致します。」

BDは指を延長させて物が掴みやすい構造にアームを変形させた。

そして、大きな動作で瓦礫を掴んでは通路の脇へと綺麗に並べていく。

「大木さんの仰る通りだ。よく確認してみると、通路を破壊しないように爆発を起こしていますね。」

瓦礫を除けて行くと、壁は破壊されているが、基礎部分はほぼ無傷で崩壊の恐れが無いのが見て取れる。

「爆発の方向を制御する装置でも使用していたんじゃないか?旧式のBDに搭載しているのは珍しい

が…、テロリスト達の流通ルートも進歩している証拠だな。」

数分の作業でBDが通れる程度に瓦礫を片付け終えると、カメラモードを広範囲に変更し、周囲を確認する。

すると爆発元となった辺りに、モニターは黄色い丸を描いた。

「爆発した中心に、人体の反応があるようです。焦げついていて目視では確認出来ないですが…。」

「直撃を受けたみたいだな…、これでは身元も簡単には分からないだろうな。」

「数人の反応がありますね。助けに来られた日本支部の部隊ではないでしょうか?」

「タイミングが悪く犠牲になった方々か…、他のメンバーは脱出出来たのだろうか。」

さらに確認していると、所属と氏名が確認出来るタグを発見したので、BDのアームで回収し、収納BOXへと入れた。

「ちゃんと供養したいが、さすがに少しの時間をロスするのも惜しい。先を急ごう。」

「そうですね、この先の道は少し広いので少しスピードを上げます。しっかりと掴まっていてください。」

BDはブースターを低出力で噴射し、高速道路を走る車くらいのスピードで外へと向かった。


通路にて爆発被害に遭った日本支部のガンマ部隊の隊長達は、安全を考慮して下水道を利用して外へと向かっていた。

下水道はとても静かで、忍び足で移動するとほとんど何も聞こえてこない。それでもガンマ部隊は慎重に警戒しながら足を進めていた。

「さすがにテロリスト達もここまでは侵入して来ないようだな。」

「この先は海に繋がる川に出るようです。私達のためにテロリスト達が待ち構えていないですよね?」

2人は端末を操作しつつも、武器はすぐに使用出来る状態で行動している。

「そうだ、通信はどうなっているか確認してみよう。ここまで傍受される可能性は低いはずだ。」

「承知しました、通信してみます。」

ガンマ2は通信機を取り出し、目一杯アンテナを伸ばして通信を試みた。

通信機のアンテナは特殊なコーティングと暗号化が施されており、見通しが良い所では4〜5kmの通信も可能になるので傍受されやすいが、下水道のコンクリート構造のおかげか、場所を特定される心配は無さそうだ。

電波を発して数秒経ったところで、通信機から声が聞こえてきた。

「あー、こちらガンマ6。ガンマ1ですか?聞こえますか?」

通信機からの声はとても鮮明に聞こえた。ガンマ1の事を呼んできたので、ガンマ2はガンマ1へと通信機を渡す。

「こちらガンマ1、通信良好。二人共無事か?今はどの辺りにいる?」

「はい二人共無事で、パーク脇にある倉庫群にいます。特に戦闘に合う事なく外へと出れました。」

「もうそこまで行っているのか、何を利用して脱出したんだ?」

「大型の排気ダクトです。途中で回転していたプロペラは破壊して脱出しました。」

「なるほど、排気ダクトから海側に出たということか。周囲の状況はどうなっている?」

「私達のいる場所は空コンテナ群が置いてある場所で、テロリスト達も興味が無いのか安全そうです。ですが、こちらから見える基地の方は燃えている箇所もあります、如何致しますか?」

「いや、身の安全確保が最優先だ。BDも手に入るか分からない無い状況だ、応援には行かなくて良い。」

ガンマ6の言った「如何」は、「基地に応戦しに行こうか?」という意味だったので、ガンマ1はすぐに否定の言葉を送った。

「ガンマ5、6は安全を最優先してエリア25へと向かえ、俺達もそこに向かう考えだ。あそこは簡単に墜ちる所ではない。」

エリア25は都心部から少し離れた所にある日本支部の地下基地で、有事の時には司令部として機能出来る設備を有している場所だ。

「承知しました。それでは、安全を確認しつつエリア25へと向かいます。」

「決して敵と戦うなんて考えはよせ。数の違いはどうしようもないから逃げる事を優先しろ。家族もあるんだ、こんな状況で無駄死にしてはいけないぞ。」

「ありがとうございます。ガンマ1,2もどうか無事で、25でお会いしましょう。」

「ああ、ちゃんと生きてガンマ3と4に御礼をしないとだ。」

ガンマ5から通信を遮断されたガンマ1は通信機をガンマ2へと返し、下水道を少し早足で進み始めた。


地下から外へと出た洋人は端末で周囲の状況を確認した。

「エリア38の方向に熱源反応か、工場地帯を狙っている?それとエリア42でも爆発が起こっているな。確かあそこは開発特区があったはず、それが狙いか。」

工場地帯はダミーと判断した洋人は、テーマパークから北方向の山手にあるエリア42に向かう事にした。速く進める為に跳躍した所でアラートが鳴り響いたので、ブースターを横に噴射させて、自身に飛んできた銃弾を回避した。

さらに数発の銃弾が向かって来るのを確認したので、それらを胸部にあるガトリング砲で弾き返した。

「未だ兵器が残っていることを読まれていたのか。しかし、相手は手練れでは無さそうだな。」

レーダーを広範囲モードに切り替え、銃弾が飛んできた方向に二体のBDを確認した洋人は、自然落下しながらも持っているライフルにロングバレルを装着して、相手に発砲する。

相手のBDはすぐに反撃される事を読んでいなかったのか、一体は回避行動が間に合わずに首部に銃弾を浴びて炎上しながら倒れた。

「もう一体はかろうじて避けたか、ならば!」

地面に降りた洋人は、再度跳躍してライフルから数発発砲する。相手も行動を読んでいたのか発砲するが、洋人が発砲した最初の銃弾に弾かれて、後発の銃弾により胸部を被弾して爆発した。

「これではウォームアップにもならん。まあ、イージーな方が平和だな。」

洋人は爆発で増援が来るのを警戒して、ビル群に紛れながら先を急いだ。

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