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EP1-11.

「先ほどのパレード中で発生した爆発はテロリストの仕業か?」

テーマパーク内に用意された日本支部の待機場所は、爆発事故の影響もあってか、少し慌ただしくなっていた。

「詳しくは分からないが、他の異常は検知されてはいない。監視カメラにも目ぼしい情報は見られない。ただ、後に控えている演習は中止だろうな。」

「そうだろうな。とりあえず警察が動く事になっているらしいが、どうして俺達で確認出来ないんだ?その方がスムーズに事が進めるじゃないか。」

「確かにそうだが…、管轄とか金や政治の問題とか、俺達が動くと機密情報もあって、面倒な事が色々とあるだろう。」

「面倒な事に巻き込まれたくないな。それにお堅い話も嫌いだね。」

「お、通信の受信だ…。えっと、相手側に動きがありそうです。」

仮設で用意されたこの待機場所は、それなりに充実した設備が用意されており、演習相手のロボットメーカーと通信も出来るように構築されている。

「こちらに通信が入ったな、繋いでくれ。」

「了解。…こちら787G、787G。832Eですか?どうぞ。」

受信された通信を開始すると、スピーカーからは少し叫び声のような声が混じって聞こえてきた。

ちなみに787Gや832Eという数字は通信コードで、組織名を名乗るのは好ましくないこの世界では当たり前に使われている数字である。

「…あー、聞こえますか!こちら832Eです。少し問題が発生しております。」

問題という言葉に待機場所にいるほとんどの人達が、通信に耳を傾け始めた。

「正式に連絡は来ておりませんが、恐らく演習は中止だと思います。問題とは、一体どうされましたか?」

「えっとですね。念の為、各箇所に隠しセンサを仕掛けておいたのですが、どうやら侵入者がこちらに向かってきているようです。」

侵入者という言葉に、日本支部のメンバーも他人ごとではないと緊張の汗が出始める。

「侵入者ですか…。現在の状況をどうぞ。」

「はい、通常使用しないルートになっているゲートでパスコード解析が行われています。もうすぐ破られそうです。」

「なるほど…そちらの防衛手段は?」

「携帯武器は幾つか用意しておりますが、手練が相手になると厳しそうです。」

ロボットメーカーがこの演習で用意した人員は技術者がほとんどで、その他には模擬戦用の操縦者達と一般警備員程度しか手配されていない。

「あっ、最初のゲートが破られました。ここももって数十分程度でしょう。脱出準備も進めていますが、間に合うかどうかです。」

「目的は最新兵器でしょう。状況は分かりました、すぐにこちらから応援を派遣します。出来るだけ、犠牲者を出さずにお願いします。」

「ありがとうございます、人命を優先して頑張ってみます。」

「通信はこのままオープンでお願いします。」

「了解。」

わずか一分程度の通話だが、一気に緊迫した空気になった。

日本支部はすぐに数名規模の救出隊を用意し、ロボットメーカー側に派遣した。

「爆発場所からここまでは結構距離がある。カモフラージュだったという事か。」

「最新兵器とはいえ実弾装備ではない機体を狙ってどうするのでしょう?」

「いや、何か裏があるのだろう。こちらも警戒しておこう。」

「了解、戦闘配備体制を出しておきます。」

通信を行なっているオペレーターは、端末のキーボードを素早く操作して、特殊な暗号信号を送信した。


「第一ゲートクリア。静かすぎるが問題ないか?」

侵入者の一人が次の行動をしながら通信している。侵入者は4名で構成されており、それぞれ重そうな携帯兵器などを抱えている。

「次のゲート前に少し広いエリアがある。今のところ相手は警備員レベルのみだそうだ。」

「さっき、暗号通信を傍受した。軍隊さんがお出ましだ。」

「へっ、今更動いても遅いっつーの。」

「お喋りはよせ、速やかに事を進めよう。」

「少し周りの壁に違和感を感じるな…。」

侵入者達が第二ゲート前のフロアに入ろうとした瞬間、先頭で警戒していた一人の額が撃ち抜かれ倒された。

人型機を操縦する事に有効な、特製ヘルメットを装着していたが、それを簡単に貫通した。

「マズイ!まさかビーム射撃されるとは!」

「そこまで実用化されていないはずなのに!?ぶっつけ本番ってやつか!」

侵入者達はフロアに出る曲がり角に身を隠しながら、射線を検討した。

「ビームは真っ直ぐだった…。という事は正面。」

「相手も地の利は少ない、一気に攻めるしか!」

「行くぞ!何!?」

「うわぁ!」

侵入者達が射撃される覚悟でフロアに入ろうとした瞬間、ハンドボールの球くらいの大きさの球体物質が近づいてきて、その球体から放射状に発せられた光によって、侵入者達の身体は穴だらけになった。

残りの侵入者達も、何も行動できずに制圧されてしまった。


「横取りしようとするのが甘い考えなんだ。」

第二ゲートフロアから光学スコープで侵入者の状況を確認しながら、小型の銃をしまう男。

「しかし、正々堂々と正面から侵入するなんてな。ビジネスは用意周到にいかなくては。セコい手を使ってでも勝利したら良いんだ。」

第二ゲート横にある端末に手をかざす男。端末は青白く光って、ポンという音と同時にドアの解錠音も鳴った。

「もう一つゲートがあるらしいが、それは回避させてもらう。」

男は別の道具を取り出して、警戒しつつ次のゲートへ向かった。


洋人は爆発を起こした者の行方を予測して、パーク内にある火山とカルデラ湖をイメージしたアトラクションまで来ていた。

火山と湖は人工的に建設されてはいるが、本物に近いくらい本格的に作られており、湖もまるで火山の噴火によって出来たものと見間違うくらい精巧な出来だった。

洋人は湖の周辺に植えられたヤシの木の幹に身を隠しながら、慎重に火山を目指していた。

「久しぶりのスニーキングは大変だ、鈍っている身体を起こしながら行動しなくては。」

スタッフや警察の目を掻い潜りつつここまで来たので、少し余計に時間がかかってしまっている事に、洋人は少し焦りも感じていた。

「…一体何が起こっているんだ?」

火山の頂上に意図的に設置されたアンテナを見つけた洋人は、周囲にスタッフ達がいないかを警戒しながら火山のアトラクションへと入っていった。


「第二ゲートは正常に解錠されたようです。」

一度目の通信からおよそ15分経ったが、ロボットメーカーの待機エリアに侵入者はまだ来ていなかった。

「こちらの応援がそちらに到着するには早過ぎる。他の勢力でもあるのか?」

「そう考えるのが妥当ですよね。第一ゲートを開けた奴らとは別の勢力か、厄介な事になってきているな。」

「残りのゲートはあと一つだけですね?脱出準備はどうですか?」

「今のところ順調に進めてはいますが、焦って情報を漏らしてしまうのは避けたいです。」

「そうですね。しかし、やむを得ない状況になった時は破壊するのも手ですね。」

「それも避けたい気分ではありますね。」

「まあ、技術が盗まれない限りはまた作れます。」

「確かに…。それも止む無しですね。」

「無理はなさらないでください。」

「はい、ありがとうございます。」

「そろそろ、うちの部隊もあちらに到着しそうだ。そちらにも通信を開いておいてくれ。」

「承知しました。こちら787G本部、ガンマチーム、いかがですか?」

通信を開始すると雑音気味の声が聞こえてきた。

「こちらガンマ1。もう少しで到着できそうだ。」

「了解。くれぐれも自分達の身を優先に行動してください。」

「了解。ん、これは何だ?」

「!!」

スピーカーから大きな音が鳴り響き、本部にいても問題が起こったとすぐに理解できた。

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