転生そして確認
「ん……」
意識が浮上していく
さっきまであった心地良さはなく固い地面に個として存在しているのをなんとなく感じた
「ここは……そうか、転生したんだったな……」
目を開き軽く身じろぎすると自分が生きているのをはっきり自覚した
辺りからは風に揺れる木々の音
川の近くなのか水が流れる音
地面からは固い感触とふさふさと柔らかい草の感触を感じた
「どうやらここは山みたいだな」
体を起こしつつ周りを観察するとそこそこ深い森になだらか傾斜が確認できた
「記憶は……何も思い出せないか」
現状を把握するために自身の記憶を探ってみても、白い空間と3人の女神との会話以外なにも思い出せなかった
「まあ記憶がなくても与えられた役目に支障はないか」
呟きつつ立ち上がり改めて周りを見渡すと視界のなかに薄っすらと紫色の粒子が漂っているのがみえた
「これは……そうかこれが星の魔力か」
軽く手をかざしてみてもなにも起きないが、なんとなくこれが魔力であると身体が感じた
「これを集めている魔法陣を見つけて潰せばいいと」
考えをまとめて口にだすとふとした疑問が湧いてきた
「どうやって見つければいいんだ?」
バルはまだ実用には時間かかると言っていたから、とりあえずこの世界を回ってみるしかないのか?
「まあ、それはおいおい考えるとして。まずは自分の種族を確認しなきゃな」
そう。亜人であることはたしかなのだが、見たところ人間にか見えないのだ
身長は175cmくらいで黒髪が肩のとこで切り揃っている。
身体はやや細身でとても力があるように見えない
「どうなってんだ?これでちゃんと頑丈で力があるのか?そして服くらいはくれてもいいんじゃないかな女神さま」
そう、目を覚ましてから今までずっと裸なのだ
暑さや寒さはとくに感じないから頑丈さはあるかもしれないが問題は力だ。
どんな力があるのかわからなければ探索もままならない
「とりあえず、この木軽く殴ってみるか?」
そう言って目にある前の自分胴ほどある木に手を当ててみる
「うん。それなりに頑丈そうな木だね」
軽く触って感触を確かめる。普通の人間ならこの木を殴ったりしたら拳を痛めるだけだろう
「よし。とりあえず軽くいってみようか」
拳を握り軽く振りかぶり木を殴ってみた
ボグンッ!
「………」
結果を言えば拳は無事だった
そして木が倒れるようなこともなかった
ただ殴ったところだけが綺麗に抉れた
「………これならすぐ死ぬようなことにはならなそうだな」
少し呆然としてから切り替えてそう結論付けた
「近くで水の音するし、川でも探してみよう」
そう言って水の音がする方向へ歩き出した
これからは3日に一回を目標に頑張ります。