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プロローグ

死んだ。


それは理解できたけれど、なぜ死んで自分が何者なのかは理解できない。



ただただ白い空間でゆらゆら揺れる。



感覚はないはずなのにとても気持ちがいい。



それは空に浮かぶ雲のになったかのようで



それは海のなかで漂うクラゲになったかのようで



とても長い時が経った気がするけれど



まったく時がたっていないようにも感じる



そんなひどく曖昧なかどれほど漂っていたかわからないけれど


ふと、目の前に女の人が3人現れた。



1人は優雅な純白の羽をもつ純粋な笑顔の金髪のヒト


1人は慈愛に満ちた母のような笑顔の茶髪のヒト


1人は無表情でこちらを見つめている2人より小柄な青髪のヒト



いきなり現れたヒト達に対して、漂っていたワタシはその場に固定されたかのように固まった。


ワタシが固まったのをみて青髪のヒトが話しかけてきた。


「お前に新しい役目を与える」


役目?役目とはなんだ。

ワタシは死んだはず、それはこの曖昧な存在のワタシが確信できる唯一のことなはずだ。


「そう。お前は確かに死んだ。だから新しい世界で新たに生きるための役目だ」


青髪のヒトは相変わらず無表情にただ淡々と決まったかのような物言いで告げてくる


「要するにお前を私達の管理する世界に転生させてある役目を果たしてもらう」


それは決定事項なのだろう。それはいい。

ただ、その役目とはなにをすればいいのか。


「お前には私達の世界の秩序を守って欲しいのだ。私達は空、陸、海をそれぞれ管理することしかできん。その地で生きる者に干渉するためにお前を使徒として投入することにした」


秩序を守る?


「そうだ。昔ある神が世界を作った。そこに人や亜人、魔物などといった生命を生み出した」


「まだ原初のときはよかった。ヒト達はお互いに助け合い、魔物や動植物を糧に皆繁栄していった。」


「だが、成熟していくと争うようになりお互いに縄張りをもうちようになった」


「縄張りをもち争うのも自然の摂理だと理解している、だがここ最近どちらもが滅びに向かっている」


ヒト達が絶滅しようとしている?


「そうだ、人間が魔族を滅ぼそうとし、魔族は人間を滅ぼそうとしている」


「亜人達はどちらかに味方をして、原初からいる魔物は静観を決め込んでいる」


「争うのはいい。だが人間達は看過できない技術を編み出してしまった。」


それが滅びの原因に?


「そうだ、その技術は【勇者召喚】だ」


勇者召喚……


「勇者召喚とは、異なる世界から星の魔力を使い強引に魂を召喚する技術だ。」


「それにより星の魔力の総量が減り、さらに世界に綻びも生じる。」


「このままでは数千年もたなないうちに世界のバランスが崩れて皆滅びてしまう」


「そうならないようにお前に勇者召喚の技術を潰して回って欲しいのだ」


潰して回るということは各地に点在してるということ?


「現状では1箇所だが人間は同じような技術をまた生み出すやもしれん。まだ実用まで時間がかかるが、すでに星の魔力が奪われはじめている」


「お前には星の魔力を感知できる力を与えてその拠点を潰してもらう」


「今ある拠点を潰したら、好きに生きるが良い。」


「ただ、勇者召喚や他に星の魔力に異常がでた場合にそれを解消してくれ」


わかった。


「お前にはそれなりの力を与えるつもりだが望む力はあるか?」


その世界は魔物もいるらしいしそれなりに危険なんだよな?



「まあそうだな。拠点を潰すのにも力がいるしな。ただ、星を壊すような力は授けられんからな」


それはそうだろう

星を守るために送るものに星を壊す力なんて与えるわけない


それなら、健康で頑丈な身体と拠点を潰すのに必要な力をくれるか?


「魔法などの力はどうする?」


最低限で構わない。あっても使いこなせない可能性があるより、単純な力が欲しい


「了解した。種族はどうする。人間か亜人、魔族があるが」


人間と魔族は争ってるなら、そちらにでもつけそうな亜人がよさそうだな


「たしかにな。では適正のある亜人にするとしよう。何か聞いておきたいことはあるか?」


結局あなた達は何者なんですか?


「ああ、まだ話していなかったか。私達は神より世界の管理をまかされた人間で言うところの女神のようなものだ」


「ほら、もう喋っていいぞ」


そう言って青髪の女神は後ろで微笑んでいた2人に振り返った


「もー!お話長いよ!ずっと黙ってろって一言も話させてもらえないんだもん!」


「ええ、もう少し早くワタシもご挨拶させて欲しかったですよ」


羽の生えた金髪のヒトが子供のように頬を膨らませながら文句を言い。茶髪のヒトが困った顔をしながらもお淑やかに言ってきた。


「うるさいぞ。貴様らに話させたら話が長引くうえに女神としての威厳がなくなるだろうが」


「そんなことないよ!ワタシならバーちゃんよりわかりやすくフレンドリーにお話できたもん!!」


「私ならもっと寄り添いあいながらお話できましたわ」



「仕事の話でそんなものいるわけないだろう。それよりさっさと自己紹介して帰るぞ」


バーちゃんと呼ばれた青髪のヒトがため息をつきながら疲れたように言い放った。


一番小柄なのに苦労性の長女みたいだな……


と思っていたらキッっと睨まれた


「うるさいぞ。遅くなったがワタシは海の女神バルだ」


「私は大地の女神ケルです。大変だと思いますがどうかよろしくお願いしますね」


「ワタシは天空の女神イラだよ!ワタシの領域にきたら是非お話しようね!」


バルに続き2人がそれぞれ自己紹介してくれたところでない筈の意識が薄れはじめた


「ではそろそろ転生をはじめる。現地にいる始原のものたちには天啓として簡単に伝えておくから協力するなり好きにするといい」


拠点はどうやって潰せばいい?


「魔法陣に魔力を叩きつければいい。勇者召喚のような精密な魔法陣ならそれで潰れる」


わかった。


返事をしながらも意識はどんどん薄れてもうなにも考えられなかった


「ではよろしくな」


バルがそう言い残してワタシの意識は完全に消え去った。








初めての投稿になります。よろしくお願いします。

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