幸せの記憶
ー西暦6700年某月某日ー
とある人形師が運命を呪った日が訪れる。
青年の名は"ソル"と言う。サラサラと流れる赤紫の髪に碧眼を持ち、少し鋭い眼差しを持つ彼は、本人の知らぬところで女性たちを虜にして歩く。極め付けに、彼は健康そうな褐色の肌と鍛えられた肉体美の持ち主でもあった。
この栄あるアレスティナ王国の最北端に位置するデスターと呼ばれる街で、小さなドールハウスを営んでいる彼には、ただ一人愛する人がいた。
『やぁ、マリア。待たせたかな?』
『いいえ、今きたところよ!』
彼女はマリア。街でも美人と有名な商家の娘だ。色白の肌に緩くウェーブのかかった白銀の髪は、太陽の光で色を変える。サムシングブルーの美しい瞳は、全てを包み込んでくれるような温かな色をしていた。
『今夜は星が綺麗だな』
『この街はアレスティナ王国の中で最も星が近い街って有名だもの。今夜はきっとみんなが起きているわ!』
今日は年に1度だけの特別な日。夜が早く訪れ、普段よりも輝きを増した星達が顔を出す。夜なのにまるで昼のように明るい神秘の日。
この街では、恋人にプロポーズする時は星空の綺麗な日に行うと幸福になれるという言い伝えがあった。だから、ソルは今日に決めていたんだ。
『この辺でいいかな』
『そうね』
丘の上には既にたくさんの人が集まっていた。
『マリア。君に伝えたいことごあるんだ』
ソルは満天の星空の下、マリアの前に膝をついた。
『マリア、僕は君のことを心から愛しています。この先の人生、きっと君を幸せにしてみせる』
『あぁソル、私もあなたのことが・・・・・・』
ソルの告白を受けたマリアのの頬には、流れ星にも負けない程美しい嬉し涙が流れていた。
その時に撮った写真が、二人で写る最後の写真となるなんて誰も思わなかっただろう。この瞬間二人は、世界で一番の幸福を受けていたのだから。
※作者より
見切り発車の初連載小説です。至らぬ点はたたあるかと思いますが、楽しんで頂けるように頑張りたいと思います。
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