表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/138

4.贖罪 <レザト> その③

レザト様がまたぶつぶつ悩んでます。

今回は短めです。

暗がりの中、窓から差し込む青白い月が寒々と周囲の輪郭を尖らせる。

その冷たい光は、私の心の中の懊悩と共鳴するかのようだ。

私は眠ることができず、一人窓辺に佇んでいた。


二人のデートは上手くいったようだと、監視役にやったチェシャから聞いた。

フランソワなら家柄も申し分ない、父親も兄も王国騎士団に所属している貴族の家系だ。

仮にルチカとフランソワが結婚することとなったら、真実がどうであれ団長の婚約者を奪った形になり騎士団での外聞も悪くなる。

そのため、異動させる必要がある。

フランソワなら王国騎士団にもコネがあるため異動は比較的容易だろう。


だが、そうなるとルチカとはもう会えなくなる。


「ルチカ……」


心が痛むほどのざわつきを抑えられず、彼女の名前が唇からこぼれた。

なんのために彼女が幼い頃から、ずっと見守って来たというのだ?

全ては彼女の幸せのためだ。


しかし、成長した彼女を見た時のあの衝撃が脳裏をかすめる。

息を呑むほど美しく、凛とした佇まい。

私を見つめる、透き通った湖面のような水色の瞳、そして切り裂かれた傷。


……思い出せ、己の罪を。

その傷は、他ならぬ私がつけたものだと!


私は月夜に向かって、その冷たい光の下で改めて誓いを立てた。

彼女への罪、その切っ先を私自身の喉笛に向け続ける覚悟を。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ