第1話プロローグ
???「『ハァーハァーハァー』」
薄暗い森の中自身の息遣いと緊張で速くなっている脈打つ心臓音が頭の中で響く、それから今背にしている立木の向かいにいるはぐれゴブリンの臭そうな息遣いで「ウガウガ」と此方を探してるような声が耳を犯す。
1ヶ月前のギフト授与の儀式で授けられたギフトの影響で使用可能装備が限られ手持ちの装備は組合や衛兵隊が訓練で使用して孤児院に払い下げた片手両刃小直剣をモチーフにした使い古された木剣が一振だけ、防壁内雑用依頼の合間に受けた初心者探索者の講習も漸く終わり防壁外依頼〔錬金薬の素材採取〕で浮かれ薬草採り採り川沿い歩いているうちに黒曜等級以下探険者が入っては行けない森まで来てしまっていた。
対して自分を探しているゴブリンは防具その物は貫頭衣に小さな簀のような盾を左上腕に装備しているだけだが武器が少しエグかった刃零れしているが鉄の歩兵長剣と小鬼の身長の倍位長そうな木の槍を背中の背負子に差し
丸木弓を手に持ち歩き回っている。
余りの緊張に魔法金属を含めた全金属素材の装備が使えなくなった原因となったギフトを授与されたギフト授与の儀式の事を思い出す。
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1ヶ月前領都教会前
司教「ただいまよりギフト授与の儀式を開始する名前を呼ばれた者は私の所まで来て神々に祈りを捧げなさい」
シスター「カリメーラ村・ジョエル………」
・・・・
そして30人位から自分と同じ孤児院から来ている者たちが呼ばれはじめそこから5人呼ばれた辺りで自分の名前が呼ばれ他の人達と同じように司祭の所まで移動して神々を模した木像の前に片膝を着き何時ものように神々に感謝の祈りを捧げる。
すると今まで自分の中にあった小さな違和感のような物が解き放たれ誰かの手で頭を撫でられるような感覚があったと思ったら少し強めに背中を叩かれたような衝撃を感じる思わず眼を開けると目の前に青白い半透明の文字が書かれた板があった。
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名前ゼクス・エッジハート
性別 男性
種族混血(父:半魔族、母:半竜人)
年齢 15歳
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[LEVEL-Ⅰ]
アビリティ
<筋力D+><耐久D-><敏捷C-><器用C>
<魔力D-><精神D><神秘A+>
┣
ギフト
┗【魔刃Ⅰ】【魔装Ⅰ】【--】
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そしてそれが大人になった証であり大人にしか見えない物だと理解するのに時間をようしたが後がつっかえているため強制的に修道士達に立たされ退かされ所で記憶が飛び気がつけば同じ孤児院の仲間達と孤児院へ帰る途中だった。
記憶だ飛んでるため現状の確認をしつつ振られた話に相槌を打っていると話題が今日の儀式の事になった、最初にもらったギフトを教えてくれたのは孤児院の長兄役だった人族金髪碧眼のアインスだった。
アインス「皆はどんなギフトを貰えた?僕は【魔法戦士】【属性強化】【集中補正】【合成属性】の4つだったよ」
それに続いたのは半森人族銀髪緑眼のツヴァイ。
ツヴァイ「私は【魔力放出】【弓術】【魔弓】の3つ」
3番目は狼獣人族黒髪茶眼のドライと続き。
ドライ「俺も【槍術】【狩人】【狂化】の3つだぜ」
4番目は兎獣人族桃髪金眼のクワットロに続き。
クワットロ「私は【魔法術】【並列詠唱】2つでありますー」
5番目は半巨人族白金髪緑眼のチンクと続き。
チンク「オレも【暗黒騎士】【魔力放出】2つだなぁ」
最後は半人半竜魔混血褐色肌白髪オッドアイの自分が発表する事になった。
ゼクス「【魔刃】【魔装】【‐‐】枠3つのギフトは2つ?かな」
その後六人でパーティを組んだらそれぞれポジションは何処だとか2週間後の孤児院の退院日までにどうするかとかを孤児院に着くまで話し合い帰路に着く。
それから翌日に探索者組合へ登録、その後の初心者講習中に神々に与えられたギフトは金属素材と相性が悪く装備は出来るが木・石・生物素材を触媒に使用した時と比べ魔力消費が3~10倍位違うことを先輩探索者教えられその事を知ってかなりへんこんだ、しかし魔力系統のギフト持ちは何の因果か他者よりも成長が破格で装備も資金が集めやすい中級以上になればある程度解消されるだろうとの事だ。
そこから依頼の合間現状使用可能な【魔刃】【魔装】の使い方を学び、探索者に必要な知識を学び、資金のやりくりをしながら1ヶ月冒頭の出来事に繋がる。
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成人式後の1ヶ月間の出来事を思い出しているうちに息が整い混乱していた頭も冷静考えられるようになってきた、それとともにこうなった経緯も思い出した、迷い込んだついでに【魔刃】の触媒の有無を交互投げナイフや投擲槍、投擲斧の練習、皆の前では出来ないしステイタスウインドウに写らない種族能力の練習をしていると投げた投擲物が当てるべき目標を外し流れ弾が自分の練習の音で寄ってきたゴブリンの足に命中して手傷をおったせいで追いかけ回されることになったを思い出した。
幸いなことに現在はゴブリンは此方を見失ってはいる、ただし向こうは生来のサバイバリストであり戦士、小さい音も聞き逃さないのかここから少し離れた位置を進んでいる生物の足音にも反応してそちらに弓を向けるレベル、此方がうっかり小枝を踏み音を出したりなんてしたらこちらの身が危ない。
なので先手必勝とばかりに木剣と左腕に魔力を流し込み【魔刃】で木剣の刀身に魔力の刃を形成し、しっかりと生成出来たか確認をしたら隠れている木から飛び出しゴブリンまで一気に駆け寄る、すると予想通り小鬼はこちらを向き、弓は間に合わないと直ぐに判断し直ぐに地面に弓を捨て背負子から歩兵長剣を引き抜きそのまま振り下ろすように片手袈裟斬りを仕掛けてくる。
しかし相手の袈裟斬りより先にこちら右薙ぎがゴブリンの右肘に命中、けれど後1歩分足りなくそれに片手両刃小直剣の長さでは完全に切り落とすまでにいかなかったけれど歩兵長剣を落とす事のは成功した続けざまにこちらが両手での右袈裟斬り⇒一文字斬り⇒左袈裟斬りの3連撃したところで木剣に纏わせていた【魔刃】が砕けた。
やはり先輩探求者の言う通り実戦で使用するにはlv.1の<耐久D-><精神D>では【魔刃】の耐久強度がやや足らないようだった、まずいと思いバックステップで距離を離しゴブリンを目を離さないように気を付けながら木剣に魔力を籠め直すのに時間を稼ごうと思ったがゴブリンは1mmもピクリとも動かず落ちていた歩兵長剣を拾いゴブリンの胸部を軽く刺突してみるとその衝撃でそのまま倒れた。
一先ずゴブリンを討伐出来た事に安堵すると1拍遅れてゴブリンから出来きた何かと霧散した自分の魔力が自分に取り込まれる感覚がした、すると儀式の時と同じように突然ステータスウィンドウが表示れた。
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ギフト▽
【魔刃Ⅰ】━[剣刃Ⅰ:槍刃Ⅰ:斧刃Ⅰ]
┗特性[鬼0.25]
【魔装Ⅰ】━[兜Ⅰ:盾Ⅰ:胸甲Ⅰ:籠手Ⅰ:脚甲Ⅰ]
┗特性[鬼0.25]
【--】
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どうやら死亡した魔物から放たれる魔素と砕けた魔刃を取り込むさいに種族因子のような物を吸収出来るようだ、先輩からは魔力操作系統ギフト保有者は経験値に補正がかかるとは聞いていたが種族因子も取り込めるとは思いも知らなかった、恐らくは自分の種族特性だと思いたいが現状は竜人も魔族も自分以外で見たことは無いホントに自分の両親は何処で会ったのだろうか?
孤児院長やシスター長からは両親共に高階級の探索者だったらしいとは聞いていたけど迷宮内で転移罠にかかり迷宮の最奥か世界の何処に飛ばせれて行方が分からないとしか聞いていない。
<筋力>:物理攻撃、瞬間速度、装備・保有重量、最大生命力Lpsに関連するステイタス。
<耐久>:物理防御、身体強度、装備・保有重量、最大生命力Lps身体系統状態異常耐性に関連するステイタス。
<敏捷>:物理・魔力回避、疾走速度、近遠距離の攻撃速度、最大体力Spに関連するステイタス。
<器用>:物理・魔力命中、罠・鍵の解除、製作物の品質、最大体力Spに関連するステイタス。
<魔力>:攻撃魔力、最大魔力量Mpに関連するステイタス。
<精神>:回復魔力、魔力防御、最大魔力量Mp、精神系統状態異常耐性に関連するステイタス。
<神秘>:ドロップ率が上がりや隠された宝物や罠等物を発見しやすいなるステイタス。