6 高校1年生 4
美里に話を聞いてもらえず、意気消沈していた俺に追い打ちをかけるように、美里の当たりが強くなっていった。
昼休みはいつも美里は御堂、それぞれの友達のカップルの4人で昼食を摂っていた。席は離れているが、話は聞こえてくる。
「美里はまだ幼馴染君と遊んだりしてんの?」
チラッと御堂が俺に視線をよこしながら美里に尋ねる。
「高校入ってからはないよー。付き合い悪いし、暗いし、成績も悪いし。ダメ男だよねー。」
ダメ男か…。美里に言われると心が折れそうになる。
「ダメ男!いいね!美里、あだ名付けんの上手いじゃん!」
ダメ男があだ名かよ…。
「ねぇ、また4人で遊びに行こうよ!」
「いいね、どこ行く?」
美里と御堂の友達カップルが楽しそうに話題を振る。
そうか、この間は4人で遊んでたのか。
美里はもう俺の事はどうでもいいのかな…。
そう思ったが、まだ俺は諦めきれずにいた。
この恋が叶わなくても、ただの幼馴染だったとしても美里の隣に居れるよう努力はしようと思っていた。
「この間は送ってくれてありがとね、武志。」
「あぁ、また遊びに行ったら送ってくよ。美里さえよければ。」
「優しいね、武志は。あ~あ、武志が幼馴染だったら良かったのに。」
…この言葉を聞くまでは。