10 美里side 2
和也を散々馬鹿にしていた頃、私の仲のいい友達が御堂武志の友達と付き合いだしたのを切っ掛けに4人で遊ぶようになった。
何回か遊びに行ったこともあり、武志と名前で呼び合うようになった。
本当はちょっと抵抗あったけど、雰囲気悪くするのもなぁと思い受け入れた。
そんなある日、4人で遊びに行った帰りに武志に家まで送ってもらうことになった。
家に入り暫くすると和也が家にやってきた。
話を聞くと、武志に悪い噂があるとか。そんな事気にしてないで和也はもっと努力しなさいよ!
頭に血が上り最後まで話を聞かなかった。和也が人の悪評を吹聴するなんて…。
気が治まらなかった私は次の日言ってはいけないことを言ってしまった。
「あ~あ、武志が幼馴染なら良かったのに。」
結果的に和也は正しかった。
その後また4人で遊びにカラオケに来ていた。
暫く皆で交代で歌っていると私の友達とその彼氏がトイレに行くと言って部屋から出て行った。
気にせず歌っていると武志が急に後ろから覆いかぶさってきた。
「何するの!?やめて!」
「いい加減お前に時間かけるのもウザくなってきたからさぁ。そろそろ俺のモノにしてやるよ。」
「ふざけないで!本当にやめてよ!」
「静かにしてろよ、アイツらも知ってんだよ。助けは来ねぇよ?」
「えっ?噓でしょ?」
「本当だよ。いま外で見張ってる。」
「い、嫌っ!嘘、皆グルなの?酷いよ!」
「そういう事だから諦めろよ。」
ショックで動けないでいると武志も上機嫌になり力が緩んだ。
私を振り向かせようとした時力が緩んだのを見計らって思いっきり武志の股間を蹴り上げた。
変なうめき声をあげて沈み込む武志を横目に無我夢中で外にいた2人を突き飛ばし家に逃げ帰ってきた。
明日からどうしよう…。友達だと思ってたのに…。
和也、ごめんね…。和也の言う通りだった…。
そうだ…。和也に謝らなきゃ。話も聞かずに怒って、酷いこと言って…。