46話 冬の終わり
犯人が捕まって1週間が経った。
ソニアの遺体も埋葬され、本当に事件は終わったようである。
あれからヘクターは本当に改心してしまったようで、素直に警察に犯行手口や動機を語っているという。
ジミーや牧師さんも足繁く警察に通い、ヘクターの事も気に掛けているようだ。ヘクターの罪は重いが、ジミーや牧師さんがいるから安心である。
「やっぱり犯人はヘクターだったのねぇ…」
クラリッサが編み物をしながら呟く。
クラリッサの屋敷のリビングで、プラムやクラウスが集まり、お茶を楽しんでいた。のんびりと平和なお茶会で、つい1週間前まで事件があった事が嘘みたいである。
「そうね。ジミーが可哀想ね」
プラムはブラックティーを啜り、呟く。
「でも大丈夫よ。牧師さんも居るし、何かあったら村のみんなでジミーを見守りましょう」
私はつとめて明るく言う。せっかく事件も解決したし、あまり暗い雰囲気にはなりたくなかった。
「そっか。この村の人達は意外といい奴らだな」
クラウスは、すっかりこの村に馴染んでしまっていた。もう暗殺者に狙われていないが、結婚を逃げるため、今のところ帰るつもりは無いらしい。
それどころかこの村のアパートも契約してきたようで、本格的に住むらしい。元々はカーラが住んでいたアパートの部屋に引っ越しも決まっている。お人好しのこの村の人達を気に入ってしまったようだ。
「クラウスは本当にこの村に住むのね?」
クラリッサは上品に微笑みながら言う。
「うん。マスミが振り向いて貰うまで、僕は諦めないよ!」
そんな事まで言っている。あれ以来、私はハッキリ・キッパリとクラウスのは興味が無いといっていたが、逆にこの態度がクラウスに火をつけてしまったらしい。どうもクラウスは、ちょっとマゾっぽい体質の持ち主のようで、私が教師モードをだして叱ったりすると、逆効果になってしまった。
「いや、もう早く実家に帰ってくれないかな…」
私が呆れて言ってもクラウスは全くへこたれなようだ。意外とメンタルが太い。
「嫌だ!」
クラウスは子供のように口を尖らせ、一同は笑いに包まれる。
窓の外を見ると、少し日差しも柔なっていた。もう雪の面影はどこにもない。もうすぐ春のようだ。春を告げるようの鳥の鳴き声も甲高くなっている。
「もうすぐ春ねぇ」
クラリッサはしみじみと呟き、編み物をを終え、カゴに針や毛糸を戻した




