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36話 カオスです

 牧師さんがアラン保安官を呼んでいる間私はブラッドリーを宥めつつ、少し質問してみる事にした。やっぱりこの男が怪しい。この男なら銃も簡単に準備できるし、動機もある。こんな遊び人の男であるし、ソニアと揉めていても不思議ではない。


「あなた、さっきまでどこにいたの?」

「デレクのカフェでずっと仕事に必要な資料を読んでいたよ」


 という事は、アリバイがある?

 デレクは嘘をつくとは思えないが、一応後で確認は取ろう。


「変な質問いい? あなたって女装癖ある?」

「はあ? 女装? 何で男が女の格好をしなくちゃいけないんだ?」


 私の突飛な質問に、ブラッドリーは逆に冷静になってきたらしい。


「何で女装なんか、気持ち悪いな。どういう意図で質問しているんだ?」

「いえ、いいの。忘れて」


 この様子だとブラッドリーは、女装癖などは無さそうである。嘘をついている可能性もおお大いにあるが、「女装が気持ち悪い」だなんて当事者は言えるだろうか。明らかに差別的な言葉で、苦虫を噛み潰したような顔を見せている。ブラッドリーが女装癖があるように見えない。


 となると、私がしていた推理は辻褄が合わなってきた。

 再び犯人の手がかりが、消えてしまった。本当にこの事件については、さっぱりわからなくなってしまった。


 私は、ブラッドリーが落ち着いてきた隙にソニアの身体の周りに散らばった紙を拾い上げ、中身を確認する。


 本当はあまり動かさない方がいいのだろうが、どうせアラン保安官は捜査しないだろう。悪いと思いつつ、紙の中身を読む。


「なんだ、これは?」


 ブラッドリーも覗き込んできた。


『もう絵が描けない。

 傑作なんて描くんじゃなかった。

 次の作品描くのが辛いじゃない!』


「愚痴っぽいけど、何だ、これは?」

「ちょっと待って。もう一枚見てみるわ」


『もう描けません

 疲れた ソニア』


 そう書いてあった。ただの愚痴には見えず、「遺書」という言葉が、頭に浮かぶ。


「違う! ソニアは自殺なんてするもんか!」

 再びブラッドリーは絶叫した。

「そんな…」


 私も自殺には思えない。人前でも手を抜かずぶりっ子するような女である。どう考えても自殺じゃない。ただ、ソニアの側には拳銃も落ちているし、この遺書のようなメモも気になる。


「ブラッドリー、ソニアは何か悩んでた?」

「結婚には悩んでたさ。俺が遊び人だったからな…。でも自殺なんてあり得ない!」


 ブラッドリーは悲しみから怒りを滲ませている。私もやっぱりソニアが自殺そたと思えない。


 それにソニアは謎の女と接触していたはずだ。この女かた何かを知って殺された?


 私も少し冷静になってる。ショックとはい死体を見るのは5回目だ。慣れやしないが、もう一度モニカの事件から考える。


 ・謎の女は女装癖がある男


 これだけは、自分の中でハッキリしていた。この様子だとブラッドリーはそうに見えない。ソニアを殺してノコノコ現場の残るとも思えない。


 ソニアとモニカの事件もおそらく関係があると思う。ブラッドリーの周辺人物が二人も殺されるのは、偶然としては出来過だ。


「あなた、モニカとソニアの共通点わからない?」

「そんなのわからないよ…!」


 共通点に一つであるブラッドリーは、そう言うが、やっぱりこの男が鍵のような気がした。


「この絵の女性について何か心当たりは無い?」


 私は、クラウスが描いた謎の女の絵を見せる。すると、ブラッドリーの表情は、氷のようの固まった。


「何か知ってるのね?」

「いや、まさか…」


 ブラッドリーは口をつぐんでしまった。まるで警察のように尋問し過ぎてしまったのかも知れない。


 ちょいどその時、アラン保安官と牧師さんもやって来た。しかもジェイクも居るではないか。


「ジェイクと偶然会ったんだよ」


 牧師さんは説明するが、さすがに参っているよいだった。


「ああ、ソニア!」


 ジェイクはその場で崩れおれてた。カーラの死体を見つけた時はあんなに冷静だったのに。やはり好きだった女の死は相当なダメージを与えたらしい。


 なぜかアラン保安官も号泣。つられてブラッドリーも再び泣き始め、現場はカオス状態になってしまった。


 無能なアラン保安官は、当然のごとく職務放棄。


「こんな美女の事件なんて扱えない!」

「いや、美人とか関係ありますか?事件調査しないんですか?」


 私がツッコミを入れると、アラン保安官は深く頷く。なぜ泣いているか不明であるが、事件調査をしたくないという事はありありと伝わってくる。


「もう、またマスミが事件調査すればいいじゃないですか。どうせモニカの事件も調べていたんでしょ」


 牧師さんが苦笑しながら、フォローを入れる。


「このカオスの状況は私がなんとかしますから、この家を探してみては?」

「牧師さん、いいんですか?」

「まあ、保安官自体がそう言っていますしね」


 優秀な警察がいる日本だったら絶対にありえない状況であるが、やはりここはコージー村。私はこの状況に甘えて、この家を探る事にした。

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