28話 子供たちから手がかりゲット!
アビーとジーンに田舎パン、それにジャムによく似たジュースペーストを出してやる。これなら子供も食べられるお子様メニューである。
不機嫌だった二人はこのメニューに一転して機嫌がよくなっていた。そういえばアビーとジーンは、田舎パンを好き嫌いしていた事を思い出す。芋粥や田舎パンも好き嫌いしていた自分は食べ物については二人を怒る資格は無いだろう。やっぱり食べ物の好き嫌いは子供じみた行為だと思わされる。
「マスミは事件また調べているの?」
「どこで知ったのよ、アビー」
「みんな噂してたよ!」
無邪気にアビーは笑っていたが、やはりこの村の噂の広がりは早いようである。
「ところでアビーやジーンは、怪しい人とか見たりしていない?」
「怪しい人?」
ジーンが首を傾ける。子供だから大した情報は期待できないが、何か知っている可能性もある。それぐらい今の私は、手がかりが全く無い状況だった。
「知らない女の人は見たよ」
ジーンが言う。やっぱり子供だからと言ってスルーできない。私は、メモ帳とペンを取り出す。
「どこで見た?どんな女だった?」
「昨日湖の近くで雪だるま作っている時に見たような?なあ、アビー」
「うん! 背の高いお姫様みたいだった!」
アビーが思い出したように目をキラキラとさせていた。
「すごい綺麗な女の人!」
この村の女性陣には失礼だが、美女はこの村にはいないし、謎の女はおそらく村人では無さそうだ。
私はポケットからクラウスが描いた絵を広げて見せる。
「こんな女だった?」
「わかんない!」
「知らない!」
二人は子供の癖に絵が下手くそだとか、一丁前に批評しはじめた。思わず苦笑してしまうが、微笑ましくはある。
「だったらあなた達も絵を描いてみてよ、その女の人を」
アビーやジーンは絵を描くのが好きなので、私の提案にノリノリに乗ってきた。
自由帳を2階の自室からリビングに持ってくると、熱心に書き始めた。やっぱり好きな事をやっている二人は、楽しそうである。二人ともヤンチャではあるが、絵が描くことも好きでマークの事件が解決した後は、同じく絵が好きなリリーに懐いていた事を思いだす。そういえば画家のソニアには全く懐いていない。
まあ、ソニアには子供に好かれる要素が見当たらないが。私が子供だったとして、リリーとソニアが目の前にいたら、朗らかなリリーの方に行きたくなると思う。
「絵、できた!」
「見てみて、マスミ!」
二人とも絵が完成して、ドヤ顔で私に見せてきた。
「あら、上手じゃない」
子供らしい絵ではあるが、下手では無い。確かに背の高いちょっとヒラヒラした服装の美女が書かれいる。マリー、クラウスがいう謎の女と同一人物とみて良さそうだ。
「この男は誰?」
アビーの絵には、男の人の絵が描かれていた。かっちりとしたオールバックにスーツ姿の男である。どこかで見た事あつような?というかブラッドリー?
「この女の人と一緒にいたんだよね、ジーン」
「うん! 仲良さそうだった!」
「ねえ、二人ともどんな感じに親そうだった?」
これは気になる情報である。子供の情報とはいえ侮れない。
「夫婦みたいだった!」
「恋人かも知れない!」
子供の情報を鵜呑みにするわけにはいかないが、謎の女とブラッドリーが関係がある事がわかった。謎の女は、ブラッドリーの遊び相手の可能性が大いにある。
・謎の女とブラッドリーは遊んでいた?恋人同士の可能性もある?
・謎の女が犯人?
・動機は嫉妬?こも女にもモニカを殺す動機は十分ある。
まだ何もわからないが、この謎の女を探す事が先決の様である。




