24話 異世界でも現代日本と似たような問題があった件…
ジミーでの家での仕事が終わった後、ネルとミシェルが一緒に歩いているのが見えた。
ミシェルはまだ王都に帰ってなかったようである。おそらくこの雪で足止めになってしまったのだろう。
「ミシェル、こんにちは!」
「ああ、マスミか」
「こんにちは」
ネルは孫のミシェルに一緒にいるのが、嬉しいのかいつもより機嫌が良さそうである。二人は、一緒にデレクのカフェに行った帰りだと言う。新作の試食でティラミスを食べ、かなり美味しかったと二人とも絶賛していた。この様子だと、村にティラミスブームが来るのが近いだろう。
「アンナのカフェは気分悪かったけど、デレクのカフェはいいな」
「ミシェル、もうあんまり杏奈先生の事を悪く言わないでよ」
「ま、しょうがないよ」
ミシェルは無邪気に笑っていたが、仕方ない。
「ところで、マスミはまた事件について調べているのね?」
ネルも好奇心満ちた目で尋ねる。おそらくカフェで村の女性陣が私の噂をしている事だろう。
「まあ、ちょっと気になっているだけよ。ミシェルやネルはモニカ殺人事件で気になっている事はない?」
「さぁ。私はわからないわ」
予想通りネルは何も知らない様子だった。
「でも、嫌ね。またこの村でも殺人事件が起きそう」
「まあ、この村は治安悪すぎだわな」
ミシェルは大笑いしていたが、私はとっとも笑えない。
「俺も何も知らないけど、王都でブラッドリーの評判はあんまり良くないぜ」
「本当?」
ブラッドリーの人柄などはよくわからないが、さっき聞いたヘクターの話が事実だとしたら評判が良くないのも頷ける。
「うん、仕事は出来るけど女関係が乱れているそう。嫌なやつ!」
ミシェルは吐き捨てるように言った。ミシェルは牧師を目指すほどのクリスチャンだし、同性としてもブラッドリーに良い印象は無さそうだった。
「モニカと何か揉めてたとか噂無い?」
「それは聞いた事無いけど、 手当たり次第っていう噂は聞いたね…」
「手当たり次第?」
「男でも女でもOKらしいよ。気持ち悪!」
ミシェルは世にも恐ろしいものを見たかのような表情を見せた。
「こんな話して気持ち悪くなったよ。じゃあな、マスミ」
「またね、マスミ」
「ええ、ミシェルもネルもありがとう」
私は二人が去っていくと事件を記録しているメモ帳を取り出す。
・ブラッドリーは男とも女とも遊んでいた?
想像すると気持ち悪いが、ありえない話では無いだろう。元いた世界でも同性愛は問題になっていたのを思い出す。テレビや漫画では同性愛を美しく描かれているのもあったが、現実はそうでもないらしい。友達の友達が同性愛者と聞いた事があるが、常に恋人同士で揉めていると聞いた。同性愛の恋愛を見て楽しむ、いわゆる腐女子も当事者からは嫌われれいるようだ。現実はそう甘くは無い様である。
確かにブラッドリーが遊んでいて、モニカともそうしていた事がわかったが、この事は事件と関係ある?ますますソニアに動機がある事が証明されてしまった気がしてならない。
私はソニアが犯人だとはどうしても思えないが、今の段階では信頼する事も出来ない。とりあえずソニアに話を聞く事に決めた。




