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17話 謎の男も!容疑者だらけ!

 アナ、リリー、マリーやローラも仕事があるとデレクのカフェから帰って行ってしまった。


 クラリッサとプラムも編み物がひと段落ついたと、カフェのメニューをいくつかテイクアウトして帰って行く。


 他にカフェに人はなく、デレクも厨房で何か新しいメニューを研究中。


 私はブラックティーを飲みながら、事件ノートを書き込む。


 窓の外はいつの間にか雪が降っている様だが、店内は暖かい。ブラックティーが入ったポットもティーコーゼーが被せられ、なかなか冷めない。ちなみにこのティーコーゼーはアビーとジーンが店の開店祝いに手作りしたものである。花柄の布を使っていて、てっぺにはポンポンも付いていて華やかだ。この光景だけ見るとこの村が殺人事件だらけである事が信じらて無い。


 ●ブラッドリーの秘書・モニカ殺人事件

 王都のホテルで撲殺。王都の警察が調査中だが、なぜか村に関係者の男が二人も来ている???


 ●容疑者

 ・ブラッドリー

 ホテル王のイケメン御曹子。モニカの上司でもあり、ソニアの婚約中。ソニアによればモニカと遊んでいた。何かトラブルがあってもおかしくない。


 ・ヘクター

 パイロット。ブラッドリーの知り合いに様だが、ソニアにヤジを飛ばしていた。ジミーに親戚であるが、どうも胡散臭いイケメン。


 ・クラウス

 隣国の王族。プラムと知り合い。ブラッドリーと知り合いの様だが、今のところモニカを殺す動機は見えない。


 ・イアン

 この国のイケメン舞台俳優。ブラッドリーの知り合いらしいが、クラウス同様モニカを殺す動機は見えない。


 ・ソニア

 ブラッドリーの婚約者で画家。ジェイクの元婚約者でもあり、村の女達から嫌われvらいる。モニカに嫉妬して殺す動機は考えられるが、撲殺は力の弱い女性がすると思えない。


 ・謎の女

 背の高い美女。マリーが役所の近くで目撃。事件と関係ある?



 村の人達はアリバイがあるだろう。事件があった時、王都にいたものは誰もいない筈だ。しかし、ジェイクの事は気になる。モニカに動機を持っていなくても、ブラッドリーやソニアには何か恨みを抱いても不自然ではない。犯人では無いにしても何か知っているかもしれない。


 一応ジェイクについても話を聞きに行ってもいいだろう。それにソニアのおかげで再び落ち込んでいると聞く。こんな恋愛脳だったとはガッカリだが、様子を見に行ってもいいだろう。


 ちょうどそこに羊飼いにチャドがカフェに入店してきた。肩や帽子の上にも雪が積もっていた。外の雪は意外と強いらしい。室内にいると気づかなかった。


「寒いー!」

「チャド、唇が真っ青よ。温かいこっちでお茶でも飲みましょう。デレク、チャドにお茶持ってきて」


 私は厨房にいるデレクに大きな声をかける。


「わっかった!」


 返事があり、間もなくテーブルにブラックティーが運ばれて来た。


 チャドはフーフーとブラックティーを冷ましながら飲んでいた。素朴な雰囲気のチャドはこんな仕草がよく似合っていた。


 寒がっていた様だが、お茶を飲んで落ち着いた様である。


「外、雪すごいの?」


 デレクが聞く。もうこの雪で客が来るのは、見込め無いだろう。デレクは砕けた雰囲気でチャドの隣の椅子に座った。


「うん、なんか電車も止まっているみたい。しばらく食糧とか買い置きして置いた方がいいよ。この雪で物流が大混乱だってさ」

「えー、そうなの…」


 この土地は雪に慣れていないのか、ちょっと混乱している様だった。クラリッサに屋敷の食糧庫を思い巡らすが、まだまだ大丈夫そうではあるが、心配ではある。それでも一応帰りはミッキーのパン屋でいくつかパンを買って帰ろうと思う。


「マスミ、何これ? 何語?」


 チャドは日本語が書かれた事件ノートを見て目を丸くしていた。私は英語でコミュニケーションできるわけだが、思考は全部日本語にそている。本当は英語能でいた方が良いんだろうが、発する言葉もまず日本語で考え英語に直す。日本語思考の方がかなりスピーディに出来るので、実はこっちの方がスムーズに英語を話せる。今更ネイティブ並に英語を話そうという大きな野望はない。ジャパニーズイングリッシュでどこが悪いと開き直っていた。


「私が元いた国の言語よ。これで事件について書いているの」

「それは良いね。もし犯人に見られても読めやしないじゃん」

「そういえばそうね。その発想はなかったわ」

「おいおい、マスミ。今まで気づかなかったのかい?ちょっと抜けてないか?」


 デレクがそう言ってこに場に笑いが包まれる。


「チャドは最近どう? ソニアの事は?」


 私は気になっていた事を聞く。


「うん、まあ。ちょっとは諦められて来たよ。デレク、何か美味しいもの無い?」

「新作にティラミスはどうかい? 落ち込んでいる君にピッタリだと思う。濃厚なチーズのお菓子だよ」

「気になるな、それを頼むよ」


 とりあえずチャドは元気そうだった。ソニアの事が好きなんて女の趣味は悪いと思うが、こうて元気になって居るのなら何よりである。


「事件かぁ。そういえば、僕は不審な男を見たよ」

「不審な男?」


 謎の女に不審な男。殺人事件は起きていなう様だが、やっぱりこの村の治安は悪いらしい。日本の治安が良すぎただけかも知れないが。


「うん。しかもクラリッサの屋敷の方をウロウロしていたよ。何か関係ある?」


 クラリッサの屋敷の近くにいるなんて不安だ。モニカの事件とは関係なく、これは注意を払わないと。


「どんな男だった?」

「金髪で綺麗な感じの人。最初はジェイクかな? とも思ったけど、違うっぽい」


 ジェイクに似たイケメン?


 そんな男がいたらこの村の女達が放っては置かないだろう。その点は安心ではあるが、村に闖入してきたこの謎の男も気になる。


 ・村に謎の男。クラリッサの屋敷の近くにいる?事件との関係性は?


 私はノートのこう書き、帰る事にした。ミッキーのパン屋にも行こうとしたが、全部売れきれだったようだ。ミッキーのパンにファンであるダニエルに会ったが、この雪で心配だとパンを買い込んだと言っていた。


 仕方がない。


 私はパンを買うには諦めて、クラリッサの屋敷に直行した。

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