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13話 事件発生in王都

 王都から帰ってきた翌日。予想外の事が起きていた。


「え!? ブラッドリーの秘書のモニカが死んだの?」

 朝、クラリッサの屋敷で朝刊を受け取り、一面を見ると目玉が飛び出そうだった。


 この土地にはスマートフォンもネットも無いので新聞が大きな情報源だった。


 私は慌てて屋敷に戻り、クラリッサysプラに新聞を見せた。二人ともリビングでブラックティーやリコの茶を呑気に啜っていたが、この知らせには驚いていた。


「どう言う事? モニカが?」


 ショックを受けている私と違ってクラリッサやプラは落ち着いていた。


 私も二人を見ているとだんだんと冷静になってきた。ブラックティーをポットからマグカップに注ぎ、一口飲む。


「へぇ、ブラッドリーの秘書のモニカはあのホテルで亡くなったのね」


 プラムは新聞記事を読み込み呟く。


「頭を殴られていて、他撮影と見られるか…。現在、王都の警察が調査中だって。まあ、コージー村の保安官のアランよりは信頼出来るわね」


 ここでプラムとクラリッサは大笑い。笑い事では無いが、頭の中でアラン保安官のボヤっとしていかにも無能そうな表情を思い浮かべると、私もつい笑ってしまった。


「それにしても、誰が犯人なの?」


 他人事なので、クラリッサは好奇心いっぱいだった。まあ、コージー村で起きた事件でも無いし、被害者のモニカについてもよく知らない。推理をしてみたくなる気持ちはわかる。


「モニカの上司のブラッドリー、会場でヤジを飛ばしていたヘクター、隣国の王族のクラウス、そして舞台俳優のイアン」


 私はスラスラと会場にいた怪しい連中の名前をあげる。別に推理をしたいわけではないが、杏奈先生、カーラ、マークの事件を調べていた為、自然とそんな発想になってしまった。さすがに事件ノートは書かないが。


「イアンが犯人なわけないじゃない」

「それは何故ですか?クラリッサ」


 プラムは冷静に突っこむ。


「だってあんなにイケメンなんですもの」

「そのなの理由になりませんって」


 プラムはため息を吐く。


「でも、イアンに動機はないでしょう。動機があるのは、ブラッドリーやヘクターじゃない?ヘクターはあの様子だとブラッドリーと揉めて、秘書のモニカとも何かしらトラブルがあってもおかしくない」

「そうね、マスミ。それに動機だけだったらソニアにもあるわよ」


 プラムは冷静だった。確かにソニアもモニカを殺す動機はある。ブラッドリーがモニカと女遊びをしていたとしたら、十分考えられる。でもあのソニアが人殺し?何となくイメージが違うし、撲殺という行動を取るかどうかもわからない。


「しかし、王都で殺人事件があるとこんな風に一面になるのね」


 クラリッサはしみじみと呟く。


「コージー村だってちょっと前は、『コージー村速報』で大騒ぎしていたのにね」


 プラムもクラリッサに同意していた。『コージー村速報』はこの村の広報誌で、村役場から不定期刊行されている。


「もう殺人事件なんて慣れてしまったのよね」

「そうね」


 クラリッサとプラは、苦笑していたがさすがにこれは笑えない。


 私は暖かいブラックティーを啜りながら、もうこの村で何も無い事を願う他ない。


 殺人事件など慣れたくないものだ。

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