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 マナは潜入前にパーナマイト城の様子を探る。


 パーナマイト城門前には、門番が数人立っている。

 彼らを魅了しようとマナは一瞬思ったが、難しいと考え直す。

 魅了は二人以上を対象にするのは、難しい。

 一人味方に付けても、ほかの者は味方になっていないのでは、意味がない。仲間を呼ばれて、捕らえられる、もしくは殺されてしまう。


「やっぱり魔法を使うしかないね」


 マナは魔力を操り、魔法を使用した。


「ミラージュ!」


 光の膜がマナを包み込む。

 

 ミラージュは、他人から見た自分の姿を自由自在に操れる魔法だ。

 透明に見せることも出来れば、翼族の兵士に見せることも出来る。


 今マナの姿は、ほかの者からは見えなくなっている。


(兵士に扮して侵入するのは、リスクがあるかもしれない。まずは透明になって、門が開いたのを見計らって中に入ろう)


 そう考えて、しばらく門の近くで待機する。


 城門は、食料などを外部から補給する際、必ずいつか開ける必要があるので、その時を待っていた。


 下手したら長時間待つ羽目になるとマナは思っていたが、ちょうどいいことに数名の兵士たちがやってきた。何やら軽い傷を負っていたり、服を汚れていた。

 外で魔獣や野盗を退治してきたのだろうと、マナは予想する。


「ご苦労様です!」


 門番がそう言いながら、門を開く。


 ――今がチャンス。


 マナはパーナマイト城へと潜入試みる。


 姿が見えていないので、あっさりと門を通ることが出来た。


 マナは、人が少ない建物の裏を探して、一度そこに隠れた。


「ふー成功したね」


 ほっとして額にかいた汗をマナ拭う


(これからが大事だね。この城にいる偉い人を探して魅了しないと。どこに偉い人がいるのか、ミラージュで兵士の姿になって、尋ねて回ろう。中にいる兵にはそれほど警戒してこないはず)


 マナは再び、ミラージュを再び使用。

 これで周りからは城の中にいる雑兵に見えるだろう。


 マナは情報を集めるため、城を駆け回った。




 マナはまず兵士に話を聞こうと思ったが、どう質問するか少し悩む。


 偉い人がどこにいますか? と率直に尋ねても、簡単には教えてくれないだろう。怪しまれる危険性もある。


「しかし、エマ様はしばらく表に出られないとは、何があったんだろうか」


 兵士の会話が聞こえてきた。

 マナは尋ねずとも、気づかれないように会話を聞いていれば、ある程度情報を入手できるだろうと思い、聞き耳を立てる。


「さあ……? でも、俺たちに命令するのが、エマ様でもドールット様でも、やることはあまり変わらないしな」

「それはそうだけど、気になるだろ?」


(……エマは恐らくしばらくの間、儀式を全力でとり行うから、指示を出したりは出来ないんだろう。その代わりにドールットってのが指示を出しているんだ)


 マナは聞いた話をまとめてみる。


 元々色んな家臣を魅了して、味方を増やした状態で、攻め込むつもりだったが、エマの代わりをドールットが務めている場合は、ドールット一人を魅了すればそれで大丈夫なのかもしれない、とマナは思った。


 ――これはドールットを魅了しないとね。


 マナはドールットがいる場所を尋ねてみることにした。


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