第67話 シーガン戦の決着?って感じ
予約投稿した気持ちで居ました…………。
ニールは相変わらず上空にて地上を睥睨していた。
その視線はマーサ女王と相対するシーガンへと向けられていた。
(カートス強過ぎるだろ。あの強さってスラメブルから来てるのと、多分過去に行ってるよなー。いつ行ったんだか。それに…………)
珍しく眉間に皺を寄せて考えるニールは、シーガンに起きた異変をおかしいと考えていた。
明らかに強くなり過ぎている。
体中に紋様が浮かび、紅いオーラを纏うにまで至っている。
先程までは互角に戦えていたマーサ女王だが、今はシーガンの拳打を捌ききれずに被弾数が上がっている。
(アレも強過ぎだよなー。ステータスを見れる様にはなったけど、軒並み1万を超えた位だし。今のマーサも1万位は有るから大丈夫だと思うけど、負けるよなー…………絶対それを楽しんでるってのが、ね)
シーガンの拳打の威力は、地上で爆発が起きたかの様に大地を抉り、彼方此方で轟音を響かせている。
この世界でステータスが5000に届けば十分強者、もしくは英雄と言われるのを思えば、二人の戦いは人外同士の為、クレーターだらけになるのも頷ける話だ。
…………まぁ、ニールに至ってはそれすらも超えて、文字通り桁が違うのだが。
たが、ニールが不思議に思っているのはそんな2人、特にシーガンの方だ。
ステータスがほぼ互角なら、時折魔法を放つマーサ女王が有利に成るはずである。
今も距離を取る為に放った火球を、虫を払うようにして弾くシーガンは異常と言って良いだろう。
暫くその戦いを見ながら考えていたニールだが、フッと息を吐き出すと。
「まーいっか」
考えるのを放棄した。いや、どちらかと言えばおおよその検討は付いた為に思考を打ち切ったと言った方が正しいか。
決して頭の良い方ではないニールだが、その勘は思わず女子か!と突っ込みたくなるぐらい鋭い。
と言うのも、ニールは考えうる中で最高と最低、その更に上と下だけを考えて動く。
そうすれば大抵の事に動じないと思っているからだ。
そのせいで周りからは脅かしがいが無いだとか言われるが。
と、自身の考えにひと段落した為周囲を見回してみた。
エイトやセイントの管理者組は戦闘を見ながら、あーでもないこーでもないと意見を言い合っている。
リリトはニールの傍でジッとしているが、レトは相変わらず鋼詩に詰め寄っている。
それとなく会話に耳を傾けてみれば、カートスが鋼詩自身だというのに納得がいっていないようだ。
返答に詰まっている自身のドッペルゲンガーを見かねてニールが助け舟を出した。
「レトー、何が納得いかないん?」
元凶とも言えるニールから声をかけられたからか、単にのほほんとしている自身の兄にイラついたのかは分からないが、振り向いたその顔は多分に怒りの感情が見て取れた。
「何がって!アイツが何をしたのか知らないの!?この世界の人なら誰でも知ってるよ!」
「いや、俺はこの世界の住人じゃないし?知らないのは当たり前っていうか?ね?」
ニールがレトの相手をしたのを幸いと、鋼詩は少し距離を取り、地上の戦いを観戦しだした。
当事者じゃなければ見えてくるのもあるのだろう。
・・・ニールが燃料を投下してしまった事に。
暫く俯いていたレトだが、勢いよくその顔を上げるとニールに掴みかかった。
「・・・あー言えばこー言う。昔から言ってたよね?余計な事を言うなって。ね?」
胸倉を掴まれて初めてニールは理解した。あ、何かを踏み抜いた、と。
離れた所から見ていた鋼詩も理解した。出された助け舟は泥船だったか、と。
それを観察していたストークも理解した。レトのステータスがバグってるな、と。
「あー、レト?落ち着こうか?というか落ち着け、な?」
「私は落ち着いてるよ?」
いい笑顔で、本当に、実にいい笑顔でニールに語り掛けるレトは、掴んだ胸倉をそのまま振りかぶった。
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「どうしたどうしたよ!そんなもんじゃねぇだろ!!」
いくつものフェイントを交えて繰り出された正拳突きを躱し切れずに、とっさに両腕を交差させて受け止める。
それでも勢いを抑えきれずに大きく吹き飛ばされ。
シーガンの速さは既にマーサでは追いきれなくなっていた。
空中で体制を整え地に足をつける。
「・・・チィ!」
背後からの蹴りを吹き飛ばされた勢いそのままに大地を蹴りつけて上に避ける。
だが、それはまずかった。
身動きの取れなくなった空中でシーガンからの追撃を食らってしまう。
真っ赤になり、不思議な文様が浮かび上がる腕に足を握られ、ハンマーの様に振り下ろされる。
「おっらぁ!!」
「・・・!!」
声にならない声を上げ、大地に叩き付けられ血を吐くマーサだが、シーガンからの追い打ちはなかった。
「おいおい。横槍は野暮じゃねぇか?えぇ?」
いつの間にいたのか、シーガンの眼前に刀の切先が突き付けられていた。
そのせいで動けず、シーガンは動きを止めるしかなかった。
「忠告をしようかと思ってな」
「忠告だ?」
鬼の面を被った武者、カートスは刀を鞘に納めつつマーサを担ぐと、後ろに飛び退る直前に言葉をそこに残す。
「上に気をつけろ」
カートスから残された言葉にシーガンが「あ?」と、上空を見上げた瞬間。人が降ってきた。
その速度や性別が違えば「親方!空から女の子が!」と、鋼詩が嬉々として叫んでいたであろう光景。
だが現実はむしろ隕石か何かが降ってきた様な光景だ。
ドゴン!!!と今までで一番の轟音を轟かせてシーガンに降り注いだ人物。
難を逃れたカートスが視線を上に向ければ、腕を組みこちらを見下ろしているレトが。
「何をしているのだ・・・」
呆れた様に首を振るその様はレトが見れば、いや、この鬼武者を知っている者が見れば酷く違和感が出るであろう。
もうもうと立ち上る土煙に視線を戻し、マーサを横に降ろす。
激しく咳き込むマーサは口元を拭いながらもよろよろと立ち上がった。
「グッ・・・流石覇者ね。ここまで手強いとは、ね」
「よく言う。その顔で言われるアイツが哀れになるぞ」
かなりのダメージを負いながらもその顔には変わらず、爛々と輝く笑顔が張り付いていた。
「こんな戦い久しぶりだもの。それよりも、一応礼は言っておくわ。ありがとう」
マーサが言った助かったと言うのは、あの爆撃から守ったことに対してだろう。
さしものバトルジャンキーも、あんなふざけた攻撃?でやられたくはなかったのだ。
返事をせずにその場から離れるカートスを見送るマーサの目は、何とも言えない複雑な視線をしている。
気持ちを切り替えるように視線をシーガンに戻し、土煙を魔法でもって吹き消す。
そこにはシーガンの上から立ち上がるニールが居た。
「クッソビビるー。痛みもないしダメージも直ぐ回復するけどさー、あの高さから投げられるってやばいっしょ。しかも威力がヤバすぎるし。絶対暇人君の誰かが加担しただろ」
ようやくPCで書く事が出来るようになったので楽です!
ペースも……早くなる……かな?
では!
お読み頂き有難うございます!
次回も月末になるかと(^o^;)




