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神様の誕生日  作者: スマイリー
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第6話 全ての始まりみたいな感じ

「おはよう。よく寝れた?」

 気が付いたら寝てたらしい。

 既に朝になってるみたいで窓から見える外は明るくなっていた。

「あ、すいません、おはようございます」

 ソファーの後に立ってこっちを見下ろしている林さんに返事をしながら起き上がる。

 昨日はなかなか楽しいストーキングをしていたが、夜になり王様が寝てからは適当に町人Aとか町人Bを見ていたが面白いイベントも起きず。

 見ようと思えばそりゃ、盗賊っぽい奴とか明らかに今から子供を作ります的な人とか、娼婦とか、魔物と絶賛戦闘中の冒険者とか見れるけど、それを見たら確実に寝れなくなる。

 だから何も無さそうな町人AとかBをダラダラ見ていた結果がこれだ。


 スマホで時間を確認すると、朝の7時46分。

「すぐに準備します」

「ゆっくりで良いわよー」

 昨日の内に持って来た着替えとタオルを持って風呂場に向かう。

 それを見ながら入れ替わる様にソファーに座る林さん。

 風呂上りなのか、ウェーブのかかった茶髪が少ししっとりしていて、ほのかに香る石鹸と、あのちょっと高いシャンプーの香り。

 自分で使ってもここまでいい香りにはならないから不思議だ。

 サクッと風呂に入って着替えて林さんを見てみれば、モニターを見ながらお菓子を食べていた。

「あら、早かったわね?お風呂はちゃんと入らないとダメよ?」

「ただの眠気覚ましと朝シャンなんで、こんなもんで良いんですよ。ちゃんと寝る前にはしっかり入ってますし」

 昨日は寝落ちして忘れてたけどな。

 そして準備が出来たから色々林さんに聞いてみた。


 結果。かなり驚愕の事実が判明した。


 まず、給料だが月給制じゃなくて完全歩合制だった。

 以前、最高1000万と言ってたが、これは以前に林さんが稼いだ月での最高だったらしい。

 もちろん俺が上手い事やればそれ以上も行くのだが、稼ぐ方法を聞いて更にビックリした。

 他の2つの異世界から鉄や銅などの鉱石から、ダイヤ等の宝石系、更には人を仕入れてこの世界で売り捌いているらしい。

 鉱石や宝石はわかるが、人と聞いてうまく理解できなかった。

 それについてはカフェの名義変更の為に役所に行ったときに聞かされた。


 なんでも、こちらの世界から転生とか召喚出来る様に、あちらの世界からも同じ事が出来るらしい。

 これは3つの世界が同じ管理者だから出来る事で、他の管理者の世界に転生とかさせようとしたら、話し合いやら代わりにコレを寄越せなど色々面倒なんだとか。

 で、召喚した人は国や非合法の組織なんかに大変好評だそうだ。

 戸籍や指紋、その人を知っている人が皆無だから色々使えるらしい。

 そんな商売をしてるからか、世界各国に顧客を持っているし、同時にそれだけ命を狙われるみたいで。

 でも、管理者になったら人には殺せなくなるらしく、同じ管理者が殺すか自害するかしないと死なないらしい。

 ただ、これは俺自身についてで、ドッペルゲンガーはその限りじゃないそうだ。


 最初は林さんもドッペルゲンガーを所持していたが、数えるのも嫌になるぐらいドッペルゲンガーが消された為、新しく作るのが面倒になって、最後のドッペルゲンガーが消されたのを利用してこちらの世界で死んだ事にしたみたいだ。

 それからはこちらの世界で人を商品にしたり、大量の貴金属は売らなくなった。

 じゃあ、今役所に来て大丈夫なのか?となるが、管理者は姿が変えられるし、戸籍なんかはちょっとこの世界に干渉して細工してあるから大丈夫と言っていた。

 姿が変えられるのはありがたい。

 でも……それってかなり大きい干渉なんじゃね?と思ったが、案の定そのせいで第二次世界大戦が起きたらしい。

 初代管理者にこっぴどく怒られたが、死人を生き返らせたりしてないから首チョンパは免れたと安堵してた。

 管理者が干渉すると自然災害だけじゃなく、人的災害も起きるみたいで。


 戦争してる当事者たちはそう思ってないが、干渉した影響が無意識に働きかけて、普段だとしないような決断をするらしい。

 マジでこんな大事な事を何で言わなかったのかと問い詰めたかったが、聞かなかった俺も悪いからその気持ちをぐっど飲み込む。

 人は売れないにしても鉱石や宝石ならいくらでも売れるんじゃね?と一瞬思ったが、冷静に考えるとまず無理。考えてほしい。

 ただのカフェのオーナーが毎月のように宝石や貴金属を売り捌くとどうなるか。

 確実に怪しまれる。どこから仕入れてるんだ?と。

 じゃあ宝石店開けばいいじゃないかとも思ったが、これも同じ様に仕入先が不透明になるからアウトだ。

 海外の採掘場の責任者とつるんでそこから仕入れてる事にしても、それだけ大量の貴金属が出るとなれば、確実に調査が入る。

 結果、そこにはそれだけの貴金属が埋蔵されてる様な地質じゃないとバレて駄目。


 実際、林さんもあの手この手で何とか貴金属だけで稼げないかと試したらしいがすべて駄目で、今はたまに純金のネックレスを世界のあちこちにちょっと売り捌くだけだったそうだ。

 うん。俺が稼げる余地無いよな?既にこの人が潰してるからな。

 で、お店の必要経費はどこから出てるのかと聞いたら、お店の維持費は初代管理者から毎月振り込まれるみたいで、そこから捻出していた。

 そして、最近は全然稼げないから他の異世界に行って遊んでたと。

 その時にパラディソスとコラスィへの行き方や、レベルやスキル等の弄り方を教えてもらったり、それぞれの世界の名前の由来も聞いたがぶっちゃけ、俺の頭の中には大量の諭吉さんがドナドナされてる光景が浮かんで、何とかしてそれを阻止する為の方法を考えるので一杯だった。


 そして色々教えてもらい、お店に帰ってきたのが日も沈み始めた夕方。

 林さんとは途中で別れて適当なドアから帰宅。マジ便利。

 そしてボーっとモニターを眺めながらこれからどうやって稼ごうか考える。

 無理して大量の貴金属系を売ろうか考えたけど、狙われるのが俺やドッペルゲンガーなら問題無い。

 だが、これが家族や身内が狙われるのは無視出来ない。確実に人質とか取りそうだし。

 それだけは避けなければならない。

 …………色々考えて思いついた。


 向かってくるなら全部背後関係までキレイさっぱり消していったら良いんじゃないか?

 身内に危害を加えないならちょっと相手にするぐらいにして、危害を加えるような動きをしたら全部マルっと消し去って。

 他の奴にもわかるように見せしめ的な?

 幸い、管理者は人には殺されないらしいし。一応林さんにはホントなのか確認した。たとえ管理者が指示をしたとしても一度人の手が入ると核を何発撃ち込まれようが全く何とも無いらしい。

 これは林さんが別の世界の管理者から聞いた事で、初代管理者もそう言ってたと。

 つまり、ドッペルゲンガーにこっちを任せて俺が現実に行って売り捌けば問題無い。

 …………イケそうな気がしてきた。


 それならまずは色々準備しないとな。身内が狙われてるのかどうか監視する方法とか、撃退方法。

 後は、現実で敵対した奴を殺しちゃっても問題ないか聞いてみないとな。

 異世界から色々持ってこれるなら向こうで実験しまくって完成したのを持ってくるか。

 やる事が増えてきたな。

 こうなってくると後何体かドッペルゲンガーがホシイな。

 これも林さんに追加で聞いてみよう。

 やばい。楽しくなってきた。

 笑みを浮かべながら今後の計画を練って、林さんにLINEして。


 その日はそのまま風呂に入ってグッスリ寝た。

 明日から忙しくなるし。

 寝る前に林さんからも返事が来て、それを見て高笑いしながらベッドにダイブしてゴロゴロ転がったりして、疲れたのもぐっすり寝れた理由だな。


 さて。楽して遊んで暮らす為に頑張りますか。

次は22日金曜に更新します。

ちょくちょく修正しますがご了承下さい。


お読み頂き、ありがとうございます。

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