第56話 女王の憂鬱①
明けましておめでとう御座います。
大変遅れました。
約束を交わしてから300年が経った。
あれから娘を鍛えて鍛えて……森の一部とは言え、木々を焼き払う迄に成長した。
更に鍛えようとした所、娘が逃げ出したとの知らせが入った。
旦那……国王は直ぐに連れ戻そうとしたが、私が良い経験になると、放置させた。
それから風の噂で冒険者をやっていると聞いては居たが…………。
まさか、勝手に約束が果たされるとは思っても見なかった。
そこで初めてアイツの言っていた『特に何もしなくても大丈夫だと思うよ』と言う言葉の意味が分かった。
そうして成長した娘と会えるのを楽しみにしていたのに、何を血迷ったかうちの旦那は娘に宣戦布告しやがった。
城に転移させられた旦那から話を聞いたときは、うっかり旦那を半殺しにする所だった。
臣下達に必死に止められ、特別スパルタコース行きにした旦那を見送って居たら溜息が出た。
そりゃあ、溜息の一つや二つ出るでしょう?
周りに居た臣下は苦笑していたけど。
そんな時に精霊が見られていると教えてくれた。
相手は分からないと言っていたが、アイツで間違い無いだろう。
「見てないで挨拶位には来なさい?娘も居るんでしょ?」
虚空を見つめそう呟き、暫くしたら光る玉がフワフワと私の前にやって来た。
『あー、覗き見してたのは謝ります。すいません。数日後にそちらに伺います』
そう言うと、光の玉はスーっと消えていった。
まぁ、ただの伝言だろうね。
それからはかなり慌ただしかった。
龍人族の王が暴れていると聞き、結界を張ったり。森が燃やされていると精霊が教えてくれ、駆け付けると面白い人物が居たり。
異世界の管理者など、絶対に強いに決まってる。
これまでの鬱憤を晴らす様に、争ってる二人の管理者に私も参戦した。
久し振りに全力を出したからか、かなりスッキリしたけど…………まぁ、森の一部が無くなったのは仕方無いわよね。うん。
その二人の管理者もアイツに用があるみたいだから、ここに居れば会えると伝え、残って貰う事にした。
その時は良い暇潰し相手が出来たと、喜んでいたのに。
臣下や精霊から森をどうにかして!と、散々言われた為に暫くは森の復興と結界強化をするはめになったわ。
自分でやらかした事だとは言え、かなり大変だった。
森に居るドリアードやノーム、ウンディーネ達にお願いして協力して貰い、荒れた地面を戻して、木々を生やして成長させて森を修復。
公務より大変だったからもう二度とやらないけど。
そうして全てを終えた頃に、龍王の消失を聞かされた。
まぁ、アイツがやったのは明白だから来客の準備をしなさいと伝えて、私は謁見の間で待つ事にした。
やって来た面々を見て、アイツが言っていた事と少し違う事に気付いた。
まず、肝心のアイツが居ない。
一応やつ自身と言う女性が居たけど……余り信用は出来ない。
娘も予想より強くなってはいたけど、性格が変な方向に行っている。意味わかんない。
そして一番の謎が、妹のレトと言う獣人。
確実に居なかったし、そんな話も全くしていなかった。
明らかに前回と違う。
クロムと名乗った奴に聞いてみたが、何も答えなかった。
ただ、確実に知っている。前回も今回も。
…………フフフ。実に面白い!
退屈する事は無いだろう。案の定、クロムと模擬戦をする事になった。
アイツが決めたルールを聞いてそうじゃないかと思ったが、予想通り相手の時間を止めてきた。
こんな簡単な魔法にかかるのは管理者とは思えない程バカのエイト位だろう。
そう思っていた時期が私にも有りました。
二回目に使ったクロムの魔法は何だ?あの詠唱は?詠唱に込められた力は何なの?
魔法に込められた魔力も桁外れ。なのに全く漏れる事はなく、静かに術を完成させた。
…………ふぅ。これは久し振りに面白くなりそうね。
次は私の番かしら。
「次は誰が相手する?」
クロムの言葉に私が反応するよりも早く、横に居たセイントが歩き出していた。
「私がやろう」
「オッケー。じゃあ、ちゃっちゃとやりますか」
あのクソ鎧!私だろ!てか、先にさせろよ!
いや、待て。まぁ落ち着くのよ。
アイツの手札を更に見れるなら良い事じゃない。
うん。まだ慌てなくても良いわ。
さて、セイントはどう対処するのかしらね。
間に合わずに年が開けちゃいましたね……。
次は7割程書き上がっているので来週には上げれるかと。
それよりも最近妙に視線を感じるんですよねー。
モテ期到来ですかね!?
……まぁ、ありえませんが。
お読み頂きありがとうございますm(_ _)m




