第49話 別行動?って感じ
最後に現在のニールのステータスを書いてます。
「……知ってる天井だ」
そんなボケを言うぐらいには余裕が有るのだろう。
ニールが目を覚ましたのは異世界館に有るベットの上だった。
「って違うわ!どうなった!?」
…………余裕は無かったらしい。
勢い良く起き上がると、すぐさまモニターの有る部屋へと駆け込む。
バタン!と開けたドアから見える部屋の中には先客が居た。
「んぁ?お、どうしたん?」
そこにはモニターを見つめ、時折手に持つジョイスティックを操作しながら、ポテチを頬張る鋼詩が居た。
モニターを見ていたなら話は早いと、ニールは色々端折って聞いた。
「行けるか!?」
………………端折り過ぎである。
本来聞こうとしたのは、ニールがここに居る理由と、殺られた後どうなったか、そして再度戦いを挑んで勝てるかどうか。
だがそこは思考回路まで同じドッペルゲンガー。
その一言で察した様に話す。
「どこに?」
…………いや、まぁそうだろう。
いくら同じとは言え、ニール自身もそんな事を言われれば同じ反応をする。
たとえ以心伝心でも無理だ。
流行る気持ちを抑えつつ、ニールは事の顛末を鋼詩に話した。
話を聞いている間、鋼詩はジョイスティックを操作して頷いたりしていた。
「なるほどねー。で、アレをどうにかしたら良いの?」
そう言いながら指をさした先には…………。
「出来れば再利用したいんだけど……あそこ迄いくと無理臭いか?」
それは最早原型を留めておらず、東洋の蛇みたいな巨大な龍がブレスを吐き、地上に雷を落とし暴れ回る姿が映っていた。
「んー…………。とりま入れ物があれば良いんよね?それなら問題無いけど」
「けど?」
「ぶっちゃけ、家族を護る手段なら別で有るから要らないんよ?」
「……マジンガー?」
「ゼット」
自分がアレコレ考えていた事を、こうもあっさり要らないと言われれば、流石のニールも変な返事をしてしまう位には動揺する。
それが何なのか聞こうとした所に、鋼詩が人差し指を立ててニールを見た。
「ここって沖縄じゃん?」
それがどうしたと言わんばかりの顔をするニールに笑って教えた。
「ヘリや戦闘機の音が全くしないんよ」
言われて気付く。
いつもならバカデカい爆音響かせ、基地の近くでは窓を揺らす程の音が全く無い。
戦闘機に関しては、多少基地から離れていようとテレビの音がかき消される程だ。
ニールがその理由を言おうとした所、先んじて鋼詩に潰された。
「防音工事がしっかりしてるとか、今の時間飛んでないとかじゃ無いぞ?」
お手上げと言わんばかりに肩を竦めるニール。
「降参。なんでなん?」
「この異世界館って別次元に有るみたいでねー。どんな災害があっても影響無し。で、それを応用して忙し君を送り込んだ。何があっても対処出来る様に3人一組でね」
そう言い、モニターの一つを指差す。
元々あった3つのモニターとは離れた所に置かれたそれには、鋼詩の家族が映っていた。
家で寝ている父に、テレビを見ている母、子供と一緒に遊んでいる弟、仕事中の姉と妹。
「流石に家族は監視しないから、普段は消しとくよ」
モニターの電源を切りながら鋼詩は話す。
「あー。じゃあ、アレ要らんじゃん」
「そゆこと。どうする?」
「…………何かに使えそうだし、放置で良いんじゃね?……見境なく襲ってるみたいだし」
ニールの言うとおり龍王は所構わず暴れまくり、その暴威はエルフの国に到達しようとしていた。
本能だけになった生物はあんなにも手が付けられなくなるのかと、そう思いながらモニターを見ていた。
そんな時にふと思った。
(……ん?…………ちょっと待て、今ドアから入ってきたよな?……確かにベッドルームはココから離れた所に有るからおかしくは……ない、か?………………なーんか違うんだよなー…………こっちも調べて見るか。向こうはアイツ等に任せとけば良いし)
一方、ニールと別れたアリスト達はホームとも言うべき村に戻っていた。
「ねぇ!にぃにぃは何処に行ったの?!」
「マスターは無事なんですか?!」
「煩いのじゃ!さっきから大丈夫だと言っておるだろうに!」
「うそ!だってスラメブルも居ないじゃん!」
レトやリリトはニールが何処に行ったのか分からない。
村に戻って来たのは、ニールが転移させたからだと言われた為理解できたが、そのニールとスラメブルが居ない。
いくらアリストが大丈夫だと言ったとしても、その姿を見る迄は納得は出来ないだろう。
そうして押し問答をしていたが、先に折れたのはアリストだった。
「あーもう!分かった!分かったから少し黙るのじゃ!」
大きく溜息を吐き出しながら二人を制してアリストは虚空を眺め……。
「居るのじゃろ?妾には無理じゃ。お主がなんとかせい」
レトとリリトには誰に話しているのか分からなかった。
煙に巻こうとしているのかと思った時に声が響いた。
「…………やっぱ分かってたかー。まぁ、普通は気付くよねー」
「妾も管理者じゃからな」
何も無い所から声が響き、キョロキョロと驚いている二人の目の前に小さな炎がユラユラと踊る様に現れた。
炎は次第に大きくなり、それに合わせて黒く変色していく。
それはゆっくりと人の形を取り…………「クロム!!」その途中でレトに掴まれた。
まだ完全な人型では無いが、肩に当たる部分を掴まれ激しく揺さぶられる。
「ニールにぃは!?にぃにぃは大丈夫なの!?」
いきなり炎に掴みかかるレトに呆気に取られ、リリトは暫し固まっていたが、レトの発した『クロム』と言う名前に思い至り我に返ると、同じ様に詰め寄った。
「クロム……!クロムさん!マスターは無事なんですか?!」
「ちょ……まっ……」
揺さぶられるクロムは応えたくとも応えられず、ガタガタと揺られるだけ。
話が進まないと思いアリストが助け舟を出そうとしたが、ちょっと前迄の自分を思い返し出しかかった言葉を飲み込む。
意趣返しとは言わないが、二人から詰め寄られるのを見たアリストはただ微笑むだけで何もしなかった。
「ちょっと待てって!……話せんだろ!」
何とか二人を振り解き、声を荒げるクロム。
急いで人型になり、落ち着く様に両手を二人に付き出す。
「アリストも黙ってないで助けろよ!」
恨みがましくアリストを睨むクロムだが、睨まれた本人は肩を竦めるだけで何も言わなかった。
それを見て諦めたのか、にじり寄る二人を見て焦ったか、クロムはニールの事を話し始めた。
「はいはい。落ち着こうねー。ニールは無事だよ。今は地球に帰ってるとこ」
何処に居るのか分かって、漸く落ち着きを取り戻すレトだが、リリトは違った。
それもそうだ。リリトは地球なんて知らないからそこが安全なのか等、分かるはずもない。
「何で急に?アイツはどうなったの?」
「アイツ?あぁ、龍王?それならまだ暴れてるよ。ニールは一回殺られたから向こうに戻ったんよ。あ、一応言っとくけど全く問題無いからな?アイツがマジで死んだら俺達も消えるし」
再度詰め寄ろうとした二人に先んじて、ニールの無事を伝える。
「じゃあ戻って来る?」
レトのその言葉に少し考える様な仕草をした後、クロムは予想外の事を告げる。
「…………あーね。いや、ニールは暫く戻らない見たい。何時でも来れる様にするけど、向こうでやる事出来たみたいだし」
名前 ニール・ド・アシュリス (男)
年齢 26
職業 管理者(下)
LV 188
HP 83465/83465 MP 79558/79558
STR 5560 DEX 6800 VIT 7210
INT 9300 AGI 10500 MND 6900
LUK 18000
一般的なステータスは、一般人の平均が100前後。
普通の兵士が100〜300前後。
士官クラスが300〜500。
騎士が500以上。
近衛兵が800以上。
各国によってバラつきは有りますが、大体こんな感じです。
もちろん、中には例外も居ますが。
ステータスが500を超えれば強者と言われ、1000を超えれば最強と言われます。
リリトやレトがアホみたいに高いステータスを持ってるのは後々本編で。




