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神様の誕生日  作者: スマイリー
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第33話 街を作り始める感じ

 買物を終えてニール達が拠点とも呼ぶべき森に戻って来たのは丁度昼を過ぎた辺りだった。


「さて、ここが今日から皆が暮らしていく場所です。正面の家以外は好きに使ってくれて構わないよ。何か希望があれば遠慮せずに俺かこの二人に言ってくれ。じゃあ何か質問がある人?」


 大量の奴隷達を前にニールが話す。

 その横にはリリトとレトが並んでいた。

 にしても、皆中々汚れてるなーと考え暇人君に大浴場を作るようにお願いをしていると一人の奴隷が手を上げた。


「ん?はい、どうぞ」


 その奴隷は20を過ぎた位の男だった。


「あの、俺達は何をしたら良いんでしょうか?」

「何をって?特に無いよ。強いて言えば大人組は子供の面倒を見てくれると助かる。後、教師の経験がある人は先生になって皆に色々教えて上げてほしいって位かな」

「え?……それだけですか?」

「え?そうだけど?仕事が欲しかったりする?」

「いえ、そういう訳では無いんですが……」


 何やら複雑な表情で周りを見回す奴隷。

 こっちも何が不満なのか分からずに居ると、リリトが教えてくれた。


「マスター、奴隷には普通何かしらをさせるのがこの辺りでは常識です。服を買ってあげて、更には住む家まで与えられたら奴隷としては何かあるんじゃないかと逆に不安になるものです」

「あぁ、美味い話には裏があるってか?」

「そうです」

「んー。……つっても、マジで何にもないからなー」


 何か無いかと考えていたら隣のレトがジト目で睨みながら話に混ざってきた。


「じゃあ何で買ったのよ?」

「異世界の定番を経験してみたくて」

「…………はぁー。いつものその場のノリ?」

「そんな感じ」


 どうしようもないとでも言わんばかりに溜息を吐きながら肩をすくめるレト。

 そんな妹はさておき。どうしたもんか。

 と、考えた所で以前暇人君が言っていた事を思い出した。

 なんでも、ここは新しい世界と言える場所だと。


(新しい世界なら色々開拓しないといけないよな……。スキルでやっても面白くないし、それをさせるか)


 そうと決まれば行動は早い。


「よし!じゃあこうしよう。皆でここに新しい街を作ってくれ。完全に自給自足が出来る様に。人手は増やすし、道具が無いなら作ってやる。どうだ?」


 それを聞いた奴隷達はお互い目配せをしたりヒソヒソと相談したり、只々コチラをジッと見つめたり…………見つめる?

 そこで漸く奴隷達の中に自分の事をキラキラした眼差しで見つめている人が居る事に気付いた。

 周りの奴隷達と相談するでも無く、ただ見つめる。

 まぁ、理由も何と無く分かるけどね。

 その人達は怪我や病気を治した人達で。

 ニールがどうやって治したのか。それは簡単だ。


 ・神々の奇跡(ゴッドミラクル)

 ありとあらゆる怪我や病気、状態異常を治す。

 死んだ者も魂が無事なら蘇生させることが可能。


 新しく作成したスキルを使っただけ。

 ニールが暇人君改め、作成君1号に依頼したら張り切り過ぎてこうなった。

 ネーミングで少々揉めたが、そもそも暇人君も作成君も自分自身。結局は安直な名前になった。

 中々の人数が居た為、個別に使用するのは面倒だからまずはリリトとレトに使用して熟練度を稼ぎ、自分には連続使用して一気に広範囲使用可能になる迄熟練度を上げ、奴隷全員に使用。


 その時は完全犯罪(パーフェクトクライム)を併用して周囲にバレない様にした。

 結果、持病の頭痛や腰痛、肩コリ、虫歯、骨格の歪みさえ治してしまったから使用したニールもびっくり。

 ふと、「地球でこれが使えれば父さんや母さんの持病も治せるな」と思ってしまった程だ。

 そんな事を考えていたら奴隷達の相談も終わったようだ。


「ご主人様、疑う様な事を聞いてすいませんでした。我々奴隷は酷く扱われるのが当たり前だと思ってたので、ここまで……いや、元の暮らしより豊かになって疑ってしまったんです。重ねて申し訳ありませんでした」


 まぁ、言いたい事は分かる。とニールは思った。

 実際、何故自分が管理者になれたのか、何故林さんは管理者を辞めたのか未だに疑ってる位だ。絶対何か裏があると。

 ニールは自分が選ばれたとか、特別な何かを持ってるとは思っていない。

 寧ろ自分には何にも無い、平凡の下の方だと思ってる。これといった特技も無く、趣味と呼べるような物も無く、毎日をダラダラと過ごしていた自分が特別だとは……。


「にぃにぃ?どしたの?」


 その声に自虐的な思考から戻されたニールは横に居るレトの心配そうな顔を見て、(はぁー。しっかりしないと。妹に心配されるのはダセェだろ)と思い、軽く頭を振ってレトに笑いかける。


「何でも無い。俺も抜けてんなーと思ってねー」

「なんだ。そんなのいつもの事じゃん」

「おまっ、いつもじゃ無いだろ。たまにだよ、たまに」

「はいはい。どうせ、考えんのにりー(面倒くさ)とか考えてたんでしょ」

「それは否定しない」

「……ドヤ顔すんな!」


 と、気づいて見れば周りの奴隷がどうしたら良い?見たいな空気を出してアピールしていた。


「えー、そんなわけで。皆にはここに街を作って貰います。衣、食、住は保証するので何かあったら遠慮せずに言ってな。あと…………」


 言いながらニールは徐にパチンと指を鳴らした。

 その音と共に奴隷達の首に嵌っていた奴隷の証、『隷属の楔』がキラキラと光る粒子になって消えていく。


「それは邪魔だしカッコ悪いから要らないっしょ」


 そう言って笑ってやると、元奴隷達はお互い手を取って喜んだりしている。

 コレで好感度カンストだな。とほくそ笑むニールをジト目で睨んでいるレト。そんな二人を1歩後から眺めているリリト。

 その目は何を見ているのか。薄っすらと笑うリリトにアホな兄妹は気付く事もなく…………。

次はまだ半分しか出来てないので少し遅れます。


お読み頂きありがとうございます。

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