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神様の誕生日  作者: スマイリー
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第31話 買い物と再会って感じ

 脳内会議を終了してニール一行はガイガル街に着いた。

 検問は完全犯罪を使って何事も無く通過し、街中を見て回る。

 改めて街を見回すと異世界なんだなと思う違和感がチラホラ。

 地球と比べて直ぐに分かる違いはやはり電線と機械の無さか。

 建物ならイタリアやヨーロッパ、アメリカに有りがちな物が多いし、木造のログハウスも有るからその辺は違いといったものは感じられない。


 車と電線が無いだけでこんなにも違って見えるのかと、感心しながら辺りを見回す。

 レトは意外と慣れてるのかキョロキョロせずに堂々としている。

 リリトも似たようなものだ。


「それで?何処に行くか決めてるの?」


 街に入ってそのまま歩いてたらレトが聞いてきた。


「あぁ、モータル商会ってお店にな。この街に来た時に世話になったからそこで買い物しようかと」


 初めてこの街に着いた時に話しかけたおっさんが入り用な時はうちをって言っていたのを覚えていたのだろう。

 結構大量に買い込むつもりなのでせっかくだし利用しようと。

 店の場所は既に調べてある。あの時のおっさんも店に居るから丁度いい。

 そうして街の中を歩く事暫く。

 目的の場所に着いた途端、リリトが声を上げる。


「ここ……ですか?マスター」

「何か、周りと比べてめっちゃボロいんだけど?」


 レトも同じ事を思ってたのか、直球過ぎる感想を口にしていた。

 確かに見た目はボロい。

 何この掘っ立て小屋?と思う程には。

 だがニールは知っていた。暇人君の調べてくれた情報によれば、このモータル商会はかなり変わっているらしい。

 家等の外側に金をかける余裕が有るならその分商品の仕入れや従業員に金をかける、と言う理念で営業してるのだ。

 最初にその話を聞いた時は「え?スーパーホワイト?」と思ってしまった位だ。


 何せ、その従業員の給料は王都の一番デカイ商会と変わらない。

 しかも人数も通常の商店の倍は居る。

 その給料の高さからかなりの人気商会になってるのだが……。

 普通の人ならこう思うだろう。

 少しは店を良くしろよ、と。

 地球で言うなら汚シュランと言った所だ。


「ま、入って見たら分かるよ。繁盛してるみたいだし」


 三人が外で話している間も客足は止まることはなく、店の中からもガヤガヤと騒がしい喧騒が聞こえている。

 客層も冒険者風の者から近所の主婦見たいな格好の人まで様々だ。

 その客に混じってお店の中に入る。

 そして、店内を見回してまず思った事は「は?」だった。

 3人共同じ反応をしたから初めてこの店に来た人はこんな反応をするのだろう。

 流石にニールも中の様子までは聞いてなかったのだ。

 ちょっと綺麗にされてると言ったレベルでは無く、全くの別物。


 外観があんなにボロいのに中はしっかりしていた。

 簡単に言ってしまえば外はただのハリボテ。

 商品を陳列する棚から床、壁や天井、カウンターに至るまでしっかりした造りをしていて、床は綺麗な石材。壁は金属。天井はこれまた木目の綺麗な木材。棚は金属と木材を使ったしっかりした造り。

 思わず出入口に立って外と中を見比べた程だ。

 そんな事をしていると買物を終えた恰幅の良い主婦さんが話しかけてきた。


「あなた、ここは初めてでしょ?最初見た時は皆そんな反応をするのよ。で、今はこう思ってるんじゃない?『外側も綺麗にしろよ』って」


 そう言われたニールはもちろん、近くで話を聞いていたリリトとレトもうんうん頷いていた。


「でもそうしないのは何か理由があるんですよね?」

「そうなのよ!皆はそこが気になって聞きに行くんだけど、理由を聞いた人は大体2つの反応に分かれるわね。1つがなるほどと納得するのと、もう一つは意味が分からないと言った反応ね」

「へー。因みに奥さんはどっちだったんですか?」

「あらやだ、美人の若奥様だなんて!おだてても何も出ないわよ?」


 ニールとレトは流石兄妹か、あ、面倒くさいタイプだ。と思い愛想笑いを返す。

 リリトは首を傾げているから分からなかったのだろう。


「私は納得した方ね。多分あなた達も納得する方だと思うわよ。実際に聞いてきなさいな。丁度ガットさんの手が空いたみたいだし」


 そんな意味深な事を言いながら奥さんは帰って行った。

 そして、入れ替わる様に店内から一人の店員がこちらにやって来た。

 恐らくは先程の主婦さんが言っていたガットさんだろう。


「いらっしゃい!お、こないだのニイちゃんじゃねえか!どうだ?ちゃんと飯食えたか?」


 その人物は丁度探してたおっさんだった。


「お久しぶりです。かなり美味いご飯を食べれましたよ」

「そうかそうか!今日はどうした?そんな美人を二人も連れて」


 美人と言われ、レトはドヤ顔をしながらニールを見ている。

 リリトはいつもと変わらず。

 因みに、姿は以前のニールに戻してある。完全犯罪を使って。

 ニールは敢えてそれをスルーして、二人を紹介するついでに目的も話す。


「こっちは妹のレト。こっちが仲間のリリトです。今日は色々買物しようと思って」

「お!客かい!そんなら中を見ていきな!必要なもんがあれば遠慮なく言ってくれ」


(何か、最初とキャラ違い過ぎないか?)

(多分ホームだから素が出てるんでしょ)

(あー、なるほどね)


「結構量が多いと思うけどその時はまた呼びますね」

「あいよ!」

「あ、所で。何で外観があんなにボロいんですか?」


 奥に行こうとしていたガットさんにさっき聞いて気になっていた事を聞いてみた。

 それを聞かれたガットはニヤリと笑い。


「よっくぞ聞いてくれました!なに、理由は単純よ!その方が皆入りやすいだろ?無駄に外観が綺麗だと中々入れない客も居るからボロくして敷居を低くしてるのよ!」


 聞いた3人は先程の主婦が言っていた様になる程と頷いた。

 だが、ニールは一つ不思議に思った事もある。


「その理由を聞いて納得しない人ってどんな人なんですか?」

「あぁ、そいつは……っと。丁度良いタイミングで来たな、ああ言うタイプだ」


 ガットさんが入り口を見ながらそういう為、皆でそっちを見てみると何やら豪華な衣服を着た貴族が近くに居た店員さんを捕まえて質問攻めにしている。

 それを見ただけで何と無く理解した。

 あぁ、こんな感じのタイプか。と。

 助けに行かなくても良いのかな?と思ってガットさんを見てみるが、特に気にした様子もなくこちらに視線を戻すと「分かったか?」と言いたげな視線を返された。


「まぁ、なんとなく。成金とかそんな感じのタイプですよね?」

「あっはっは!言うねーニイちゃん。どうやら持ってる連中には理解出来ないみたいでね」


 そう言って肩を竦めるガットさんと一緒に視線を戻して見れば、その貴族はズカズカと帰って行く所だった。

 周りの人達も慣れたものなのか気にした様な事は無く、逆に質問攻めにされていた店員さんに良くやったな!とか、お疲れさんと言った声をかけている。

 ニールも特に考える訳でも無く、ここでは日常なんだなと買物を開始した。

停電になると折角の休みも無駄になりますね。

次もちょっと早めに更新出来るかと。


お読み頂きありがとうございます。

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